【紹介/試走】VOLKSWAGEN TOUAREG V6 Upgrade Package

2015.5.29

    • プレミアムSUV
    • Volkswagen
  • 文/内藤知己  写真/佐久間清人、山岡和正


真の贅沢を知るプレミアム4×4

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今年2月にビッグマイナーチェンジ
日本では3.6リッターガソリンのみ

t012002年のデビューから早13年、現行型は第2世代目のモデルとなるトゥアレグだが、今年2月に大幅な変更および改良が施された。

 

フロントまわりを中心にデザインが変更されたほか、電子制御系デバイスを中心とする安全装備の充実(標準装備化など)が図られており、日本でのラインナップも見直されている。

 

デビュー時には、ポルシェ・カイエンと共同開発という点でも大いに注目され、共有部分も多いことから、当初は何かと比較論評されることが多かったように思う。

 

しかし、第2世代となった現在では、それぞれの指向に沿った進化を遂げ、ユーザーのタイプも異なることが明確になってきたようで、トゥアレグとして独自の進化を遂げている、という印象を強く受ける。

 

さて、デビュー当時は3.2リッターV6と4.2リッターV8のガソリン車が用意され、その後も6リッターW12ガソリン搭載モデルが限定発売 されたり、3リッターV6+モーター搭載のハイブリッド車が設定されるなど、そこそこバラエティーに富んだ選択肢が与えられていた時期もあったトゥアレグ だが、現在の日本仕様車に搭載されるエンジンは、3.6リッターV6ガソリンのみとなっている。

 

ちなみに本国ではこのV6ガソリンに加えて、3リッター V6クリーンディーゼルや3リッター V6スーパーチャージド・ガソリン+モーターのハイブリッドが選べる。

 

グレードは2種類を用意
先進機能はほとんど標準装備された

試乗車は「トゥアレグV6 アップグレード・パッケージ」と呼ばれる上級仕様車で、標準仕様車である「トゥアレグV6」との違いは、レザーシートやレーンチェンジアシストシステム等 の上級装備を標準設定している点だ。また、今回の試乗車には備えられていなかったが、オプションで車高調整が可能なエアサスのオプション(電動パノラマス ライディングルーフとセット)も用意されている。

 

価格差にして49万円(税別)となるこのグレードの差は、上記以外では、ドアミラーのリバース連動機能やシートヒーター、電動バックレストリ リースといった”あれば便利”程度の機能の有無でしかないので、一般的にはシートの素材&機能か、あるいはオプションのエアサスを選ぶかどうか…あた りがグレードの選択基準となるだろう。

 

なお、先のビッグマイナーチェンジにより、以前は一部車種のみに設定されていたプリクラッシュブレーキシステム『Front Assist Plus』 (シティエマージェンシーブレーキ機能付)やマルチコリジョンブレーキ、アダプティブクルーズコントロール等の先進機能は全車標準装備となっている。

 

スムーズでシームレスな8速AT
プレミアムの名に恥じぬ静粛性

現行第2世代モデルへのフルモデルチェンジの際に採用されたティプトロニック付き8速ATは、7〜8速がO/Dの変速比設定で、クロスした常用 域はごく滑らかなシフトチェンジが好感触。ティプトロニックのマニュアルシフトもレスポンスが良く、積極的に使う気にさせる性能を備えている。

 

小気味よく加速し、2トン超のボディーが軽快に感じられるくらいパワフルな3.6リッターV6・DOHCは、静粛性にも優れており、遮音のレベルも高い。

 

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アイドリング時の騒音は、同クラスのプレミアムSUVの中では平均的だが、フード開閉時の差がハッキリ数値に出ており、エンジンルームの遮音性能が非常に高いと言える。

 

2,900〜4,000rpmで最大トルクを発揮するこのV6は、どの回転域からでもシャープな立ち上がりを見せ、ストレスのない走りをさせてくれた。

 

不安を感じさせないサスペンション
4×4本来の”素質”を備えた本格派

前後ともダブルウィッシュボーン式のリンクにコイルスプリングを組み合わせた形式のサスペンションを持つトゥアレグの脚は、ひと言で表せば、”あらゆる場面で不安を感じさせない”脚だ。

 

高速道路では、たとえ轍があっても、補修痕の段差があったり波打ったりしていても、高速で走ることに不安を感じさせないサス。

 

タイトコーナーが連続するワインディングでも、ヘビー級のボディーを自然にロールさせ、自然に収束させる。無駄な動きや揺り戻しがない。不安を感じないので、積極的にアクセルを開けていくことも可能…そんな脚なのだ。

 

欧州製SUVらしく、シャキッとした乗り味だが、けっしてタイトでガチガチな脚ではない。芯のしっかりしたソフトライド、と言えば近いだろうか。

 

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とんがったパフォーマンスは見せないが、乗り手を高いレベルで満足させる心臓と脚。これがトゥアレグの魅力だ。

 

そしてもうひとつ、近頃の多くの4×4が捨ててしまった、あるいは最初から持ち合わせていない重要な”素質”が、トゥアレグには備わっている。クロスカントリー走行の必須アイテムである「Loレンジ」だ。

 

もちろん、このトゥアレグが履く標準タイヤが255/55R18であることや、そもそも700万円超の高級車でクロスカントリーするか? という現実面はともかく、”クロカンできる4×4である”という事実は重要だ。さっそく諸元表でトランスファーとファイナルギアの減速比を確認している貴 兄には説明不要だろう。

 

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t073,598cc V型6気筒DOHC直噴ガソリンエンジン。最高出力206kW(280ps)、最大トルク360Nm(36.7kgm)を発揮する。
【騒音計測データ】
●車内・・・・42.5dB
●ボンネット閉・・・・57.0dB
●ボンネット開・・・・67.0dB
※エアコンOFF、電動ファン非作動時

 

数値的には同クラスの平均値レベルだが、エンジンルームの遮音性能高し。

 

t_driver上左:スポーティーな2眼メーター。視認性も良い。上右:ダッシュボード上の収納は前方から視線を外さずに使用可能。
下:落ち着いた高級感漂うインパネ。

 

t11ティプトロニック付き8速AT。7〜8速はO/D。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

t12このダイアルで走行モード選択やセンター/リアデフロック、ローレンジへのシフト操作を行う。左のボタンはアイドリングストップ・キャンセル・スイッチ、右はESP(エレクトロニック・スタビリゼーション・プログラム)のキャンセル・スイッチ。

 

 

 

 

t_seatUpgrade Package にはレザー張りの8ウェイパワーシート(フロント)が装備される。標準はファブリックシートを装備。

 

t_rear3分割可倒式のリアシート。Upgrade Package には電動バックレストリリース機構が付く。

 

t20バイキセノンヘッドライトはLEDポジションライトを内蔵するタイプを採用。

 

t_susフロントサス(左)、リアサス(右)ともにダブルウィッシュボーン式。高速道路でもワインディングでも不安の無い絶妙な設定。

 

t23全車とも標準タイヤは255/55R18サイズ。アルミホイールは、8J×18。