【BF Goodrich】タイヤインプレッション〜BF Goodrich ALL-TERRAIN T/A KO2

2016.3.3

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A/Tタイヤのレジェンドに新サイズ登場!アグレッシブ&コンフォート

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6インチアップの足長モンスター
37インチながら快適なオンロード・ラン

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ジープラングラー・ルビコン・ハードロック(限定車)にFOXコイルオーバーロングアームキットを組み込み、6インチの車高アップを施したタイガーオートのデモカーに装着されたのは、37×12.50R17 LTという、幅318mm、外径は928mmに及ぶファットサイズのBFGオールテレーンT/A KO2、4月発売予定の新サイズだ。

 

ここまでのビッグサイズになると、実走行、とりわけ高速道路走行での直進性や走行ノイズが、まずは懸念される。オールテレーンとは言え、これは純然たるオフロードタイヤであり、トレッドパターンもかなりアグレッシブなデザインである。しかも、この新しいK02では、「タフサイドウォールラバー」と呼ばれる、本場アメリカのオフロードレースからのフィードバックによって開発された素材が使われ、これによって強化されたサイドウォールも特徴のひとつとなっている。強度が増した分、乗り心地への影響も気になるところだ。

 

このあたりの印象を、タイガーオートの山中哲治社長はこう語る。

 

「いやいや、この37インチ、全く問題ないですね。走行ノイズも小さくて以前のオールテレーンやマッドテレーンより明らかに静かですよ。これは、ちょっと従来のこの手のサイズのタイヤの常識を覆すレベルと言っても良いんじゃないかな。直進性も問題ないですねぇ」

 

これは意外だったらしく、かなりの高評価だ。

 

「乗り心地も意外にソフトで良いんですよ、これが。サイドウォールが強化されたって聞いてたんで、乗り心地は硬くなるのかなって想像してたんですけどね。向こう(アメリカ)のデザートレースなんかでも、以前よりサイドウォールが切れるトラブルが減ったって話だったんで、これは大きな進歩ですね。でも、サイドウォールが強化されても乗り心地が柔らかいってことは、トレッドが柔らかいのかな? そうなると今度は耐摩耗性が気になりますよね。特にこのサイズは偏摩耗しやすいタイヤも少なくないですから。その点は今後も継続してチェックしていこうと思ってます」。

 

ということで、山中社長の評価は、乗り心地、静粛性、直進性とも十分に納得のいくレベルで、かなり高いものだった。

 

なお、偏摩耗に関しては、「アドバンスド・タイヤ・フットプリントシェイプ」と呼ばれる接地圧を均一に保つブロック形状や、接地面を安定させる「インターロッキング・トレッド・デザイン」が採用されたトレッドパターン等によって偏摩耗を抑制する技術が投入されている。

 

残念ながら、現段階ではこのデモカーによるオフロードでの試乗は行っていないが、こちらは今後サスペンションのセッティングを煮詰めていく過程で入念なテスト走行が実施されることになりそうだ。

 

強化されつつもしなやかな乗り心地を維持しているサイドウォールは、オフロード走行でも地形に合わせて積極的に変形してグリップすることが予想されるので、これは大いに期待できるだろう。

 

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「37 インチという大径ながら、オンロードでも全く問題ないですね。直進性、静粛性、そして乗り心地に関しても、充分満足できる性能を備えていますよ」と語るタイガーオートの山中哲治社長。

 

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タフサイドウォールテクノロジーが盛り込まれ、強化されたサイドウォール。オフロードレースからのフィードバックによる「タフサイドウォールラバー」と新しいデザインで、強度アップが図られている。

 

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FOX コイルオーバーロングアームキットを組み込んで 6 インチの車高アップが施されたタイガーオー トのジープラングラー・ルビコン・ハードロック。装着タイヤサイズは 37 × 12.50R17LT だ。ちなみに新サイズの 37 × 12.50R17LT を組み込んだホイールは、XD820 GRENADE(レッドカラークリアー)。サイズは前後とも 17x9J 。

 

伝統のトレッドパターンに
アグレッシブなショルダー

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さて、一方のリンエイが持ち込んだジープラングラー・ルビコンは、同社オリジナル・スプリングのレッドスネークコイルで3インチのリフトアップが施され、やはりこの4月に発売の新サイズである34×10.50R17 LTのKO2が装着されている。こちらは幅268mm、外径は851mmと、やや大人しめのサイズだ。

 

もっとも、大人しめとは言っても、ラングラー・クラスの車格には充分にタフなイメージを与えるサイズと言えるし、実はサイズ以外にもこのタフなイメージを強調する要素が、このタイヤにはあるのだ。

 

「トレッドのデザインももちろんだけど、今度のオールテレーンは、アグレッシブなショルダーデザインが良い! これにはマッテレ(マッドテレーンT/A)にも負けない迫力があるよ」と、リンエイの松代一彦社長は、まずデザインの良さを評価した。

 

「そして、このショルダーからサイドウォールにかけてのゴツゴツしたデザインとは対照的に、乗り心地は全くゴツゴツ感がなくてソフトライド。走行音も、オフロードタイヤとしては静か。ちゃんと進化していることが伝わってくるね。これだったら、今までよりオールテレーン・ユーザーは増えると思うよ」。

 

この「サイド・バイターラグ」と呼ばれるショルダー部からサイドウォールにかけてのゴツゴツしたデザインは全くの飾りではなく、低圧時には泥濘地やロックセクションでトラクション確保に貢献してくれる部分だ。

 

「今回のデモカーでは車高3インチアップで組んでみたけど、おそらくこのサイズならリフトアップしなくてもオフセットの調整で履けてしまうんではないかと思ってるんです。それができれば、さらにオールテレーンユーザーは増えるでしょうね。ほとんどのユーザーは舗装路を走るのがメインだからオンロードタイヤが選ばれるのも無理はないけど、そもそも四駆だったらオフロードタイヤを選んで、愛車のポテンシャルを引き出して欲しいよね。そういう意味で、今度のオールテレーンは大きな可能性を秘めてるんじゃないかな」。

 

オフロードでトラクションを確保するための技術としては、この他に、泥濘地でのトラクションを得るためにショルダーにエッジ成分を施した「セレイテッド・ショルダー・デザイン」も効果が高そうだ。

 

また、これに加えて、溝に詰まった泥を積極的に吐き出させる「マッド・クリーニング・トラクションバー」を設けてセルフクリーニング性能を強化したりと、オフロードタイヤとしての工夫がたくさん採用されている。

 

今回は、サイズの異なるKO2を、ふたとおりのデモカーで検証してみたが、サイズや装着車両のタイプにかかわらず、快適で信頼性の高いタイヤであることが確認できた。伝統的なイメージはそのままに、オールテレーンタイヤの代名詞に恥じない進化を遂げていたBFグッドリッチオールテレーンT/A KO2。定番たる理由がここにあった。

 

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車高 3 インチアップと、ラングラーのカスタムにしては大人しめだが、迫力は充分。

 

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乗り心地はゴツゴツ感がなくソフトな上、走行音も、オフロードタイヤとしては静かだ。

 

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ホイールは、AEVブラックホイル(8.5J × 17 +12 PCD127 5 穴)。

 

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「オールテレーンなのにマッドテレーンにも負けてない迫力あるショルダーデザインが目を引きます」と、デザインも高く評価するリンエイの松代社長。

 

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6 インチアップのラングラーには 37 インチ、そして3 インチアップのラングラーには 34 インチ。どちらも絶妙なタイヤサイズ選択により、それぞれバランスの良いシルエットを手に入れている。

 

BFGoodrich ALL-TERRAIN T/A KO2 サイズリスト

グッドリッチ表