【ブリヂストン】タイヤインプレッション〜デューラーH/L850

2014.6.27

    • タイヤ
    • Jeep
  • SUVはそのバリエーション、車種を増やしているだけではなく 快適な乗り味を大きく進化させており もはや過去の"ヨンク"たるフィーリングは見当たらない。 そんなSUVの走りをさらにブラッシュアップしてくれるタイヤが ブリヂストンのデューラーH/L850だ。 (文章:吉田直志/写真:佐久間 清人)


ひとクラス上を感じさせる上質感溢れるタイヤ


BS_02本分

SUVに求められる走りを、ブラッシュアップする

広く純正採用されていることでもお馴染みのブリヂストンのデューラーは、SUV専用タイヤのブランドとして、リプレイスタイヤにおける人気がとても高い。シリーズのラインナップとしては、ハードなオフロード走行向けのM/T674、オールマイティな走りに対応できるA/T694、スポーツ性能を高めてくれるH/Pスポーツ、そして、オンロードをメインとして、快適性と環境・燃費性能を求めるユーザー向けに仕立てられたH/L850の4タイプを用意し、SUVオーナーの様々なライフスタイル に対応している。

 

今回紹介するH/L850のトピックスは3つ。ひとつ目は、タイヤからのロードノイズやパターンノイズを抑えて、走りに上質感を与えてくれること。ふたつ目は転がり抵抗を約24%向上させていること(先代モデル比)。そして、ブロック配置を最適化することでブロック剛性を高め、ロングライフを実現していることの3つが挙げられる。まさに、今、多くのSUVオーナーが求めている性能ばかりだ。

 

それらを実現するために採用された技術トピックスは5つある。ひとつ目は、センター部の偏摩耗を防ぐために、センター部から外にかけて、ブロックサイズを大きくして、ブロックの剛性分布を最適化したこと。 ふたつ目は、周方向での剛性の差を小さくし、乗り心地を高めるために、センター、サブセンター部に3D形状のブロックを交錯するように配置したこと。3つ目はタイヤと路面との接地性をアップさせてブレーキ性能と静粛性を高めるために、サブセンターグルーブにおいて、強い傾斜を与えた横溝をデザインしたこと。4つ目は、タイヤでのノイズ抑制を狙って、ショルダーブロック部に、長さの異なる溝を配置したこと。5つ目は、タイヤの転がり抵抗と制動性能アップを目的として、ブロックをグルーブ(縦溝)に寄り添うように配置して、接地圧を均一化したことなどとなっている。その狙い、技術からも、上質な走りをテーマとしていることが伝わってくる。

 

BS_03メイン

優れた快適性がもたらす高い安心感と上質感

テストドライブでは、H/L850が求めたコンセプトどおりであること、期待以上の性能があることが印象に残った。

 

タイヤが転がり出した瞬間から、豊かな接地感によってコンフォート感が高められていることを感じた。路面インフォーメーションをダイレクトに伝えてくれることはもちろん、トレッド面が路面を丁寧に、そして滑らかにトレースしているフィーリングもある。そして、速度を上げていくと、接地性の高さと転がり抵抗低減のハイバランスぶりを感じさせてくれた。それは、まさに路面をトレッド面でしっかりと捉えながらもグリップ感を強調することなく、さっと受け流していくかのようなものであり、タイヤが転がっていることに、爽快感に似た気持ち良さを感じるほどのものだった。

 

もちろん、乗り心地もとても良い。路面からの入力はトレッド面で受け止められ、サイドウォールにて確実にいなされていた。剛性感という意味合いからすれば、タイヤのケース剛性は高いのだが、そこには、重量や車高があるために荷重変化も大きくなるSUVをしっかりと支えつつ、 路面からの衝撃はサイドウォールでも確実にいなすというしなやかさがある。つまり、あたりの柔らかさだけではなく、タイヤのしなやかさも手伝って作り上げられるという、上質感に通じる乗り心地の良さがある。

 

ワインディングでは、その操縦性にワンランク上を感じさせ、同時に安心感も与えてくれていた。最初に感じた上質感たる表情を全く変えることなく、「安心してください」とばかりに、ドライバーへとグリップ”感” を伝え、「お任せください」と謂わんばかりに、コーナーを駆け抜けて行く。そう、スポーティなテイストすら手に入れており、走りも愉しくしてくれるのだ。

 

また高速道路では、直進安定性の高いことが印象に残った。それは、頑張って真っすぐ走ろうとするのではなく、当たり前のように、何事もなかったかのように直進しているといったフィーリングだ。

 

今回のテストドライブを通して強く印象に残ったことは、静粛性に優れていることだった。といってもそれは、全ての音を消し去るのではなく、 抑え込みつつも、耳障りな音質をドライバーや乗員の耳に伝えないと表現したほうが的確かもしれない。そんな静粛性の仕立て方に、人間味のような暖かさを覚えた。

 

デューラーH/L850が与えてくれる上質感とは、単純に静粛性が高いとか、乗り心地が良いといったフィーリングだけではなく、豊かな対話性や、快適性によって高められる安心感によって作り上げられている。そして、それはひとクラス上のモデルに乗っているかのような印象をもたらしてくれた。

 

BS_04メインカット

デューラーH/L850は、SUVらしいゆったりとした乗り味を崩すことなく、そこに上質感を与えることで、SUVらしさをブラッシュアップさせてくれるタイヤだ。

 

BS_05装着イメージ

乗用車のプラットフォームをベースとした新型チェロキーは、オンロード性能を大きく向上させながら、ジープたるオフ走破性も極めている。 まさにSUVの王道たるキャラクターを、満足させるだけのポテンシャルがデューラーH/L850にはある。

 

BS_06タイヤイメージ

ケース剛性、グリップ力といった、タイヤたる性能はとても高いのだが、 その優れた性能を誇示していないところも好印象だ。表情豊かなタイヤゆえ、対話性に富んでいる。

 

BS_07タイヤアップ

日常シーンでも感じられた豊かな接地感、当たり前のように手に入れていた直進安定性、高い静粛性などは高速走行でも変わることはなく、乗員に安心感をもたらしてくれた。

 

BS_08ワインディング

タイヤが踏ん張っているようなフィーリングを見せず、何事もなかったかのようにコーナーを駆け抜けてしまう。ハンドリングにクイックさが強調された印象は全くなく、チェロキーらしさである、SUVたる素直さはそのまま。

 

BS_09流し

操縦性と直進安定性のバランスもすこぶる高く、そこには安心感と愉しさに通じるスポーティさがある。そもそも新型チェロキーはその点において優れているが、このタイヤは、それをさらに高めてくれたかのような印象がある。

 

BS_10トレッド

転がり抵抗を抑え、静粛性を高めるなど、快適性を求めた技術が多く採用されているが、さらに最適配置ブロックによる偏摩耗抑制など、SUVならではのウィークポイントをフォローするテクノロジーが採り入れられている。

 

BS_11ショルダー

オンロードメイン、コンフォートテイストを求めたタイヤゆえに、耐ワンダリング性を求めてショルダーの形状はラウンドしたデザインとなる。もちろん、M+S仕様で、SUVタイヤとしてのオールマイティさも忘れてはいない。

 

BS_12全体

明確なストレートグルーブデザインからコンフォートな乗り味がイメージされるが、それだけではなく、先代モデルであるH/L683 と比較して、転がり抵抗は約24%低減、パターンノイズは約15%低減させるなど、そのポテンシャルを大きく飛躍させている。