「EVでPIKES PEAKを…」パイロット:塙 郁夫

2011.6.27

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  • 塙 郁夫選手 JFWDA戦プロトタイプクラス10年連続シリーズチャンピオン、BAJA1000ではクラス優勝を獲得...。本誌でも幾度となく登場頂いた塙選手。昨年のパイクスピークでは、13分17秒というEVのワールドレコードを樹立した。マシンは塙さん自らが設計を行う。


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もう直ぐ僕にとって3度目の挑戦が始まる。

 

次世代の車として注目を集めるEVの一日も早い熟成と普及を願ってスタートしたこのプロジェクト。一般的にEVと言えば、車好きには余り面白みを感じな い”シティーコミーター”として認知されている。確かに現時点ではそれが妥当な判断だろう。だけど、僕は初めてEVに乗った時、これまでにない衝撃を受け た。ただエンジンをモーターに換えただけのコンバートEV。普通のエンジン車と比べたら、ダメなところだらけで実用性は殆どゼロ。しかし、その走りには、 確かに未来が感じられた。

 

 

それは、PIKES用EVレースマシンに乗るようになって”確信”に変わった。モーターはエンジンと違って、回り初めから大トルクをフラットに発生し続け る。そのため、トランスミッションも要らず、まるで重力を無視するかのようなスムーズで強烈なフットワークをみせる。この走りをどう表現したら良いの か…。

 

一つだけ思い当たる物がある。それは、SF映画の中で宇宙空間を自在に飛び回る一人乗りの戦闘機! 実際に乗った事はないが、あの音も、あの飛び方もレーシングEVにそっくりだ…と思う。 となると、EVは単なる近場を走る下駄車に留まらず、近未来 のレースカー、スポーツカーにもなれると言うことだ。環境に優しいだけじゃなく、速くて、乗って楽しく、電費も安いとなれば、もうEVを買わない理由はな くなるでしょ? 動力源が何になろうと、やっぱり車は楽しい、楽しもうよ。

 

今年のPIKESの目標は12分台。12分台と言うのは、エンジン車なら500ps以上なければ難しいタイム。それを約半分のパワーのEVで記録すれば、「エンジンに勝った! 」と言っていいんじゃないかな。今年それが達成出来れば、また次のステップが見えてくる…。

 

やっぱり車はどんな時代になっても、ワクワク・ドキドキする乗り物でありたいね。

 

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別名「雲に向かうレース」と称される「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」は今年で89回目を迎える。標高2,862mのスタート地点か ら頂上まて約20km を一気に駆け上がりタイムを競う。BluEarth(ブルーアース)カラーの新型マシンで参戦する。

 

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マシンに装着するタイヤは「BluEarth(ブルーアース)」のプロトタイプ。オレンジオイル配合技術をはじめとする様々な環境技術を採用し、低燃費性能とグリップ性能を高次元で両立したタイヤだ。

 

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昨年のマシンをベースに、戦闘力をより高めた最新仕様で参戦。モーターには、プラグインで充電が可能なACP社(米国)製交流モーターを、また、バッテリーには三洋電機製リチウムイオンバッテリーを搭載。

 

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塙選手のマシンには、「がんばろう! 日本」と被災地に向けたエールが掲げられている。感動と勇気を! 塙選手の素晴らしい走りを期待したい。

 

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