【紹介/試走】MERCEDES-BENZ G550

2016.3.4

    • プレミアムSUV
    • Mercedes Benz
  •  ここ数年間におけるメルセデスのGクラスといえば、G55AMGに代わってG63/65AMGが登場(2012年)し、クリーンディーゼル搭載のG350(BLUETEC)が日本に導入(2013年)されて以降は、特別仕様車や限定仕様車の投入はあったものの、特に大きな仕様変更はなかった。


ゲレンデワーゲン健在

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“代わり”が存在しない特別な1台

20160304b02 したがって、2014年4月に発表されたG63AMGベースの6×6車(日本向けは5台限定)等を除けば大きな話題もなく現在に至っている。

 

 そんな中、昨年末から今年にかけて日本仕様車のラインナップに地味ながら変化があった。AMG G63(5.5リッターV8ツインターボ)とG65(6リッターV12ツインターボ)のエンジンの最高出力が、セッティングの見直し等によってそれぞれ向上し、ディーゼル車のG350D(3リッターV6ターボ)は最高出力と最大トルクの両方が向上している。

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 そして、今回試走したG550は、エンジンが5.5リッターV8ノンターボから4リッターV8ツインターボへと換装された。排気量を1.5リッター近く下げながらも、最高出力は34PSアップの421PS、最大トルクも8.2kgmアップの62.2kgmを実現している。

 

 排気量の大幅ダウンサイジングということで車両重量も大幅軽量化かと思いきや、逆に80kgほど増加しており、同じV8エンジンのためか見た目もコンパクトになったわけではない。

 

 しかし、発進時から感じる軽快さは排気量ダウンをまったく感じさせず、より低回転からパワー、トルクが立ち上がるフィーリングは、新型エンジンの恩恵を充分に実感させてくれるレベルだ。

 

 電子制御7速ATがもたらすシフトアップは、あくまでもスムーズ。パドルシフトによるマニュアル操作もレスポンス良好である。

 

 サスペンションは相変わらず前後ともリジッドアクスル+コイル。さすがに旧態依然の感は否めないが、もともと完成度が高く重厚な乗り味を売りとしてきた脚である上に、このモデルから電子制御式可変ダンパーシステムが採用されており、走行状況に応じてショックアブソーバーの減衰力を最適化してくれる。

 

 「Sport」モードでコーナーに侵入するとググッと踏ん張る制御となり、クラシカルな背高箱型シルエットを踏襲するボディーには、ことさら有難味を実感できる仕掛けと言える。

 

 標準タイヤは旧型よりさらにワイドで薄べったいサイズ(275/55R19)となり、ますますオフロードを遠ざける仕様となっているが、トランスファーのLoレンジや”ホンモノ”のマニュアル式デフロック(フロント/リア/センター)は健在で、いざという時、タイヤさえ適切なサイズを履けばちゃんとオフロードで性能を発揮できる…という安心感が何より頼もしい。

 

 車両本体価格は1,470万円(税込)と、軽自動車1台分の値上げだが、代わりになるクルマが存在しない、という意味で特別な1台であることに変わりはない。

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【細部写真】

 

【エンジン】
20160304b05最高出力310kW(421PS)/5,250〜5,500 rpm、最大トルク610Nm(62.2kgm)/2,000〜4,750 rpmを発生する3,982cc V8・DOHCガソリン・ツインターボ。2つのターボをバンクの内側に配置し、コンパクト化と高効率化が図られている。

 

【インパネ】
20160304b06かつては”運転台”だったコックピットを見事な高級ラウンジに仕立てた車内。オンロードでもオフロードでも視界良好なアップライトポジションは、今も変わっていない。

 

【デフロック】
20160304b07どんなに高級化が進み、ロープロファイルタイヤを履こうとも前後センターのデフロックは省かれていない。操作ボタンは、コクピットの中でもひときわ目立つようにレイアウトされている。Gのアイデンティティーのひとつであると、メルセデスもしっかりと理解しているのだ。

 

【シート】
20160304bseat前後シートヒーター付きの電動調整式本革シート。試乗車は、オプションとなる「designoレザーシート」を装備。

 

【カーゴ】
20160304b1020160304b11スクエアな空間が特徴的なカーゴルーム。リアシートは60:40分割可倒式。最大2,250リッターのスペースが確保できる。

 

【車両本体価格】
メルセデスベンツG550
メーカー希望小売価格(消費税込み)
¥14,700,000~

 

文/内藤知己  写真/山岡和正