【紹介/試走】SUBARU FORESTER & XV

2015.11.13

  • 2015111302
    • 四輪駆動車
    • スバル
  •  北米市場で絶好調が続いているスバル。その主力は15か月連続で販売が増加しているアウトバックと昨年16万台近く売れたフォレスターだ。XVも昨年7万台以上販売されており、北米ではレガシィB4を上回る販売台数を誇るスマッシュヒットとなっている。つまり、スバルの北米販売は、SUVがけん引しているのだ。国内販売でも、他メーカーの多くが前年割れを続けている中、スバルは少なくとも今年前半まで販売増を続けていた「勝ち組」であった。しかし、レヴォーグ人気が一段落ついたこともあって、7月以降は販売台数が前年比で減少に転じている。そこで何らかのテコ入れが必要とされていたのだが、10月上旬インプレッサにマイナーチェンジが施され、11月2日からフォレスターとXVのマイナーチェンジモデルの販売がスタートした。


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走りと安全性が更に進化

2015111302写真はルーフレールが装着された2リッターの「2.0i-L EyeSight」の特別仕様車となる「X-BREAK」。

 

内外装を変更
ハンドリング性能アップ

 

 フォレスターは、スバル初となるステアリング連動式LEDヘッドランプの採用をはじめとするフロントバンパー、テールランプ、アルミホイール、メーターパネルなどのデザイン変更およびシャーシー全般のブラッシュアップが図られている。

 

 新型では、ステアリングギア比を15.5から14.0へ変更。サスペンションは、コイルスプリングのバネレートおよびショックアブソーバーの減衰力を見直し、ブッシュの変更を実施。また、フロントクロスメンバー部の剛性アップなどが行われており、ハンドリングの向上を実現した。また、サイドウインドゥの板厚アップやシール材の変更で静粛性も改善された。

 

 運転支援システム「アイサイト」はver.3に進化。アクティブレーンキープ(車線逸脱抑制制御)、AT誤発進抑制制御等の新機能追加に加え、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールの性能も向上している。

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ターボモデルには
新たな車体制御機能を搭載

 

 まず、2リッターNAモデルに試乗。搭載される2リッター水平対向4気筒FB20型エンジンは、最高出力109kW(148PS)/最大トルク196Nm(20.0㎏m)とスペックには変更はないが、燃焼効率のアップやフリクションの低減により燃費を15.2㎞/Lから16.0㎞/Lへ向上している。組み合わされるトランスミッションは、スバル独自のチェーン式CVTであるリニアトロニックだ。プルービンググラウンド内、しかも30分という限られた時間での撮影・試乗であることもあって、正直言って従来型との差はそれほど感じられなかったが、確かにステアリングのカッチリ感が少し増してクイックになっているようである。とはいえ、弱アンダーのステアリングフィール自体は大きく変わっておらず、SUVとしてはそこそこスポーティーな走りが楽しめる、という従来型の印象とは大きく変わらない。

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 次に、「インテリジェントモード」、「スポーツモード」に、8段クロスレシオのステップ変速を行う「スポーツ・シャープモード」を加えたスポーツリニアトロニックが組み合わされる2リッター・ターボモデルに乗る。最高出力206kW(280PS)とNAモデルの2倍近いパワーを誇るだけあって、胸のすくような加速が味わえる。フル加速ではボクサーらしいエンジン音が車内に微かに響くが、スバリストにとっては堪らない演出だろう。このターボモデルには、コーナリング中の内側輪に適宜ブレーキをかけ、相対的に外側輪の駆動力を大きくしてアンダーステアを抑制するアクティブ・トルク・ベクタリングを採用されているが、Rのきつい低速コーナーではNAモデルに比べて少しシャープになったかな、という感じ。作動がナチュラルで、デバイスの介入に気付かなかったのかも知れないが…。

2015111305写真はターボモデルのXT。

 
 

 作動がナチュラルと言えば、2リッターのベーシックグレード以外に搭載されるXモードだ。コースには急角度のスロープが用意されており、上りではヒルスタートアシストのおかげもあって、途中停車状態から難なく再発進できた。下りではヒルディセントコントロールのスムーズさが光る。今や数多くの4×4に採用されている機能だが、出だしにやや空走感があり、少しスピードが出てから効き始めるものが多く、作動も断続的に感じる場合も多い。しかし、フォレスターのヒルディセントコントロールは、作動音も立てずに、最初からジワリと車体を進ませるのである。もっとも、これはグリップのいい舗装路面であったからかも知れないので、次回はオフロードで試してみたい。

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他のSUVと一線を画す操縦性を目指し
XVも同時マイナーチェンジ

 

 フォレスターの兄弟車で、ハイブリッドと2リッターNA モデルのラインナップとなるXVも、フロントマスクやインテリアが変更され、フォレスターと同様にハンドリングレスポンスとNVHの改善が図られている。

 

 フォレスターの後にXVの2リッターNA モデルに乗ると、まずアイポントの低さが感じられる。最低地上高は200㎜とフォレスターに比べて20㎜低いだけだが、車高は165㎜も低くなっており運転ポジションも乗用車的だ。

 

 車高の低さに加え、全長が160㎜短く車重も100㎏軽いこともあって、コーナリングはフォレスターよりシャープで軽やかなフィーリング。ステアリングギア比やサスペンションなどの今回の設定変更は、XVのキャラクターを更に引き立たせるものと言える。もともと都市型SUVを謳うだけあってXモードも搭載されておらず、都会やオンロードメインの使い勝手を優先するのであれば、より乗用車的な感覚で乗れて立体駐車車も利用できるXVは魅力的な選択肢となるだろう。

 

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2015111308ヘッドランプには、ステアリングを切った方に左右別々に光軸を動かすステアリング連動型LEDハイ&ロービームランプを採用。オプション(ターボモデルXTには標準装備)のアドバンスドセイフティパッケージには、対向車や先行車の位置を検知し、ハイビームの照射範囲をコントロールするアダプティブドライビングビームも搭載される。

 

2015111309リアコンビネーションランプは、上半分を赤レンズとしたデザインに変更。

 

2015111310ダッシュボードやセンタークラスターのデザインが変更されている。

 

2015111311メーターパネルには各種デバイスの作動状況などを表示するマルチファンクションディスプレイを採用。

 

20151113seat運転席はメモリー機能付きパワーシートとなった。リアシートは「2.0i」を除く全車に、2段階温度調整機能付きシートヒーターを採用。

 

20151113142リッターのFB20型水平対向4気筒エンジン。スペックは最大出力109kW(148PS)/6,200rpm、最大トルク196Nm(20.0㎏m)/4,200rpm。

 

2015111315XTに搭載される2リッターターボのFA20型水平対向4気筒エンジン。スペックは最大出力206kW(280PS)/5,700rpm、最大トルク350Nm(35.7㎏m)/2,000〜5,600rpm。

 

2015111416ATはリニアトロニック。XモードのスイッチはATレバー前方に設置されている。ちなみに、スイッチ本体はXモードと書いてある方ではなくて、小さい方だ。

 

文/宮島秀樹
写真/佐久間清人