【BACKWOODS】 宮島秀樹

2015.1.9

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オフローディングしてますか?

少し遅くなってしまい大変恐縮ですが、今年も4×4magazineをよろしくお願いいたします。

 

さて、先日毎日新聞社からインタビューを受けた。復活したナナマルの人気や新たなSUVが続々とリリースされていることについて話して欲しいとのことだった。その内容については、今月下旬以降に毎日新聞のニュースサイト等に掲載されるとのことなので、掲載日が決定したら改めてお知らせします。興味のある方は是非ご覧ください。

 

このインタビューでは、4×4の魅力や現在の4×4マーケットについても色々話したが、時間の関係もあって思うところの全てを話すことはできなかった。そのひとつが「オフローディング」についてである。

 

今ドキの高級SUVユーザーはもちろん、初めてナナマルのオーナーになったような4×4ビギナーが、4×4を運転するための正しい知識とテクニック、そしてマナーをちゃんと持っているかどうか。ひと口に4×4やSUVと言っても、4×4システムからサスペンション形式、ボディー構造まで千差万別だ。その違いや特性をしっかり理解して乗っていないと、ユーザー自身が痛い目を見てしまう可能性は高い。「道具」は、正しい知識と技術がないと使いこなせない場合が多い。4×4も然り。どんな悪路でも、ボタンひとつで最新の電制デバイスが働き走破できる…、そんなカタログの煽り文句を鵜呑みにしてはいけない。

 

でも、今の日本で「オフローディング」なんてどこで誰がするの? という人もいるだろう。しかし、昨今相次いでいる大雪やゲリラ豪雨、大地震など大きな自然災害が起きた場合はどうだろうか? そんな時にこそ走破性の高い4×4が大いに役立つのだが、正しい知識とテクニックがなければかえって危険を招きかねない。昨年の不幸なSUVの水没事故も、知識とテクニックがあれば(無理して渡らない…という判断も含め)防げたかも知れないのだ。一般的な雪道だって、重量のかさむ4×4にとって「止まる」ことに関しては不利な場合が多い。4×4だからといって過信は禁物なのだ。

 

本来「オフローディング」とは、オフロードや雪道を走るだけのことではなく、セリフリカバリー(スタック脱出)や他車のレスキュー、ウインチングなどを含めた総合的な知識とテクニックだ。そして、こうした知識とテクニックをしっかり持っておけば、4×4はまさに鬼に金棒的な存在となる。たとえ普段オフロードコースや林道へ出かけないようなユーザーであっても、災害時などは自分が助かるだけでなく、他人を助けることにも大変有用だ。

 

もちろん、「オフローディング」は楽しい遊びでもある。楽しい上に、大変役に立つのだから、これをしっかり身に付けておかない手はないだろう。そんなわけで、今年はオフローディング・テクニックをあらためてしっかり採り上げて行きたいと思っている。「オフローディング」とは重要な自動車文化のひとつなのだ。