【紹介/試走】AUDI SQ5

2015.5.7

    • プレミアムSUV
    • ヨーロッパ車

A14K5708

A14K5481『アウディ』というブランドに対して、皆さんはどのようなイメージをお持ちだろうか? 一般的には『ファッショナブル』、『モダン』、『ラグジュアリー』という言葉が連想されると思う。そんな印象を強く根付かせたのが、80年代半ばにデ ビューした80の三代目『B3』だろう。特にレッドカラーのB3はセレブな女性に大受けし、以来『女性に人気のアウディ』=『お洒落なクルマ』と多くの 人々に認知されるようになったと言われている。

 

これに対して、クルマ好きな人のイメージは異なる。『アウディ』と聞いて真っ先に思いつく言葉は『クワトロ』であり、素晴らしい走行性能を備え た『4WDスポーツカー』だろう。WRCでの往年の活躍は周知のこと。アウディの真の魅力は、WRCで鍛えられたスポーティーな走りにある。

 

そんな『クワトロ』のスピリッツを受け継いでいるのが、現行の『Sラインモデル』だ。洗練された上品なフォルムに、ハイパワーエンジンと信頼の クワトロシステムの搭載により、『Performance』と『Efficiency』を高い次元で両立している。現在のアウディは日本向けに12種類も のモデルをラインナップしているのだが、なんとその中の9種類に『Sラインモデル』が設定されている。いずれも非常に高い評価を得ているようだが、今回紹 介するアウディQ5もベーシックグレードではなく、Sライン仕様の『SQ5』だ。

 

『SQ5』に搭載されるエンジンは、3.0リッターのV型6気筒DOHCスーパーチャージャーで、最高出力354PS、最大トルク47.9㎏m ものスペックを叩き出す。このハイパワーを路面に伝えるサスペンションは、フロントに5リンク式コイル、リアにダブルウイッシュボーン(トラペゾイダル 式)式コイルを採用している。Q5と同じシステムだが、30㎜ローダウンされたスポーツ仕様だ。そしてタイヤ&ホイールは、255/45R20のロープロ サイズを装着する。このメニューだけを聞くと完全にスポーツカーであるが、これがSラインモデルなのだ。

 

インテリアは黒を基調とした色使いで、メッキを多用している。『ゆったりと落ち着く』というよりも、『走りたい!』と思わせるデザインだ。エン ジンはプッシュスタート式で、そのボタンもATシフトレバーの左脇に備わっているから、ますますスポーツマインドが掻き立てられる。メッキ加飾を多用して いることも、更にスポーティーな雰囲気を盛り上げる。

 

さてその走りだが、予想通りにスポーティー。アイポジションこそ、SUVならではの高さだが、アクセルを踏み込むと、流れる景色の速さはスポー ツカーそのもの。スーパーチャージャーを搭載しているから、アクセルを踏み込んだ瞬間から強烈なトルクが立ち上がり、2トンもの車重をモノともせずスピー ドに乗せる。8速のティプトロニックトランスミッションも滑らかにシフトアップしていき、高速道路でもわずか数秒で制限速度に達してしまう。そして制限速 度内でのクルージングは、『快適』のひと言。静粛性に優れ、サスペンションもコシがあり、直進性に優れるから1,000㎞でも余裕で走れそう。いや是非と もこのまま走ってみたいと思わせるクルマだ。

 

今回はワインディングを走らせる機会はなかったが、相当に楽しめると思う。このように書くと『足が硬い』を思われそうだが、乗り心地は決して ハードではない。255/45R20のタイヤサイズから『ゴツゴツ』とした乗り心地を覚悟していたのだが、それは杞憂に過ぎなかった。サスペンションは見 事に調教されており、コーナリング時におけるロールや、車線変更時の揺れも『SUV』ではなくスポーツカーを彷彿とさせるものである。

 

改めて感じたのは『ヨーロッパ車だな〜』ということ。『走る』、『曲がる』、『止まる』の性能を徹底的に追求しているから、乗り回す楽しみが非 常に強く感じられるのだ。それでいて『ごつさ』を感じさせないのがアウディの特徴と言えよう。まぁ人によっては、スポーティー過ぎる…と思うかも。そ う感じたらベーシックな『Q5』をチョイスすればOKだし、エコにこだわるなら『Q5 hybrid』がある。なんとも理想的なラインナップだ。

 

A14K5467【エンジン】
スーパーチャージャーを搭載する3リッターV6エンジン。最大トルクの発生回転数は4,000〜4,500 rpmだが、アクセルを踏み込んだ瞬間から強烈なトルクが立ち上がり2トンものボディーを軽々と走らせる。

 

A14K5487【インパネ全景】
見た目にまとまりがあり、使い勝手も非常に良好。黒を基調とした色使いだが、シックと言うよりも完全にスポーティー指向だ。メッキパーツの多さがスポーティー感をさらに高めている。

 

A14K5517【メーター】
黒字に白文字で視認性に優れる。タコメーターには誇らしげに『SQ5』のバッジが貼られている。300km/hまで設けられているスピードメーターに注目!

 

A14K5507【シフト】
トランスミッションは8速ティプトロニックを搭載する。パーキングブレーキはエマージェンシーブレーキング機能と再発進アシスト機能を備えた電子制御式を採用。

 

 

 

 

 

 

 

A14K5525【荷室】
荷室幅は1,050㎜で、セカンドシートは40:20:40の3分割可倒構造。通常で540L、リアシートを折り畳むと最大1,560Lのスペースが確保できる。

 

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A14K5372●SPECIFICATION…全長×全幅×全高:4,645×1,910×1,625㎜/ホイールベース:2,810mm/定員:5名/エンジン形 式:V型6気筒DOHCガソリン・スーパーチャージャー/排気量:2,994cc/最高出力:260kW(354PS)/6,000〜6,500 rpm/最大トルク470Nm(47.9㎏m)/4,000〜4,500 rpm/トランスミッション:8速ティプトロニックトランスミッション/駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)/サスペンション:前5リンク式・後トラ ペゾイダル(ダブルウイッシュボーン式)/ブレーキ:前後ベンチレーテッド・ディスク/ステアリング形式:ラック&ピニオン/タイヤ(標準): F:255/45R20、R:255/45R20/ホイール(標準):F:8.5J×20、R8.5J×20/車両本体価格7,398,149円(税抜)