【紹介/試走】フォレスター “e-BOXER”搭載モデル

2018.9.18

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e-BOXER搭載モデルの実力とは

新世代プラットフォームによって、すべてが一新されたスバル・フォレスター。
その走りの良さはすでにお伝えしている通りだが、ようやく登場となったe-BOXER搭載モデルはこれまでにない走りを手に入れているという。
ここでは、その公道試乗会から、その想像以上のポテンシャルをお伝えしよう。

文章:吉田直志
 


新次元BOXERユニットのフィーリングを目指した走り
97年にインプレッサをベースにしてグランドクリアランスを与えたSUVとしてデビューを果たしたフォレスターが、約20年を経て5世代目へとスイッチを果たした。
 
新型モデルのトピックは、フォレスターとして初となるSGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)の採用、先進安全装備において歩行者保護エアバッグ、アイサイトツーリングアシストを全グレードに標準装備したことなど、ライバルどころか、国産車において一歩先を行く内容となっている。
 

そして、もうひとつのトピックが、先日発売が開始された水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた「e-BOXER」ユニット搭載モデルのラインナップだ。
 
システムとしては2.0L直噴ガソリンエンジン(NA)をベースに、リニアトロニック(CVT)ユニット後方にモーターを配置したもので、基本的には先代インプレッサやXVにラインナップされていたハイブリッドユニットと変わりない。ただし、最新ユニットではリチウムイオンバッテリーを採用してさらなる出力特性を得、また、一般的なハイブリッドモデルがEV走行における燃費向上を優先しているのに対して、このe-BOXERはモーターアシストによるパワーフィールに重きを置いた制御によって、その表情を大きく変えている。
 
走り出してみると、発進加速におけるスムーズさといった質感を大きくブラッシュアップさせていることにすぐに気付く。それは回転上昇時におけるエンジンのトルク変動をモーターによって上手く補うことで、大排気量エンジンのような滑らかな質感あふれる加速感を手に入れているといった感じだ。
 
もちろん、これまでの2.0Lエンジン(NA)よりもパワフルに感じるし、新型に搭載された2.5Lにはない質感にアドバンテージがある。ただ、これまでの直噴2.0Lターボのようなパンチを期待すると、肩透かしを食らうかもしれない。しかし、ターゲットとしたのはパンチではなく、軽快感につながるレスポンスの良さのほう。つまり、e-BOXERは、先代にまで存在していたターボエンジンの代わりではなく、新次元BOXERユニットのフィーリングを目指したものだ。
 
走りは、2.5Lエンジン搭載モデル同様に、走り出しから心地よさやスポーティーさを感じ取れるが、その真価は高速クルージング時やワインディングなどでさらに強く感じた。フラットな乗り味、スタンスを決めると余計な動きを許さぬシャシーなど、ついついSUVであることを忘れてしまうほど。と言いながら、実はe-BOXERは、悪路走破性まで含めたオールマイティーな走りだけではなく、こうした日常における走りやユーティリティーのバランスにもすこぶる長けている。それは、どこまでも走って行きたくなるという衝動にかられる、スバルが掲げるグランドツーリング性能そのものとも言える。
 
ちなみにe-BOXERは、X-MODEによる悪路走破性にも有効とか。機会を作って是非チェックしてみたい。

 

今年6月にデビューを果たした5世代目フォレスター。SGPを採用したモデルであり、その走りは、ハンドリングから乗り心地まで先代を大きく上回っている。パワーユニットは、排気量を拡大した2.5Lガソリンエンジン(NA)のほか、新たにe-BOXERと呼ばれる2.0Lガソリンエンジン+モーターによるユニットを加えた。そこにヒエラルキーは与えられておらず、SUVらしいゆったり感を求めたい人には2.5Lを、街乗り重視派にはe-BOXERを、といったフィーリングの違いがあり、甲乙はつけがたい。

 

e-BOXER搭載モデル
e-BOXER搭載モデルのパワーユニットは、145PS/188Nmを発生する2.0L直噴ガソリンエンジンに、10kW/65Nmを発生するモーターを組み合わせたもの。その制御は、発進直後や低速走行時はEV走行、加速時はエンジンを主体としてモーターはアシストに回り、高速走行ではエンジンでの走行を行うもの。これまでのターボユニットとはフィーリングは違うが、モーターアシストならではのレスポンスはアドバンテージだ。今回は低燃費性能についてあまり語られていないが、実はWLTCモード燃費(14.0km/L)において、市街地モード燃費が11.2km/Lとすこぶるいいことからも、普段使いにおける燃費性能が期待できる。

 

2.5Lガソリンモデル
e-BOXERが特別なパワーユニットであると表現すると、こちらの2.5Lガソリンユニットはコンサバティブであり、標準的なユニットということができる。これまで海外向けモデルに搭載されていた2.5Lの改良版ではあるが、直噴化しただけに止まらずその約9割を新設計。結果、2.5Lという排気量がもたらすゆとりを強く表現し、特に中回転域におけるトルクは特筆すべきものとなっている。新世代プラットフォームがもたらす乗り味を含めて、個人的な好みは実はこちら。(写真の)オールシーズンタイヤを採用するX-BREAKは乗り味もハンドリングもSUV的なゆったり感が心地よさを作り上げていていい。

 

完成車両を運搬する専用船に潜入


首都高速道路湾岸線の川崎市東扇島を走っていると海側にSUBARUの文字が書かれた大きな倉庫のような建物が見えるのをご存知だろうか。
実はここ、スバルの完成車輸出基地のひとつで、スバル車の輸出がスタートした80年代から使われているところ。最近では海外に生産拠点ができたこともあり台数は減っているが、ピーク時には輸出生産台数約57万台のうち約28万台がここから海外へと旅立っていったという。

 

完成車両の運搬に使われる専用船を見学する機会を得たが、長さ約190m、幅約32mの船内は11層ものデッキをもち、小型車ならば約5000台、フォレスターの場合は約3000台を載せることが可能だという。その積み込みは人の手(ドライビング)によって行われ、車両間隔前後で30cm、左右で10cmと、まさに隙間がなく積み込まれて行く。
見学した船の目的地はアメリカ西海岸のバンクーバー(米国)、リッチモンドで、13日を予定しているという。フォレスターは現在のところすべてが日本国内で生産され、全数生産台数約28万台に対して、アメリカ向けが約17.7万台と、そのほとんどが北米向けとなっている。

①操舵室にて。この船のキャプテン(船長)から、直接ご説明をいただいた。
②ここは船長室。執務を行なう部屋とは別に、寝室も用意されている。
③上級クルー専用の食事&寛ぎのスペース。階級により広さも調度品も異なる。
④ここは調理室。プロのコックさんが、毎回の食事を用意する。
⑤計器類がズラリと並ぶ機関室。オイルの臭いが漂う室内での作業は重労働だ。
⑥機関室の脇にあるエンジンも拝見させて頂いた。さすがに全てのパーツが巨大だ。