東北道700kmで試した
V6燃費テストの驚き
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初秋の十和田湖に映えるエクスプローラー
ここから東北道を全線走破して
給油なしでゴール出来るか燃費テスト!
そしてこの取材で実際に体感できた
知られざる性能を幾つかご紹介しよう
文/河村 大、写真/編集部、Ford SUV VILLAGE事務局
「フォードSUVヴィレッジ」。
大自然の中で、オフロードドライビングやMTB、アウトドアクッキングを体験出来る一泊二日のイベントだ。軽井沢に始まり、奈良、富士ヶ嶺と行われてきたが実は私、そのオフロード講師を担当している。MTB担当は、"世界"の壇拓磨さん。5回目となる今回は本州の4家族15人の当選者を苫小牧に招いての開催だ。
10月1日、千歳空港に降り立った一行は家族ごとにエクスプローラーやクーガに分乗。初めてのクルマだけに最初はお父さんが運転。まずはオートキャンプ場「アルテン苫小牧」まで小一時間ほどのハイウェイ・ドライブ。その後、開村式を経て、オフロードコースへ繰り出した。
まずは座学。四駆の基本と運転の注意をご説明。その後、私の運転で慣熟走行したら、今度はお父さんやお母さんがハンドルを握る番。ここでやはり大切にしたいのがドライビングポジション。オフロードでは「視界の良さ」と「ハンドルの回しやすさ」が大切。一般道より凹凸や障害物が多く、直前視界が必要な上、ハンドルも普段より短時間に多く回すことが増えるからだ。
実際「ヒルダウン」では、誰もが身を乗り出すようにして前を確認したがり、「8の字走行」の切り返しでは、結構なスピードでステアリングを回さねばならなかった。皆さん、ドラポジの大切さをよーくご理解頂けたと思う。
特にエクスプローラーはドラポジの自由度が高く、参加者にも好評。また、激しいオフロード走行中のミシリとも言わぬボディー剛性の高さや乗り心地の良さに感心するお客さんも多かった。そして、彼らが何よりも驚いたのが「テレインマネージメントシステム」の効用だった。
今回、皆さんにも体験してもらったのは小さな円をスピードを上げながら走る「定常円旋回」とそれに切り返しを加えた応用版「8の字走行」。
1)ノーマルモードでは、スピードを上げるにしたがって、アンダーが強くなる。クルマがタイヤの角度より外へ向かおうとするために前輪がスリップ。それを抑えるために四輪独立のブレーキ(トラクションコントロールシステム=TRC)が動き出す。それでも抑えきれないとクルマが判断するや、エンジン出力を下げてしまう。ベタ踏みでもスピードは出ず、定常円を描き続けるのだ。
2)サンドモードでは、トルクのある低速ギアをホールドする。ステアしながらベタ踏みすると、エクスプローラーは豪快にテールを流しだす。深い砂地を走るためのモードだけに僅かなブレーキも命取り。TRCの効きは弱く、エンジン制御も行わない。参加者に一番人気だったのがこのモード。しこたま汗をかいてもらったが、8の字切り返しでステア操作の忙しさとドラポジの大切さを実感して頂いた。
3)そしてスノーモード。これには感動した。ベタ踏みで定常円も8の字も恐ろしく小さな円を描く。もちろんTRCもエンジン制御もガッツリ効いている。誰もが口を揃えて言う。「これなら雪道怖くないね!」。
ダイヤルひとつでクルマが変わる便利さ。楽しさ。新型エクスプローラーの進化にはみな驚きつつ、オフロードの魅力に目覚めることが出来た。そんな一日だったかもしれない。
さて二日目。無事全てのアトラクションを終えた参加者を空港にお送利した後、私は次のプロジェクトへ向かった。いよいよ本題。燃費計測である。
まずは苫小牧から八戸へフェリーで渡り、十和田湖経由で青森市へ。市街地からワインディングの燃費を計測するのだ。結果は227KM走って29.3ℓ給油。満タン法で7.75km/ℓである。ちなみにインパネの燃費計は12.4ℓ/100km、つまり8.06km/ℓだった。
そこで満タンにして青森東ICから青森自動車道に入り、埼玉は川口の東北自動車道起点まで一気に走る。約700kmの行程を「給油なし」で走破するのが目標。エクスプローラーのタンクは70ℓなので、10km/ℓで達成可能なのだ。
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結果は「余裕」だった。スピードは制限速度もしくは90km/hと考えていたが、青森道では70km/h、東北道ではほぼ全線雨で80km/h規制になったため、平均速度は80km/hほど。高速の前後にスタンドに寄った一般道を含め、全行程697.4kmで54.45ℓ。満タン法で12.8km/ℓ、インパネ表示も7.6ℓ/100km(13.16km/ℓ)を記録した。
燃料はレギュラーガソリン。このときの給油額が7,950円、高速代が深夜5割引きで6,850円。合計14,800円は、実はJR東日本のはやぶさの大宮〜新青森間16,170円よりも安い。
もちろん時間はかかる。燃費テスト時の移動時間は8時間48分。はやぶさの2時間45分には比べるべくもない。が、5×2mの大柄ボディーに3.5ℓの排気量を誇るSUVが、重さや空気抵抗をものともせず、レギュラーガソリンでリッター13km近い値を叩き出し、700kmをたった55ℓで走破した意義は大きい。抑えて走れば十分に経済的。時代は確実に進歩している。
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便利なディスプレイ
瞬間燃費に平均燃費、繋いだiPhoneの曲の選択など、深夜の燃費テスト中、色々とお世話になったメーター左右のディスプレイ。音声認識機能も試した。
最期に今回のインプレでエクスプローラーの謎がひとつ解けたのでお伝えしておきたい。前回「ハンドリングがナチュラルでFFベースのオンデマンド4×4とは思えない」とお伝えした。その理由がどうやら分かった。
原因は新たに搭載された「カーブコントロール(前号の動画参照)」にある。オーツクルーズを設定し、「明らかに曲がれないでしょ」というスピードでコーナーに突っ込んでも、エクスプローラーは難なく「曲がらせて」くれる。各輪のブレーキはもとより、エンジン制御も効かせる。危ないので絶対に真似しないで欲しいが。
これがオートクルーズなしでもナチュラルに効いている。ワインディング走行中、右に左にマシンをねじ伏せ、狙ったラインを気持ちよくトレースしているつもりで、実はこっそりカーブコントロールのお世話になっていた、なんてことがよくあるワケ。実際、コーナーでアンダーを出す方が難しい。
そのファン・トゥ・ドライブな感触を「FFらしからぬ」と表現したのだ。いやぁ。してヤラレた。上手かったのはエクスプローラーだったとは(笑)。
でも、こんなに気持ちよく騙されるのなら悪くない。そう思わせるのがニクイところ。燃費といい、オン・オフの性能といい、試すほどに深い世界が見えて来る。新型エクスプローラー、なかなか侮れぬヤツである。