【BACKWOODS】 宮島秀樹

2014.11.28

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  • オフロードを走れない四駆(文:宮島秀樹)


2014年も残すところ1か月。今年も多くの四駆がデビュー&マイナーチェンジした。新型車としては、エクストレイル(2013年12月)、ヴェゼル(2013年12月)、スズキ・ハスラー、レクサス・NX、ジープ・チェロキー、BMW・X3、BMW・X4、スバル・レガシィ アウトバック、ポルシェ・マカン等が登場したほか、トヨタ・ランドクルーザー70が期間限定で復活して大いに話題となった。これらに加えて、マイナーチェンジやラインナップの拡充は多数あり、とてもここでは書ききれない。これをパッセンジャーカーまで含めれば、その数は相当なものとなる。

 

これらのクルマに実際に乗って解説・レポートするのが、我々自動車媒体やモータージャーナリストの仕事のひとつであることは言うまでもない。理想的には、これらの新型車をすべて購入し、オーナーの立場で自由に走らせて長期的にインプレッションできればいいのだが、よほどの資金力がない限り、それは金額的にも物理的にも現実的でない。これはどの自動車媒体でも同じであろう。

 

では新型車取材をどうやっているのかというと、多くの場合いわゆる「広報車」を使うことになる。ご存じのとおり、広報車とはメディアやジャーナリストの撮影や取材のためにメーカーが用意している車両のことで、我々は試乗車として借りて取材することになる。広報車は我々メディアにとって実にありがたい存在であるが、メーカーにとっても製品のメディア露出が増えるだけでなく、ジャーナリストや専門家の意見が聞ける貴重なコミュニケーションツールにもなっている。

 

こうした広報車は、試乗取材のためであれば、原則的にメディアやジャーナリストが自由に使うことができる(当然、無事故・無違反は大前提)。他メーカーモデルとの比較試乗はもちろん、メーカーから許可が得られれば、サーキット等での試乗も可能だ。

 

ところが近年、四駆の広報車では話が違ってくる場合も多い。オフロードコースでの試乗はおろか、ちょっとしたダートにも乗り入れ禁止を告げられるのだ。もちろん、最近はカタチだけのSUVやオンロード走行をメインとしたパーツが装着された四駆も多く、そうしたモデルはイメージカット撮影のためにせいぜい未舗装の空き地で置き撮りする程度で取材を済ましているし、直接的かどうかは別として”そういう四駆”であるとレポートしているつもりだ。

 

しかし、オフロード取材お断り四駆の中には、カタログでオフロード性能を声高に謳っているものもある。本来広報車とは、メーカーが謳っている性能を、実際に乗って確かめてもらうために存在しているクルマであるはずなのに、それができないのである。キズ付けられたり汚されたくない、万一の場合修理が大変、ブランドイメージ云々…、メーカー側の事情も分からないではないが、そんなに優秀な機能と走破性を備えたSUVをフラットな林道程度すら走らせてもらえないのは、四駆誌の老舗としてはちょっと納得いかないところではある。

 

乗用車やスポーツカーが持っていない、四駆の大きな魅力のひとつはオフロード性能である。これは今も昔も変わらないし、四駆のスペシャリストである我々4×4MAGAZINEは、多少なりともそれにこだわっていくつもりだ。今後我々が独自に取材したクルマで、フラットダートの走行シーンすらないものがあれば…、それはお察しいただけるだろう。

 

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