【ヨコハマ】タイヤインプレ三種そろい踏み!~ジオランダーM/T+ & A/T+ & SUV 前編
2014.7.28
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タイヤ
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トヨタ
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今回「ジオランダー」シリーズに新たに追加されたのは2サイズ。「ジオランダー A/T-S」に”LT305/55R20″を、「ジオランダーM/T+」に”35×12.50R20LT”を、というラインナップだ。
いずれも20インチという大きなリム径を採用しているが、しかし、いわゆるインチアップだけしたロープロファイルタイヤではない。サイドウォールのハイトをしっかり稼ぎ、ジオランダー本来の魅力であるオフロードでのポテンシャルを、まったく犠牲にしていないのが、このサイズのポイントだ。
実はこのリム径が大きくハイトが高い、というタイヤサイズは、現在、アメリカで発売されているSUVやピックアップトラックが純正で採用しだしているもの。今回のジオランダー、2つのサイズも外径は850mmを超え、総幅は300mmオーバー。となると、装着できるのはフルサイズのSUVやピックアップ、ということになる。
しかし一方、日本国内でも、たとえば35インチサイズは最近、これを求めるユーザーも増えてきている。とくにJeep JKラングラーやFJクルーザー、ランドクルーザーなど、ミドル〜フルサイズSUVのカスタムに、35インチサイズはジャストフィット。さらにリム径が20インチとなれば、ルックス的にもアドバンテージを獲得できるはずだ。
さて、それでは早速、ここでは新しい2つのジオランダーを、実際、車両に装着し、それぞれ検証してみることにしよう。
オールラウンダーに新サイズ~ジオランダーA/T-S
市街地や高速道路といったオンロードでの快適な乗り心地と静粛性、そしてオフロードでのタフなポテンシャルと強いトラクション性能。オン&オフを問わないオールラウンドな性能を発揮する、ジオランダーの人気ナンバーワンモデルが「ジオランダーA/T-S」だ。
新たに追加された”LT305/55R20″は今回、4WDショップ『モトレージ』によって約3インチのリフトアップを施したFJクルーザーに装着した。
このサイズは外径857mm、総幅311mmで、外径は33インチより少し大きく、12.5インチ幅より少し小さいタイヤとなる。これまでリム径が15~17インチであれば普通に探せた大きさだが、このA/T-Sのリム径はもちろん20インチ。これだけリム径が大きく、またサイドウォールの高いサイズはあまりなく(とくに日本向けに売られているタイヤでは)、中〜大型4×4 & SUVに乗るユーザーには強くアピールしそうだ。
実際、このサイズを履いたFJクルーザーは、リフトアップとのバランスの良さが印象的。トレッドが比較的密に並ぶA/T-Sだが、これだけの大サイズになると、かなりアグレッシブなルックスとなり、迫力も満点だ。
走りもお馴染みの、A/T-Sそのもの。オンロードでは静粛性も高いし、乗り心地も良好。モトレージ・オリジナルサスペンションとのバランスも良く、ワインディングや高速道路のレーンチェンジは剛性があり、高い操縦性と安定した挙動を提供してくれる。また、以前、35インチタイヤを装着したFJクルーザーに試乗したこともあるが、このタイヤサイズなら35インチのようにパワーを喰われてしまうような感じもない。
一方、オフロードでのポテンシャルもA/T-Sならでは。他のATタイヤではあり得ない、マッドでの強いトラクションが印象的だ。サイドのハイトも十分な高さで、ホイールを傷つけるようなことも全くなかった。
フルサイズの走りを受け止める圧倒的な存在感~ジオランダーM/T+
オールラウンド指向のA/T-Sに対し、さらにマッドやロックなどでのパフォーマンスを向上。リアル・オフロードタイヤとして、シリーズのフラッグシップモデルとなっているのが「ジオランダーM/T+」だ。
今回、追加設定されたのは”35×12.50R20LT”。35インチ外径のM/T+は、従来より15(35×12.50R15LT)、16(LT315/75R16)、そして17インチ(35×12.50R17LT) と、リム径の異なる3タイプがリリースされているが、つまり今回のサイズが4つめの35サイズ、ということになる。もちろん、リム径は20インチだが、決してロープロファイルというわけでなく、サイドのハイトもかなり高い。オフロードへの踏み込みにも十分、余裕があることが窺える。
そんな新サイズのM/T+を、今回は逆輸入車ショップの老舗『PUTデポ』によって足まわりがモディファイされた、フルサイズ・ピックアップトラック”タンドラ”に装着した。さすがのフルサイズでも、このサイズのタイヤを装着するためにはフロン ト4インチ、リア1.5インチのリフトアップが必要だ。
タンドラの純正サイズ(P275/55R20)と比べると、ふた周りくらい大きな今回のサイズだが、ルックス上、ボリュームのあるボディを受け止める足もとは、やはりこれくらいのサイズがベスト。M/T+のワイルドなトレッド、サイドウォールデザインも、さらに押し出しの強い存在感を演出している。
乗り味は、オンロードのクルージングは快適そのものだ。本格オフロードタイヤとしては秀でたオンロード性能を誇るM/T+の実力は、もちろんこのサイズでも健在。 タイヤノイズをほとんど感じさせない、そしてコツコツ感のないフラットな乗り心地を実現している。さらにこの大径サイズでも、5.7L V8搭載のタンドラなら、軽快に走らせてしまう。
もちろん、いざという時のオフロード・トラクションも、ジオランダーM/T+は頼もしい。トランスポーターとして、たとえば路面の悪い水辺や河原の乗り入れても、 安心感はひとしおだろう。
35インチという大径サイズだが、タンドラの5.7L V8エンジンならストレスなくドライブ。本格オフロードタイヤでありながら、ノイズが小さく、フラットな乗り心地がM/T+の魅力だ。
高速道路のクルージングでも直進性が高く、静粛性の高い走りをもたらしてくれるジオランダーA/T-S。ロングドライブも快適そのものだ。オンロードでの快適な乗り味に加え、ウェット性能や静粛性の高さ、耐摩耗性に優れるロングライフ性など、 A/T-Sの特徴はLT305/55R20サイズでも発揮される。
マッドセクションでも力強いトラクションを生み出すA/T-S。タイヤ外径は33インチより少し大きいLT305/55R20サイズ。これだけ大きなサイズとなると、トレッドのルックスも迫力満点だ。35インチではストレスがあったが、このサイズならパワー的にもバランスがいい。
今回は『モトレージ』のモディファイしたFJクルーザーにジオランダーA/T-Sを装着。LT305/55R20サイズを履かせるために、約3インチのリフトアップとオーバーフェンダーの若干のワイド化がなされている。
ジオランダーA/T-Sに新たに設定されたLT305/55R20サイズ。世界中の多様な環境の中で厳しいテストを繰り返し、開発された、グローバルスペックを満たす4×4 & SUV専用タイヤ。オールDan2ブロック、デュアル3Dサイプなど、ドライ&ウェット性能、オフロード性能、そして耐摩耗性を向上させるノウハウが満載だ。
『PUTデポ』のモディファイしたタンドラは、フロント4インチ、リア1.5インチアップ。35インチ径のタイヤを履かせるためには、この程度のリフトアップが必要。 20インチの大きなリム径が、ボリュームのあるボディにマッチ。 オンロードでも良好な乗り心地を見せてくれるジオランダーM/T+は、オフロードでも実力を発揮。ダートやマッド、ロックなどで力強いトラクションを生み出してく れる。
USトヨタの販売するタンドラは、日本では逆輸入というカタチで手に入れるしかない。フルサイズ・ピックアップトラックでも35インチサイズのタイヤを履くにはリフトアップが必要、オーバーフェンダーも追加されている。
方向性のあるアグレッシブなブロックパターン、センターワイドDAN2グルーブや ツインカットグルーブがマッドやロックで力強いトラクションを発揮。コンバティブルコンパウンドの採用が快適なオンロード性能と、高い耐摩耗性をも実現している。