【紹介/試走】MERCEDES-BENZ GLC 250 4MATIC Sports

2016.4.1

  • 2016040104
    • プレミアムSUV
    • Mercedes Benz
  •  G、M、GLに続くメルセデス第4のSUVとして2008年にデビューしたGLK、これの後継モデルが今回登場したGLCだ。メルセデスのベストセラーモデルであるCクラス(セダン、クーペ、ステーションワゴン)と同等の安全/快適装備を持つSUVということで、モデル名も含めて全てが刷新された。


ジャストサイズ・プレミアム

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GLKの後継モデルとして3つのグレードをラインナップ

2016040101 ちなみに現在のメルセデスSUVモデルは、Gクラス(含むAMG)、GL、GLE、GLA、そして今回のGLCと5つのタイプで展開されており、選択肢は豊富だ。

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 新型GLCの日本仕様車のラインナップは「250 4MATIC」「250 4MATIC Sports」「250 4MATIC Sports(本革仕様)」の3グレードが用意され、全車右ハンドル/4×4モデルとなっている。

 

 エンジンは、BlueDIRECT直噴システムを採用した2リッター直4ガソリンDOHCターボを搭載。155kW(211PS)の最高出力と350N・m(35.7kg・m)の最大トルクを発生するこのパワーユニットは、先代GLKの3.5リッターV6ガソリンから大幅ダウンサイジングされてはいるものの、スペックとしては遜色ないパフォーマンスと好燃費が期待できる新世代エンジンだ。

 

Cクラスと同等の安全性能
余裕のリアシートスペースも魅力

 

 試乗車両は250 4MATIC Sports(4マチック・スポーツ)。スポーツサスペンションや55%扁平の19インチタイヤ、AMGスタイルのスポイラー類が標準装備されている文字通りのスポーティーな仕様だが、パワートレインや電子制御系安全装備等は標準グレードと変わらない。

 

 ボディーサイズは全長、全幅とも先代のGLKからやや拡大され、ホイールベースも120ミリ拡がっているため、前後ともシートまわりの足元スペースには余裕がある。ただ、クーペライクなデザインのルーフ形状により全高が下がっているせいか、外見上ボディーが拡大された印象は薄く、「Cクラスと同様、日本の道路/駐車場事情に適する」という謳い文句も頷ける。

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 高すぎず低すぎない、乗降性の面では理想的な高さのフロントシートは、包み込まれるようなコックピット感覚。センターコンソールにカーナビや各種設定をコントロールする大ぶりなタッチパッドが装備され、PCのような感覚で操作できるようになっているが、右利きの筆者には左手によるタッチパッド操作は少々やりにくく、左ハンドル車であれば快適な操作が可能…という印象。

 

 全車に標準で搭載される電子制御系の安全装備としては、ABSやESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)のほか、「レーダーセーフティパッケージ」と呼ばれる運転支援システムが採用されている。

 

 これは、常に周囲360度をカバーするレーダーセンサーやカメラによって対向車や周囲の車両、歩行者、センターライン等を把握し、状況に合わせてアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシスト…といった部分自動運転機能で、「Cクラスと同等の安全性能」という謳い文句の軸となっている部分でもある。

 

軽快さと重厚感を高レベルで両立
スキのない優等生的仕上がり

 

 低回転域から効くターボと電子制御9速ATのスムーズなシフトアップのおかげで、発進加速は極めて快適。この手のSUVに求められる重厚感と軽快な走りの両立を高いレベルで実現している。

 

 コーナリング姿勢も背高のSUVがローリングしながら…というフィーリングは皆無で、セダン感覚と言っても差し支えないレベルの安定感だ。フロント:ダブルウィッシュボーン(4リンク)、リア:マルチリンクの脚はしなやかに路面を捉え追従する。フロントのアーム類は軽量なアルミ製とするなど、ステアリングレスポンスの良さにも貢献しているようだ。

 

 4×4であることを表す「4MATIC(フォーマチック)」は、メルセデスベンツ独自の4×4システムの名称でもある。前輪:45%、後輪:55%のトルク配分を行うフルタイム4×4だが、路面状況に合わせて走行モードを切り替えるシステムは採用されていない。ただし、オンロードでのパフォーマンスと経済性のバランスを切り替える「ダイナミックセレクト」は全車に標準装備されている。

 

 これは5つの走行モード(Comfort/ECO/Sport/Sport+/Individual)が用意され、ステアリング、エンジン、AT、アイドルストップ機構等が自動調整される仕組みだ。

 

 試しに「ECO」を選ぶと、ATは常に高めのギアを選択して回転を低く保ち、逆に「Sport」や「Sport+」を選択すると、ステアリングやエンジンレスポンス、シフトタイムがクイックになり、ATは低いギアを選んでエンジン回転を高めに保つセッティングとなる。もちろん、アイドルストップ機構はOFFになる。ちなみに「Individual」は、各設定を任意に(そして個別に)設定できるポジションとなる。

 

 これは各モードで明確なフィーリングの違いをドライバーに伝えてくるので、かなり楽しめるシステムだ。

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 このほか、GLKよりも100リッター拡大されたラゲッジルームの使い勝手は良く、リアゲートを足(センサー)で開けられる「ハンズフリーアクセス」機構も便利、ということで、SUVとして押さえるところはキチンと押さえてあるプレミアム・コンパクトとして、かなり優等生的な仕上がりだ。

 

 パワフルな2リッターDOHCターボ、フルタイム4×4、1,600リッターのラゲッジルーム、最先端の安全システム。Mクラスが登場した時に匹敵する新鮮さを感じた1台である。

 

 

【エンジン】
2016040106全車に1,991cc 直列4気筒DOHCターボ・ガソリンエンジンを搭載。最高出力155kW(211PS)/5,500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,200〜4,000rpmを発生する。独自の直噴システムであるBlueDIRECTテクノロジーを採用。ピエゾインジェクター、スプレーガイド式燃焼システムが常に最適な燃焼状況を保持する。

 

 

20160401072016040108上:メーターパネル中央のマルチファンクションディスプレイに表示される各種情報には日本語の漢字表記も多用される。
下:ピアノラッカーの黒を基調としたスポーティーなインテリア。幅広い年齢層に対応するデザインだ。

 

 

2016040109COMANDシステムのコントローラーとタッチパッド。固定されたマウスのようなタッチパッドでPC感覚の操作が可能。

 

 

20160401seat前席にはメモリー付きパワーシートを装備。リアにもシートヒーターが備わる。滑りにくくホールド性に優れた硬めのシートだ。

 

 

20160401rear後席は40:20:40分割式シートで、バックレストはラゲッジルームからワンタッチで倒せる。ラゲッジルーム容量は最大で1600リッター。

 

 

2016040116すべてのランプにLEDを使用したLEDハイパフォーマンスヘッドライト。走行状況や天候に応じて最適なモードを自動選択するインテリジェントライトシステムを搭載。

 

 

20160401susフロントサスは、4リンク式と呼ばれるダブルウィッシュボーン+コイル式(上)、リアサス(下)はマルチリンク式コイルの独立懸架。

 

 

2016040119「Sport」の標準タイヤサイズは235/55R19。標準グレードには235/60R18が装着される。

 

 

文/内藤知己
写真/山岡和正