【紹介/試走】BMW MINI COOPER-S CULBMAN ALL4

2016.9.24

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  • 先月レポートしたミニCROSSOVER(クロスオーバー)に続いて、今回はCLUBMAN(クラブマン)の試走をお届けすることにした。同じ4ドアボディーのロングホイールベース、違うのはリアゲートの形だけでは? と思われがちだが、実際は内外装のみならずシャーシーも異なるモデルであり、テイストもかなり異なる。


MINIであってminiにあらず

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MINI第三世代のクラブマン
4×4の選択肢はクーパーSのみ

2016092401先月レポートしたミニCROSSOVER(クロスオーバー)に続いて、今回はCLUBMAN(クラブマン)の試走をお届けすることにした。同じ4ドアボディーのロングホイールベース、違うのはリアゲートの形だけでは? と思われがちだが、実際は内外装のみならずシャーシーも異なるモデルであり、テイストもかなり異なる。

 

これは、ミニシリーズが第2世代に入った後、2011年にデビューしたクロスオーバー(R60)とペースマン(R61/PACEMAN)を除くモデルが、現在既に第3世代へとモデルチェンジしており、クラブマンもそれに含まれているためだ。つまり、現行モデルのうち、クロスオーバーとペースマンはR系と呼ばれる第2世代、そして3ドア(F56)、5ドア(F55)、コンバーチブル(F57)、クラブマン(F54)はF系と呼ばれる第3世代ということになる。
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ちなみにこの現行ミニ6モデルには4種類のホイールベースが存在する。3ドアは2,495mm、5ドアは2,567mm、クロスオーバーとペースマンは2,595mm、そしてクラブマンが2,670mm。シリーズ最長のホイールベースと全長/全幅(4,270mm/1,800mm)によって、最大の車格とカーゴ容量を誇るモデル…それが、このクラブマンだ。

 

ただし、現行の日本仕様車で4×4モデルであるALL4が選べるのは、このクラブマンと先月のクロスオーバーのAT車のみ。せっかくの豊富なバリエーションも日本の4×4ファンにとっての恩恵はあまりなく、少々残念だ。

 

今回の試乗したペッパーホワイトのクラブマンALL4は、2リッター直4-DOHCターボガソリン搭載のクーパーS。クラブマンのラインナップには2リッターディーゼルや1.5リッターガソリン搭載モデルの設定もあるが、ALL4はこのクーパーSのみとなっている。

伝統の観音扉はもちろん健在
インテリアにも細かい改良が

クラブマンと言えば、その初期型では“クラブドア”と呼ばれる逆開きドアからリアシートへアクセスする、トヨタFJクルーザーのような方式が特徴のひとつとなっていたが、現行型は普通の4ドア・スタイルになっている。ただし、左右対称の観音扉型リアゲートはもちろん健在。もっともこれを廃止したら「CLUBMAN」ではなくなってしまうが。

 

観音扉の利便性については賛否両論あろうが、例えば自宅ガレージの天井がよほど低いわけでもない限り、降雨時に雨よけにもなる上開き型リアゲートの方が現実的には重宝するだろう。しかし、実用上の理由はともかく、このリアゲートが作り出す雰囲気や佇まいがこのモデルにとって重要なことも事実であり、油圧で開く半自動ドアであることも含めて、“萌え”ポイントであることは確かである。

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インテリアはR系のクロスオーバーとは差別化され、細部に改良が加えられているが、雰囲気はさほど変わっていない。センターメーターは廃止され、スピードメーターはステアリングホイールの奥に、そしてダッシュボード上、ドライバーの目の前にデジタル速度表示の投影式ヘッドアップディスプレイ(オプション)が配置されている。

 

シャーシーを共有するBMW X1でもお馴染みの「ツインパワー・ターボ」は、最高出力141kW(192PS)/5,000rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/1,250〜4,600rpmと、車両重量1.6トンに満たないボディーには充分なスペックだ。X1(xDrive 20i)と同スペックながら、より軽快に感じるのは、MINIであるという潜在意識のせいかも知れないが、実際にはサイズも重量も両者に大きな差はない。

ワインディングで本領発揮
街中では現実サイズを意識すべし

最大トルク発生回転数が1,250〜4,600rpmという超ワイドなトルクバンドにより、どの回転域からでも力強く加速するので、エンジンは非常に扱いやすい。8速ATのスムーズなシフトチェンジも快適だが、パドルシフト機構がないのでマニュアルシフトはセレクトレバーでの操作が必要。したがって、タイトコーナーの連続するワインディング路を積極的に攻めたいドライバーの場合、シフト操作は少々忙しくなる。

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フロント:マクファーソンストラット、リア:マルチリンク式のサスペンションは、タイトかつ硬質な乗り心地のセッティングながら、長距離を高速巡航しても疲れないタイプの脚まわりと言える。オプション装着されている225/40R18サイズのロープロファイルタイヤが路面から拾う細かい振動も柔軟に吸収してくれる。

 

一方、街乗りで最も注意しなければならないのは、前述の“ミニだから…という潜在意識”かも知れない。

 

郊外での試走から都内に戻り、通り慣れた下町の狭い路地に乗り入れてタイトな曲がり角に進入しようとしたとき、こいつが全長4.3m、幅1.8mの3ナンバー車であることをあらためて思い知らされた。最小回転半径5.5mのBMW X1とシャーシーを共有するモデルなのだ。MINIであって、miniにあらず。

 

ただし、“ALL4”がその真価を発揮するであろうシーンでは、その大きさと広さが、間違いなくモノを言うことだろう。

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【細部写真】

2016092408BMW X1と同じ1,998cc 直列4気筒DOHCターボ・ガソリンエンジン。最高出力141kW(192PS)/5,000rpm、最大トルク280Nm(28.6kgm)/1,250〜4,600rpmを発生する。直噴システム+可変バルブタイミング機構のツインパワー・ターボを採用する。
【騒音計測データ】
●車内・・・・37.5dB
●ボンネット閉・・・・64.0dB
●ボンネット開・・・・70.5dB
※エアコンOFF、電動ファン非作動/アイドリング時。なお、当コーナーでの騒音計測は毎回微妙に異なる環境下(天候、気温や地形等)で実施されるため、計測値を他車と比較することはできません。

 

 

20160924meter2016092411上:センターの速度計は廃止され、ドライバー正面に。センターには液晶画面を配置。
下:全体的にはキープコンセプトだが、細かい変更が施されているインパネ。

 

 

2016092412トランスミッションは8 速ATを採用。マニュアル操作はシフトレバーで行う。レバー根元のベゼルが、走行モード(SPORT/COMFORT/GREEN)スイッチになっている。

 

 

2016092413エアコン温度調整がダイアル式になり、運転中に操作しやすくなったセンターコンソール部。中央下の赤いスイッチはエンジンスターター。

 

 

20160924seatタイトでホールド性能抜群なフロントシート(右)。リアシート(左)は3人掛けだが、中央席は尻が落ち着きづらい座面形状。

 

 

20160924rearリアシートはBMW X1と同様40:20:40分割式で、4人乗車+長尺物積載も可能。最大カーゴ容積は1,250リットル。

 

 

2016092420カーゴ容積拡大、あるいは荷物の積みやすさを考慮して、リアシートバックを直角に固定する仕掛けが付いている。

 

 

2016092421手動、あるいはリモコンでロックをリリースすると油圧ダンパーの力でゲートが開く“半自動”な観音扉。閉じるときは手動。オプションで足センサーも装備可能だ。

 

 

2160924susフロントサスは、ストラット式(左)、リアサス(右)はマルチリンク式コイルの独立懸架。これもBMW X1との共有部分。

 

 

2016092424標準タイヤサイズは225/45R17だが、試乗車にはオプションの225/40R18のランフラットタイヤが。

 

 

文/内藤知己
写真/難波 毅