【トヨタ最新自動車情報】シエンタ

2018.10.22

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トヨタのコンパクトミニバンであるシエンタがマイナーチェンジを果たした。
その改良内容の中でもっとも注目されたのが、2列シートモデル、つまり5名乗車モデルの追加にある。
サードシートの代わりに、使えるラゲッジルームを備えたことで、スポーツギアを気軽に積めるようになり、さらに車中泊まで可能にしたのだという。
さて、その実力はいかがなものか、チェックしてみることにした。

(文章:吉田直志/写真:山岡和正)

 

大ヒットモデルのマイナーチェンジ

シエンタの初代モデルがデビューしたのは03年のこと。しかし、同社の5ナンバーミニバンであるノア、ヴォクシィの人気上昇とともに、シエンタの販売台数は減少し販売が中止となったが、復活を求める声にマイナーチェンジというカタチで再登場させている。
 
2世代目は15年に登場し、ラウンドさせたスポーティーテイストを表現し、もちろん、そのサイズ感がもたらす使い勝手といったアドバンテージもあって、新たなユーザーを掴み、大ヒットモデルとなった。
 
そして、今年の9月にそのマイナーチェンジモデルが登場した。改良のトピックは、5つある。
2列シートモデルをラインナップしたこと、安全性能を向上させたこと、エクステリアデザイン改良、そして、利便性を高めたこと、さらにはウェルキャブ仕様において装備搭載バリエーションを広げたことだ。
 
今回、紹介するのは、マイナーチェンジで追加となった2列シートモデルの「ファンベース」。このモデルは、ただサードシートを取り去っただけではなく、セカンドシートのアレンジにチルトダウン式を採用し、ラゲッジスペースをより広く、そしてフラットにできることをトピックとしている。ちなみにこれまでのセカンドシートはタンブル式を採用しているため、折り畳んだセカンドシートが出っ張ってしまい荷室長をスポイルしていた。
 
この新しいセカンドシートの採用によって、ファンベースの最大荷室長は2065mmを確保し、26インチのマウンテンバイクを2台搭載できるようになったほか、フラットなラゲッジを実現したことでマットなどを利用すれば車中泊も気軽に、そして快適に行えるようになった。また、ラゲッジルーム左右にはユーティリティーホール9つずつが配置され、システムバーや他の装備と組み合わせることで、多彩なラゲッジを手に入れられることもアドバンテージとしている。
 
エクステリアはそもそも斬新ともいえる遊び心を表現したデザインだったこともあり、今回の改良で代わり映えしていないように見えるが、実はフロントバンパー&グリル、ヘッドランプ、リアランプ、などの意匠を変更。取材車両はオプションとなる16インチホイールを採用し、よりスポーティーなイメージを強めていた。ボディーカラーはこの取材車両のベージュが新色として用意され、ツートーンも新設定された。
 
利便性は、乗降性に優れるスライドドアはもちろん変わることなく、そこに、パワースライドドア予約ロック機能、セカンドシートへの荷物の置き忘れを通知してくれるセカンドシートリマインダーを日本初採用するなど、あったらいいなという機能を採用し、ミニバンたる魅力をより高めている。

 

遊びのトランポとして、走りも秀逸!

そもそも、このシエンタは2世代目になってから、元気良く! とか軽快に! といった表現がぴったりと合うほどの走りをアドバンテージとしていた。それはハイブリッドモデルはもちろんだが、ガソリン1.5Lモデルであっても積極的に高回転まで引っ張ってパワーを引き出すといったスタンスからも感じ取れるものだった。
 
今回のマイナーチェンジで、パワーフィールに大きな変化はないが、試乗したハイブリッドユニットはよりEV走行可能領域を広げた感があり、簡単にいえば、低燃費を引き出しやすくなった印象がある。実際に、取材という悪条件ながらEV走行は全体の4割ほどを占めており、実燃費も低燃費運転を意識せずとも20km/Lを超えていた。それでいながらパワーに不足があると感じることはなく、大人3名乗車+カメラマンの機材での上り坂でも、ストレスを感じることはなかった。
 
乗り心地については、快適性とスポーティーさを上手くバランスさせており、先に書いたパワーとのバランスもいい。ただ、16インチタイヤが起因したコツコツとした硬さが気になった。ちなみにタイヤの銘柄はヨコハマのブルーアースGT。路面トレース性は高められ、またハンドリングにシャープさは生まれているが、15インチのタイヤボリュームの方がプラスに働くことから、乗り心地を優先するならば15インチの方が良いと感じた。
 
操縦性については昨今のトヨタらしく、フロントへ荷重を移しながらコーナーへと進入すると、リアタイヤがしっかりと踏ん張るスタンスを作り、その挙動を乱すことなく、サスペンションだけを動かしたままにコーナーを駆け抜けていってしまう。「シエンタ、ワインディングでもなかなかやるな」そんな印象を感じさせてくれたほどだ。
 
今回のマイナーチェンジでは、安全装備の充実もポイント。Toyota Safety Sence(プリクラッシュセーフティ機能、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム)の他、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ付き)を設定。プリクラッシュセーフティシステムにお世話になるようなシーンはもちろんなかったが、これだけの機能がついたことだけで安心感は高められ、ドライブによりいっそうの快適性が加えられた。
 
シエンタのサードシート付きモデルは日々の快適性やドライブの愉しさを提供してくれていたが、このファンベースはさらにその一歩先まで行きたくなる、何かを積んで出掛けたくなる、そんな魅力がプラスされていた。

 

コンパクトミニバンのトヨタシエンタがマイナーチェンジを行った。サードシート付きモデルのみだったラインナップに、今回、2列シート仕様となるファンベースを設定。さらに、安全装備を充実させるなど、その魅力を大きく高めた。そして走りはファミリー向け、ミニバンといったイメージからは想像できないスポーティーなポテンシャルを持っている。
ちなみに取材車両はメーカーオプションの16インチタイヤ&ホイールを履いていたが、乗り心地の面では硬さが気になった。その分、ハンドリングのスポーティーさは増しているが、バランスがいいのはやはり15インチだと感じた。

 

快活に通じるスポーティーさはそのままに、グリルやバンパー、そしてヘッドランプユニットに精悍を与えている。取材車のヘッドランプはロー・ハイビームともにLEDを採用したBi-BeamLED(メーカーオプション)を装備。
また、リアコンビネーションランプにはLEDライン発光テールランプ&ストップランプ(メーカーオプション)を採用し、イマドキな表現を手に入れている。ボディーカラーは新色のベージュをベースに、ルーフやピラーをブラックとしたツートーンタイプ(5万4000円高)。

 

パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。パンチまでは届かないが、ゆとりあるパワーを発生させてくれるため、多人数乗車でもストレスを感じることは少ない。

 

水平基調としながら、メーターフードやグローブボックスなどに、なだらかなラインを組み合わせたインパネ。左右目一杯にデザインされたステッチ造形やグローブボックスからチラリと見えるキルト造形もポイント。

 

(写真右)適度なサポート感が心地よさを作り上げているフロントシート。座面長も十分に確保されている上に、シートリフター機能も相まって、ポジションを取りやすい。
(写真左)フロントと比較すると座面長に不足を覚えるが、ショルダーまでしっかりとサポートしてくれるシートバック形状によって、居心地の良さを感じとることができる。

 

6:4分割可倒式を採用したセカンドシートによって、多彩なアレンジを可能としている。荷室長は最大2065mmを確保。ちなみに、荷室フロア高は最も低くて530mm、荷室高は最も高くて1070mm、荷室幅は1260mmとなっている。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラゲッジフロアにはリバーシブルタイプのデッキを採用。ハイデッキ状態ではラゲッジをフラットに使え、ローデッキ状態にするとそこをトレイとしても活用できる。また、デッキ下には、大型デッキアンダートレイ(ハイブリッドは右側のみ)が設けられている。汚れた物、濡れた物などを収納しておくのに便利。

 

ラゲッジルームを上下に仕切ることができるラゲッジアッパーボードをオプション設定。耐荷重は5kgまでとなっており、重たいものを載せることは難しいが、トノカバーとして、また、ちょっとした荷物を載せておくに最適。

 

ラゲッジルームの左右にそれぞれ9つずつのユーティリティーホールが用意された。システムバーとユーティリティフック(オプション)を組み合わせることで、いろいろな仕切りや支えとしてラゲッジルームをアレンジできる。AC100V電源もオプション設定されている。

 

セカンドシートのチルトダウン機能によって、シートがラゲッジに張り出すことがなくなり、ラゲッジルーム(奥行き)を有効に活用できるようになった。ちなみにサードシート付きモデルのセカンドシートはタンブル機能ゆえにシートが残ってしまっていた。

 

 

先進安全装備については、Toyota Safety Sence(プリクラッシュセーフティ機能、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム)、インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ付き))、車両接近通報装置などを設定。装備内容によってサポカーSワイド、もしくはサポカーとなる。