【紹介】先進機能を搭載「エスクード」
2018.12.15
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スズキ
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オフロード走破性に不可欠なハードウェアを採用しながら、オンロード性能を優先させたコンパクトモデルとしてデビューしたエスクード。
現行型は乗用車のプラットフォームをベースにしているが、その走りにオフロード走破性を忘れてはいない。
そして、12月3日に改良を受け、さらなる魅力を備えたモデルへと進化を果たした。
(文章:吉田直志)
更なる魅力が与えられた!
初代エスクードは、いわゆるクロカンヨンクのハードウェアを用いながらも、日常性を優先したモデルとして、88年にデビュー。自らの人気はもちろん、RAV4やCR-Vといった乗用車ベースのコンパクトSUV登場のきっかけとなったモデルでもある。
アドバンテージとしていたラダーフレームとボディー別体構造は、3世代目でビルトインモノコックスタイルへとなり、15年にデビューした現行型はとうとうモノコックボディーを採用するに至り、乗用車のプラットフォームをベースとし、FFレイアウトベースとなった。そのことで、かつて手に入れていたオフロード走破性は薄れてしまったが、初代モデルに与えられていたオフロードを走破しようという心意気は今もなんら変わっていない。
さて、そんな現行型だが15年に登場した際に、ダウンサイジングエンジンとして1.6LNAユニットを搭載し、さらには17年に1.4Lターボエンジンを追加。その後、1.6Lエンジンはラインナップ落ちし、1.4Lターボユニットのみとなった。
走りについては、4輪独立懸架式サスの採用もあって、ハンドリングや乗り心地はまさに乗用車的となり、イマドキのCセグメントSUVレベルの快適性を手に入れている。ちなみに3世代目までは国内生産としていたが、現行型からはハンガリー生産へと切り替えられた。つまり、逆輸入車扱いとなった。そのため、走りに関するセッティングは欧州テイストそのものとなり、その乗り味も知る人ぞ知るアドバンテージとなっている。
そしてオフロード走破性については、オールグリップと呼ばれる統合システムを採用。4WDシステムは、前輪駆動をベースに必要に応じて後輪を駆動するオンディマンド式として、これに「オート」「スポーツ」「スノー」「ロック」の4モードを設定。タイヤが空転してしまうようなシーンでは、空転輪にブレーキをかけて、接地輪へと駆動力を伝えるブレーキLSD効果も採用し、スタックからの脱出もアシストしてくれる。なお、かつて存在していた4Lモードはなく、また、2WD、4WDを任意にセレクトすることもできない。
国内SUV市場で際立つコストパフォーマンス
今回の改良内容は、実は欧州での改良のタイミングに合わせたものだとか。欧州向けモデルにおいては燃費環境性能改善をターゲットとした改良が行われた(カタログ燃費スペックは変わらず)が、日本仕様のパワーユニットは手を加えていないという。
日本仕様の変更点は3つ。
まず、エクステリアでは、SUVらしい力強さをさらに強調しながらも、そこに上質感をプラス。具体的にはスモークメッキを用いたフロントグリルとLEDヘッドランプ、メッキフロントバンパーガーニッシュやメッキLEDイルミネーションランプベゼルを採用した。リアではコンビネーションランプにLEDストップランプを組み合わせ、さらに切削加工&ガンメタリック塗装を施した新デザインの17インチアルミホイールも相まって、精悍さを高めている。
インテリアでは、インパネ上部へのソフトパッド、本革+スエード調のシート生地の採用、さらにメーター間に配置されたマルチインフォメーションディスプレイのフルカラー化などがポイントとなっている。
そして、最大のトピックとなるのが、スズキセーフティサポートの機能充実だ。衝突被害軽減ブレーキについては、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートへと進化し、アダプティブクルーズコントロールはスズキ国内初となる全車速追従機能付きとなった。また、スズキ初となるブラインドスポットモニター(車線変更サポート付き)、さらにはリアクロストラフィックアラートまで採用となった。
現行型エスクードのアドバンテージは、SUVとしてのオールマイティーさだけではなく、ヨーロッパテイストの味付けのシャシー、ライバルとされるSUVよりもリーズナブルといえる価格設定にあった。
しかし、今回の改良で質感あふれる内外装に加えてサポーカーS<ベーシック+>相当の安全装備まで備えたことで、さらなるリーズナブル感がプラスされた。改良によって価格は従来よりも7万2360円高の265万8960円となったが、そもそもコストの掛かるターボエンジンと、優れた4WDシステムを搭載しながら、先に述べたアドバンテージを考慮すると、リーズナブル感が際立つ。価格から走り、そして、装備内容まで、これだけ魅力的なモデルでありながら、逆輸入車扱いゆえに国内年間目標台数が1200台と少なく、それこそが現行型エスクードの唯一のウィークポイントかもしれない。
力強さ、上質感、そして先進性をデザインしたフロントマスクを採用。華美にしすぎない品の良さをデザインしているところもポイント。ヘッドランプユニットにはブループロジェクターカバー付きロービーム(LED)が復活。
LEDストップランプを採用したリアコンビネーションランプはレッド一色とし、そのほか、ガンメタリックリアバンパーアンダーガーニッシュなどを新たに採用。
基本デザインを変えることなく、新たに、スモークメッキフロントグリル、メッキ、フロントバンパーガーニッシュ、メッキLEDイルミネーションランプベゼルなどを採用。
インパネ上部にソフトパッド素材を採用し、触感を高めた。そのほか、センタールーバーリング、サイドルーバーリング、センタークロックにサテンメッキを採用し、さらに、シフトゲートガーニッシュとドアアームレストオーナメントに高輝度シルバーを採用することで、質感を大幅にブラッシュアップさせている。
シートは、サイドの部分に本革を採用し、座面と背面(センター部)にスエード調の生地を組み合わせた。スエード調生地のところにはエンボス加工が施されている
新デザインとなるアルミホイールは切削加工&ガンメタリック塗装が施されている。タイヤサイズは215/55R17を採用。ちなみに撮影車のタイヤ銘柄はコンチネンタルのコンチ・エコ・コンタクト5となっていた。
予防安全性能であるスズキセーフティサポートについては、新たにブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックアラートを搭載。デュアルセンサーブレーキサポートの採用によって衝突被害軽減ブレーキの性能が引き上げられたほか、先行車発進ACCは従来の約40km/h以上から0km/h以上へと速度域は広げられた。そのほか、車線逸脱抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能も備える。