【ブリヂストン】Rubber Sole :BRIDGESTONE BLIZZAK DM-V2[前編:ドライ路面]

2014.12.23

    • タイヤ
    • マツダ
  • 最新・冬タイヤの真価 このタイヤで今冬を乗り切れるのか? 少しでも不安を感じる前に先手を打ちたいのがスタッドレス装着。 ブリヂストンから「ブリザックDM-V2」が新たにリリースされたのを機に、 最新スタッドレスタイヤの実力を試すべく試乗に持ち出した。 (文章/中村文大 写真/山岡和正)


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テクノロジー

溝を多重に交差させたマルチグルーブで力強く雪をつかむ設計。
また3次元的にサイプの切れ込みを入れた3Dホールドスクラムサイプで走行安定性を高めている。

 

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テスト車両はマツダCX-5。約1500kgのボディを2.2Lのディーゼルターボエンジンがグイグイと加速させる。
運動性能が高いのでタイヤへの要求も高くなる。

 

ブリザックVRXのテクノロジーを投入された

SUV/4×4専用スタッドレスタイヤとしては6年ぶりのフルモデルチェンジとなったブリザックDM-V2。最新の乗用車用スタッドレスであるブリザックVRXの技術を惜しげもなく投入した冬タイヤだ。ブリザックはカーユーザーから圧倒的な信頼を得ており、北海道や北東北など厳しい雪国で装着率が高いことで知られている。とりわけ走りのプロともいえるタクシードライバーからの信頼は厚く、札幌のタクシードライバーの10人に7人がブリザックを選んでいるというレポートもある。これがブリザックへの評価だ。

 

そのブリザックのプレミアムモデルとも言えるVRXから投入された最新テクノロジーのひとつが「アクティブ発泡ゴム」。ゴム内部にたくさんの気泡と太い水の通路を与え、その通路の表面を親水性素材でコーティングしている。このテクノロジーの採用により、水路へ水分が流れ込みやすくなり、氷路面の水膜を効率的に取り除けるようになるというのだ。タイヤが氷路面で滑る理由は、氷そのものが原因ではなく、表面にある水が路面との密着を妨げるため。その水を取り除くための最新技術というわけだ。

 

もっとも、氷路面が日常的に問題になる北海道や北東北だけでなく、近年では首都圏を中心にスタッドレス装着の機運は高まっている。昨シーズンも2月上旬には10年に1度の寒波が日本列島に流れ込んだ。実際、広い範囲で大雪に見舞われ、東京は20年ぶりに20cm台の積雪を記録している。SUVや4×4であっても、夏タイヤのままのオーナーは「これはマズイ…」と青ざめた方も多かったことだろう。こうした背景もあり、ウインターシーズンは雪山へ行く、行かないに関わらず、日常的に冬タイヤを装着することがドライバーの常識として認識されつつある。

 

もちろん都市部のドライバーなら、雪道を走るよりもドライ路面を走るシチュエーションが圧倒的に多い。そこでブリザックDM-V2を雪上に持ち出す前にオンロードで試乗してみようと思う。ブリザックは雪道で定評あるが、普段使いはどうなの? という興味に応えてみたい。

 

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高速道路の印象は直進安定性が高いこと。レーンチェンジでは適度なステアリングフィールがあり、安心して
ドライブできた。

 

静かな車内で会話が弾む

ブリザックDM-V2を装着したのはマツダのCX-5 2.2XD。人気のディーゼルターボに、標準サイズ225/65R17の組み合わせである。ブリザックDM-V2はサイドウォールのグラフィックが軽快であり、足元が華やかに感じられるのが印象的だ。少しオーバーにいえば、これだけでもちょっとしたドレスアップ効果に感じられる。

 

走り出した第一印象はタイヤの転がりがスムーズであること。「シュターッ」とレールの上を抵抗なく滑っていくようなフィーリングだ。試しにギアをニュートラルに入れて空走させても、タイヤの転がり抵抗で速度がグンと落ちたりすることもない。それ以上に感心させられたのが静粛性の高さ。タイヤが路面を叩くように鳴るブロックノイズはもちろん、トレッドと路面の間の空気が潰れることで発生するパターンノイズも気にならない。CX-5のディーゼルエンジンは騒音レベルが高くないのも手伝い、走行中の会話もゆったり楽しめる。

 

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アクセルを深く踏み込んで停止状態から加速させる。あいにくの雨だがブリザックDM-V2は路面を力強くかいてトラクションを生んだ。

 

厚いトルクをしっかりと路面に伝えてくれる

高速道路に乗る。直進安定性は文句の付けようがない。わだちのある路面でレーンチェンジを試すと、ステアリングに適度な反応を返してくれるものの、スクエアなショルダーがひっかかって手に余計な力が入るようなこともない。巡航速度でもリラックスしてステアリングを握っていられる。ブリザックDM-V2なら長距離をドライブしても疲れが少ないだろう。

 

高速道路を降りてワインディングにさしかかる。交通量も少なく、元気に走らせてみることにした。停止状態からアクセルペダルをやや深めに踏み込む。2.2Lのディーゼルターボは420n・m(42.8kg・m)/2000rpmの厚いトルクがあり、低速からガツンと加速するタイプ。ブリザックDM-V2はそのトルクを安易に逃したりしない。トレッドが路面を掴んで上手にトラクションに変える。パワフルなSUVや4×4とも相性がいい。

 

雨が降り出してきてウェット路面になった。見通しの良いコーナーでステアリングをゆっくり切り始めると、ドライバーの意図に対して素直に旋回を始める。「グニャリ」とトレッドゴムが早々に潰れてしまい、ステアリングフィールが一気に曖昧になることもない。コーナー外側のタイヤに敢えて荷重が偏るような走り方をしても、アクセルペダルを踏み足せそうな余裕すら感じられる。剛性不足が簡単に露呈するようなことはなかった。いつ腰砕けになるかわからないような不安がないのは、SUVユーザーからも歓迎されるはずだ。

 

ウェット路面での制動距離については旧モデルのDM-V1に比べて5%短縮されているという。高速度域では5%違うと間一髪セーフになるかならないかの差が出るので、これは軽視できない。フロントにグっと荷重が集中するハードなブレーキを与えても安心感は夏タイヤに比べて遜色がない。何よりブレーキペダルを踏む強さに制動力が違和感なく追従してくれる。実にコントローラブルだ。

 

ブリザックDM-V2はドライ路面やウェット路面で期待以上のフットワークを見せてくれた。都市部であっても冬季は冬タイヤを履く。そんなマナーをスマートにこなせてしまう新世代のスタッドレスだ。

 

次回お届けする後編は、いよいよスノーロードでそのパフォーマンスを試す。後編

 

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ステアリング操作に素直に反応してくれるブリザックDM-V2。冬タイヤを履いているからと、ことさら神経質にさせられることもなかった。

 

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コーナー外側のタイヤにやや荷重がかかるような走り方をしても、簡単に腰砕けになることがない。ドッシリとした安定感もある。

 

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ドライ路面、ウェット路面、そして突然の凍結路面にも高い次元で対応してくれる新世代のスタッドレスタイヤだ。