【ブリヂストン】Rubber Sole:BRIDGESTONE DUELER H/L 850

2014.12.19

    • タイヤ
    • マツダ

ワンランク上の乗り心地と静粛性で愛車のプレミアム度up!

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インプレッション①〜高速

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デューラーH/L850…モデル名のH/Lは「ハイウェイ・ラグジュアリー」を意味する。静粛性の向上と低燃費を主眼に置いて開発されたSUV用タイヤだ。

 

今回はマツダCX-5(XD Lパッケージ)に装着して、ドライ路面を中心とした試乗テストを行った。装着サイズはCX-5のディーゼルターボ車であるXDの標準タイヤサイズ:225/65R17。試乗モデルのグレードはLパッケージということで225/55R19が標準装備されていたため、交換後は乗り心地がソフトになり、脚まわりのタイト感がやや減少した。

 

ハイウェイ走行では、直進安定性も良く静かで快適。タイヤによっては走行ノイズが大きくなる速度域がハッキリ現れるモノもあるのだが、このタイヤはあらゆる速度域で静かだ。耳障りな音質のノイズも発生しない。

 

この静粛性は、主にトレッドのショルダー部に刻まれた長短の横溝(ショート&ナロースロット)によるもので、これらを最適配置することでパターンノイズの発生を抑制しているとのこと。

 

タイヤの静粛性を向上させることで、流行のプレミアムSUVをさらにプレミアムに!という開発目標は確実に果たしているようだ。

 

標準タイヤより扁平率が上がっているため、ゴツゴツ感が減少するだけでも快適になるが、さらに路面の細かい凹凸もソフトに吸収するので、結果的にはハイウェイでも市街路でも乗り心地が良く、ストレスを感じない点は高ポイントと言えるだろう。

 

インプレッション②〜ワインディング

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ワインディングでは、タイヤ次第でサスペンションの作動も変わってくるので、タイヤの性能は重要だ。ここでは扁平率が上がっていることがコーナリング中の”踏ん張り”を弱めるのではないか…という懸念があった。

 

しかし、実際に連続するコーナーを走ってみると、トレッドの剛性が高いためかサイドウォールの変形量も少なく、いわゆる腰砕けにならない。しなやかなブロックがしっかり路面を捉え、安定したコーナリングが可能だ。

 

個々のブロック自体は、直接指でつまんでみると軟らかく変形するのに、トレッド面全体の剛性は高い、という理想的な構造…これは主にブロックの大きさとその配置に工夫があり、剛性分布の最適化も同時に行うことにより、偏摩耗の抑制や快適な乗り心地にも貢献しているのだ。

 

インプレッション③〜行動範囲を広げてくれるタイヤ性能

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このほか、トレッドパターンから分かるのは、ウエット性能にも期待できるという点。4本の太い縦溝が直進安定性だけでなく排水性も高めていることは容易に推測できる。

 

見てのとおりオンロード寄りのタイヤではあるが、「M+S(マッド&スノー)」の刻印が入ったオールシーズンタイヤなので、浅雪程度の雪道なら対応可能だ。整備されたドライの舗装路面のみで抜群のグリップ性能を発揮するオンロード専用タイヤに較べれば、SUV用タイヤとしての価値は高い。

 

また、ものは試し…と足を踏み入れたフラットダートの林道でも、浅いタイヤ溝を埋めてしまうような泥濘地や、ホイールのリムを傷つけそうな岩場などに注意すれば、そこそこの走りができる。

 

前述のように乗り心地が良いので意外に快適に走ることができるのだ。

 

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冒頭でご紹介したように、”低燃費”も売りのひとつだが、これは「静粛性の高さ」という実際に体感できる性能がそのことを裏付けている。

 

つまり、トレッドパターンの造形や配置、コンパウンド等によって転がり抵抗の小さいタイヤに仕上がっていることで、静粛性の高さに加えて、燃費向上にも大きく貢献しているのだ。

 

具体的には各ブロックが縦溝に寄り添う形に配置されていることで、接地圧を均一にし、転がり抵抗を低減している。

 

同じSUVでも、もう少しクロカン寄りの4×4SUVになると、このタイヤでは未舗装路の走行で少々物足りなさは感じるかも知れない。

 

しかし、今回のようないわゆるクロスオーバー系SUVでは、ロープロファイルタイヤを履いているより遙かに行動範囲が広くなるし、本来の性能を活かせる喜びは大きい。

 

SUVはSUVらしく使いたい…そんなこだわりを持つオーナーなら、スポーツサルーン並みのオンロード性能を持つプレミアムSUVにも、ぜひ試していただきたいタイヤである。

 

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中央から外側にかけて配置するブロックを大きくしていき、剛性分布を最適化している。これにより、SUVにありがちなセンター部の偏摩耗も抑制している。また、各ブロックに交錯する3D形状ブロックを配置し、周方向の剛性差を抑制し、乗り心地の向上も図っている。

 

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長短ショルダー溝の最適配置により、騒音の発生を抑えている。また、各ブロックが縦溝に寄り添う形に配置することで、接地圧を均一にし、転がり抵抗低減と制動力向上に寄与させている。

 

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林道のフラットダートも余裕でこなす。乗り心地の良さは未舗装路でも実感できた。

 

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テスト車両はマツダCX-5 XD Lパッケージ。ディーゼルエンジン搭載モデルで、標準タイヤは225/55R19。タイトなサスペンション設定を活かす走りができ、H/L850との愛称は抜群だった。なお現行CX-5は、年明け2015年1月7日に大幅改良され発売が予定されている。