YOKOHAMA GEOLANDAR A/T-S 使用過程レポート

2011.8.2

    • タイヤ
    • BMW
  • 路面を選ばないだけじゃない! 長寿命&減ってからの性能もジオランダーA/T-Sの魅力 (文/田端邦彦、写真/山岡和正)


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オフローダーの定番タイヤ、ジオランダー・シリーズの中でも最も幅広いシーンに適応するオールテレーンモデル「ジオランダーA/T-S」。コンパクト SUVから本格クロカンまで数多くの4×4ユーザーに支持されているタイヤだ。本誌でも過去何度かインプレッション記事を掲載してきたが、いずれも新品タ イヤを装着してのテストだった。ご存じのように現在のタイヤはグリップ力や静粛性などの瞬間的な性能だけでなく、耐偏摩耗性能やロングライフ性能を重視し て開発されているが、実際には使用過程のタイヤを取材できる機会は少ないのである。そこで今回は本誌カメラマンの山岡氏が所有するBMW X5(E53型)に履かせ、3年間使用してきたジオランダーA/T-Sを敢えて取材対象に選んでみた。摩耗具合や、摩耗した後の性能をチェックできる好機 だ。

 

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カメラマンという職業柄、クルマの使用頻度は平均的なユーザーを大きく上回る。このタイヤも新品を装着してから3年しか経っていないが、走行距離は8万 kmを超過。一般道、高速道はもちろん、取材車両に伴って峠道や林道、時にはオフロードコースまで走らされる。かなりハードな使用環境と言える。

 

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こちらが、そのトレッド面をアップにした写真。残っているブロックはおよそ4〜5分山。オールテレーンタイヤとしての限界を示すプラットフォームは露出し ているが、スリップサインがトレッド面に出るまでにはかなり余裕があるように見える。各ブロックは確かに減っているが、約8万km走行した状態とはとても 思えない…というのが率直な感想だ。

 

また偏摩耗がほとんどなく、残ったトレッドの山が一様であることにも注目されたい。走行距離に対して使用年数は少なめだが、それでもゴムのヒビ割れやチッピング(欠け)が全くと言っていいほど見あたらないのは驚きだ。

 

8万kmを走行したタイヤ…と聞いて、正直ここまで状態が良いとは想像していなかった。この結果は、ジオランダーA/T-Sに搭載された最新テクノロ ジーのおかげに違いない。各ブロックへの荷重負荷を最適化して偏摩耗を抑制する5ピッチバリエーションブロック配列、ブロックの先端部にラウンド状の面取 加工を施すことで接地時のブロックエッジの動きを低減するラウンドブロック、ピラミッド上のサイプ構造がブロックの倒れ込みを抑制して剛性を確保するデュ アル3Dサイプなど、耐久性、耐偏摩耗性を高める数多くの技術が採用されているのだ。

 

またラウンドブロックは摩耗後のロードノイズを抑制、デュアル3Dサイプは摩耗後にギザギザのサイプが表面に露出し、グリップを確保するなど、ある程度 減ってきた状態から効果を発揮する技術も搭載されている。使用過程においても新品時になるべく近い性能を引き出そうという工夫だ。

 

実際にこのタイヤを履いたX5を運転してみると、オンロードでのロードノイズがやや大きい気がするものの、耳障りな程ではない。また走行性能に関しても ダートやウェット路ではスリップを誘発しやすかったが、オンロードではまだ使用可能なレベル。3年間に亘ってジオランダーA/T-Sの変化を体感してきた 山岡氏によると、「そうした変化は使用年数とともに徐々に起きてきたものであり、どこかのタイミングで急に性能が劣化した、と感じたことはなかった」との こと。こうした印象は新品時の状態を知っているオーナーだからこそ感じ取れる変化であり、いきなりステアリングを握っても”タイヤが減っているな”と察知 するのはなかなか難しいだろう。

 

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ちなみにこの山岡カメラマン。ジオランダーA/T-S装着前は、愛車X5についてサスペンションやタイヤの設定がややストリート寄り過ぎる…と感じて いた。オンロードでのパフォーマンスには満足していたが、ラフな路面での乗り心地やグリップ力に少なからず不満を抱いていたという。だが、ジオランダー A/T-S装着後、乗り味が俄然マイルドになり、ダートなどでの接地感もアップ。不満がすっかり解消されたそうだ。

 

ということで次に履き替えるタイヤも、迷わずジオランダーA/T-Sを選択した。交換前のタイヤも走行距離を考えると良好な状態を保ってはいたが、さすが に新品に比べると差は歴然。オンロードでの路面に張り付くようなグリップ力、ダート路面での粘りや扱いやすさ、ソフトな乗り味、高い静粛性など、ジオラン ダーA/T-S本来の性能を再び体感することができた。

 

新品に近い状態での優秀なパフォーマンスに加え、ロングライフ性能、使用過程における性能の確かさが確認できた、今回のジオランダーA/T-Sテスト。長 持ちする…ということは、エコノミーでもあり、エコロジーでもある。オールテレーンタイヤを選ぶ基準として大いに役立ちそうだ。

 

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左が8万km使用したタイヤのトレッド面で、右が新品。新品時、デュアル3Dサイプ(緑色と赤色の丸印)は接地面の奥にあり、排水性&ブロック剛性に貢献するが、減ってくると表面に現れ、グリップ力を確保する仕組み。トレッドが摩耗したことで、ショルダーブロック部分のサイプ(赤い丸印)はかなり短くなっている。また各ブロックのエッジやショルダーがかなり丸くなっているのも確認できる。

 

こちらが新調されたジオランダーA/T-S。使用過程品に比べるとやはりグルーブやサイプが深く、エッジが立っていて、いかにもグリップしそうな雰囲気がある。表情もずっとアグレッシブだ。

こちらが新調されたジオランダーA/T-S。使用過程品に比べるとやはりグルーブやサイプが深く、エッジが立っていて、いかにもグリップしそうな雰囲気がある。表情もずっとアグレッシブだ。

 

耐カット性やマッド路面でのトラクションに効果のあるアグレッシブサイドプロテクター。ジオランダーA/T-Sの特徴的な意匠のひとつ。

耐カット性やマッド路面でのトラクションに効果のあるアグレッシブサイドプロテクター。ジオランダーA/T-Sの特徴的な意匠のひとつ。

 

ダートなど低ミュー路でのパフォーマンスはやはり新品時が圧倒的に高い。ロングライフではあるが、快適なドライブのためには早めに交換するのがオススメ。

ダートなど低ミュー路でのパフォーマンスはやはり新品時が圧倒的に高い。ロングライフではあるが、快適なドライブのためには早めに交換するのがオススメ。

 

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X307今回、タイヤの組み替え作業などにご協力いただいたのは東京都府中市にある老舗4×4ショップ「オフロードセンター」。タイヤ&ホイールに ついてのノウハウは超一流で、本誌タイヤインプレッションのテスターとしても活躍してもらったことがある。普段オセジは言わない性格の斉木兄弟だがジオラ ンダーA/T-Sについては…「オンロードとオフロードのバランスが良く、耐久性も高い。誰に勧めても間違いないオールテレーンタイヤだね」とのこ と。

 

■オフロードセンター
東京都府中市四谷4-32-5
TEL:042-361-9630
FAX:042-360-3661
OPEN:10:00〜19:00
定休日:火曜日

http://www.offroad.co.jp/

 

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