【紹介/試走】VOLVO XC90 T5 AWD Momentum

2017.4.15

  • 【紹介/試走】VOLVO XC90 T5 AWD Momentum
    • プレミアムSUV
    • ヨーロッパ車
  • ボルボの勢いが止まらない。2016年度の営業利益は約1,390億円で前年度比66%増。世界販売台数の53万4,332台は新記録だという。快進撃の象徴がフラッグシップとなるXC90だ。


2017041401トレンドのダウンサイジングターボだが、低速トルクか厚いトルクで大きなボディを悠々と引っ張る。大排気量の趣さえある。XC90は全車AWDだ。

 

重量級の快進撃!

2017041402ボルボの勢いが止まらない。2016年度の営業利益は約1,390億円で前年度比66%増。世界販売台数の53万4,332台は新記録だという。快進撃の象徴がフラッグシップとなるXC90だ。

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エンジンに続いてシャーシーも一新
これがボルボの最新進化形

快進撃の源は選択と集中だ。例えばエンジン。5気筒も6気筒も…という開発リソースの分散を避けて4気筒に集約。しかも基本、この4気筒はボアストロークが同じなら排気量も同じ。ディーゼルもガソリンも共通という潔さだ。エンジンバリエーションは、過給と仕様などによってパフォーマンスを差別化。8速ATにアイシン・エィ・ダブリュ製を組み合わせるなど、ボルボが最適と考えるコンポーネントを世界中から躊躇なく採用している(組み立てはスウェーデン・ジェブデの新工場)。これが功を奏した。効率よく開発費をかけられたことで、ガソリンもディーゼルも印象的に力強い。

 

とはいえ、ボルボのフラッグシップXC90は7シーターで車両重量は2トンを超える。さすがに2リッターターボでは荷が重いのでは…。そんな懐疑に対するボルボの回答は気が利いていて、XC90の上位グレードには「ツインエンジン」と称して、プラグインハイブリッドをラインナップしている。そして中位グレードともども、ガソリンエンジンの過給はターボチャージャーとスーパーチャージャーのダブルとしている。今回試乗した下位グレードのXC90 T5 Momentumのみ2リッターガソリン+ターボチャージャーのシンプルな組み合わせだ。最高出力は254馬力(187kW)、最大トルクの35.7kg-m(350N・m)をわずか1,500回転から発生する。スペック的に落胆させるものではない。

 

結論を言えば実用性がたっぷりある。官能的でも刺激的でもないが、もうこれでいいのでは…と思わせてくれる。トルクフルで扱いやすい。ちなみに上位のプラグインハイブリッドも基本的に同じキャラクターだが、ゆとりが違う。充電量が十分であればモーターだけでスルスルと滑るように走るサマはステアリングを握っていても圧巻だし、エンジンも駆動したときは、まるで大排気量のV8エンジンでゆったりと流している余裕すら感じる。

 

エンジンのリニューアルが一巡したところで、ボルボはシャーシーのテコ入れにも着手している。新世代のプラットフォームとなる「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を、複数の車種にまたがって採用する予定だ。その第1弾がXC90。このモデルこそがオールリニューアルしたボルボだ。それを象徴するのがフロントフェイス。LEDヘッドライトは「トールハンマー」(北欧神話の神が持つハンマー)を モチーフにしたものになっている。2017年3月のジュネーブショーで発表されたXC60もこのデザインを踏襲していることから、新しいボルボ、もしくは同ブランドのプレミアムSUVのアイコンとなるデザインだ。エクステリアデザインについては、プレミアムSUVの例外ではなく押し出しの強いものになってはいるものの、どこか洗練されている印象がある。野放図に威圧感を撒き散らしてはいない。こういうのを待っていた意識高い系のドライバーは少なくないはず。

 

賛否が分かれると思われるのが、インターフェイスだ。センターコンソールには大型ディスプレイがレイアウトされていて、エアコンやオーディオなど各種の操作は基本ここで行う。初めて試乗したときはザッと操作方法を説明しますと言われ、駆け足で30分を要した。こういうのを敬遠する人がいる一方で、新しいデジタルガジェットはいち早く手にしてみたいという人には興味をもって歓迎されるはず。ボルボユーザーには後者が多いような印象はある。ちなみに大型ディスプレイはタッチ操作だが、手袋をしたままでも反応するよう赤外線方式となっている。ここは北欧ブランドらしいディテールだ。

 

安全装備については、15種類以上の先進安全・運転支援技術を全グレードに標準装備としている。「新City Safety ・衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム」といったイザというときの最新の備えに加え、全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」や「パイロット・アシスト(車線維持機能)」など、リアルに使える機能となっている。これだけのものが車両価格774万円。バーゲンプライスと感じる人もいるのではないだろうか。

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【エンジンルーム】
2017041405横置きされる直4ガソリンターボエンジン。最高出力は187 kW(254ps)/5,500rpm、最大トルクは350Nm(35.7kgm)/1,500-4,800rpm。

 

 

【インパネ】
2017041406チャコール/ブロンドと呼ばれる内装色。9インチのタッチスクリーン式センターディスプレイにエアコンやオーディオなどの操作が集約され、スイッチ類が省略された。シンプルなデザインに拍車がかかった。

 

 

【メーター】
2017041407スピードメーター内には走行している道路の速度制限を標識スタイルで表示。目盛りにも制限速度を示す。

 

 

【シフトレバー】
2017041408トランスミッションは8速ATにアイシン・エィ・ダブリュ製。滑らかな加速は、このユニットから恩恵を受けている。

 

 

【シート】
20170414seatフロントシートは革張りの8ウェイパワーシート(ドアミラー連動メモリー機構付)となっている。シートヒーターも装備。セカンドシートは3分割可倒式となる。40:20:40の割合で、独立リクライニング機能や前後独立スライド機能が備わっている。サードシートは広いとは言えないものの、床から座面までの高さがあり、体育座りのような格好を強いられない。また、専用エアコンディショナーおよび送風口など、心配りは高級車そのものだ。

 

 

【荷室】
2017041412パワーテールゲート(ハンズフリー・オープニング/クロージング機構付) を装備しており、両手が荷物でふさがっていてもキーを所持していれば開閉できる。

 

 

【タイヤ】
2017041413タイヤサイズは標準で235/55R19となる。

 

 

文/中村文大 写真/山岡和正