【紹介/試走】AUDI RS Q3

2015.4.17

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レーシーなサウンドが聞こえてくるSUV

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A14K6722『Q3』はアウディ最小のSUVで、2011年4月の上海モーターショーで世界初公開となり、その後欧州市場でデビューを果たした。日本デ ビューは2012年5月で、まずは211PS仕様の『Q3 2.0 TFSI quattro 211PS』、次に170PS仕様の『Q3 2.0 TFSI quattro 170PS』が発表された。

 

現在ラインナップされているのは、『Q3 1.4 TFSI』と『Q3 2.0 TFSI Quattro 170PS』、『Q3 2.0 TFSI Quattro 211PS』そして『RS Q3』の4モデル。いずれも右ハンドル仕様だ。ちなみに『Q3 1.4 TFSI』は150PS、『RS Q3』は310PSというスペックだ。

 

今回試乗したのはハイスペックモデルとなる『RS Q3』だが、まず『RS』は何を示しているかご存じだろうか? まぁ日本車にも使われているから『レーシング・スポーツ』を意味しているのは分かるだろう。でもアウディには『クワトロ』の血を受け継ぐスポーティー仕様 の『Sラインモデル』が設定されている。それとの違いは何なのか? 『RS』は、アウディのハイパフォーマンス・モデルを担当する子会社「クワトロ GmbH」が開発とチューニング、そして製造も手掛ける最高性能バージョンのこと。ル・マン24時間レースをはじめとするモータースポーツ活動で培われた 技術を惜しみなく投入した市販モデルである。それを聞けば『RS Q3』が普通のSUVではないことは容易に想像できるだろう。先に述べると、コイツは羊の皮を被った狼、いやライオンだ。

 

『Q3』は、ワイドトレッド&ショートオーバーハングにデザインされたコンパクトセダン『A3』のプラットフォームをベースに開発されたコンパ クトSUV。『RS Q3』も全長4,410㎜×全幅1,840㎜×全高1,595㎜と、日本の道路状況でも楽に取り回せるボディーサイズが大きな魅力となっている。ちなみに 車両重量は1,700㎏で、搭載されるエンジンのスペックは最高出力310PS、最大トルク42.8㎏m。この数値からもモンスターであることがハッキリ と伝わってくるだろう。

 

インテリアもメタルカラーやカーボン柄を採用したスポーティー仕様で、ステアリングはパンチング加工された本革巻きモデル、シートはセミバケッ トタイプと、スポーツカーそのもの。その気がなくても、ドライビングシートに腰を下ろすと否が応でも心が揺さぶられてくる。そしてエンジンに火を入れる と、これまたイイ感じにセッティングされたレーシーなサウンドが聞こえてくる。いつも以上の自制心を持って公道に出てみたら…。

 

エンジンはハイパワーだが、ATということもあり、街中でも別に気負うことはない。乗り心地はいかにも欧州車で、しっかりとしたコシがある。ブ レーキも強化されているので、余裕を持った走りが可能。コンパクトボディーも相まって、精神的な疲労も少なくて済む。とても扱いやすいSUVだ。

 

しかし、アクセルを踏み込んだら瞬時にスポーツカーへと変身する。メーカーによる0-100㎞/hの測定値は5.5秒。実際に高速道路で試した ら、アクセルを強く踏んだ瞬間に視界が狭まり、流れる景色が変わった。ボディーがコンパクトな分、体感速度も速い。SUVをドライブして、これほどまでア ドレナリンが分泌したのは久しぶりである。

 

搭載されるミッションはマニュアルモードを採用する7速Sトロニックだが、今回使用したのはATモードのみ。マニュアルモードを駆使しながらワ インディングを攻めたら、さぞかし気持ちが良いことだろう。『Q3』は、しっかりとした自制心を持つオトナに捧げる、とても楽しめるSUVだ。

 

A14K6695【エンジン】
赤く塗られたヘッドが『レーシング・スポーツ』を物語る。2.5リッター直5DOHCターボで、310PS、42.8㎏mというハイスペックを叩き出す。

 

A14K6807【インパネ全景】
インテリアのカラーは黒一色。そこにメタルカラーやカーボン柄をちりばめて、チューニングされた特別なクルマであることをアピールしている。

 

A14K6820【メーター】
飾りのないオーソドックスなデザインが、走り重視の性格を強調していると言えよう。スピードメーターの300㎞/hという数値も納得の走りを披露する。

 

A14K6832【シフト】
トランスミッションは、マニュアルモードを備えた7速Sトロニックを搭載。ATモードでも十二分な走りを披露する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A14K6843【荷室】
コンパクトボディーなので奥行きは短いが、高さがあり、また床面とサイドがフラットなので積載性は良好。セカンドシートは4:6で分割可倒する。

 

A14K6846【タイヤ】
エンジンのハイパワー化に対応すべく、ブレーキもチューニングされている。またウェーブディスク形状が軽量化を実現。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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A14K6666● SPECIFICATION…全長×全幅×全高:4,410×1,840×1,595㎜/ホイールベース:2,605mm/定員:5名/エンジン形 式:直列5気筒DOHCガソリン・ターボ/排気量:2,480cc/最高出力:228kW(310PS)/5,200〜6,700 rpm/最大トルク420Nm(42.8㎏m)/1,500〜5,200 rpm/トランスミッション:7速Sトロニック/駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)/サスペンション:前マクファーソン式ストラット・後4リンク式 コイル/ブレーキ:前ベンチレーテッド・ディスク・後ディスク/ステアリング形式:ラック&ピニオン/タイヤ(標準): F:255/35R20、R: 255/35R20/ホイール(標準):F:8.5J×20、R:8.5J×20/車両本体価格6,777,778円(税抜)