ブリヂストンが誇るふたつのオンロードタイヤ

2018.1.28

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  • 販売台数だけではなく、そのバリエーションを増やし続けているSUV。ユーザー層も様々で、オフロード走行を重視する人はもちろん、逆にオンロード走行だけに着目しているユーザーもいる……、というよりも、むしろ多いのかもしれない。 […]


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販売台数だけではなく、そのバリエーションを増やし続けているSUV。ユーザー層も様々で、オフロード走行を重視する人はもちろん、逆にオンロード走行だけに着目しているユーザーもいる……、というよりも、むしろ多いのかもしれない。
 
ブリヂストンから、そんなオンロード走行重視派向けのタイヤとして、快適性を備えた「デューラーH/L 850」、高い運動性能を特徴とする「アレンザ001」がリリースされている。
 
今回は、両タイヤをトヨタ・C-HRに組み合わせて、それぞれの特徴を徹底的にチェックすることにした。

(文章:吉田直志/写真:佐久間清人)

02_BSふたつのオンロードタイヤ「デューラーH/L 850」と「アレンザ001」を比較試乗
ブリヂストンでは、SUV専用ブランドとして、従来のデューラーに加えて、昨年、オンロードにおける運動性能を謳うアレンザを登場させた。タイヤのキャラクターを分けることで、幅広いユーザーの期待に応えようというスタンスから展開したものだが、選択肢が増えることは自分の走りの好みを明確に分析出来るユーザーにとっては喜ばしい一方、走りの好みがはっきりとしないユーザーにとっては戸惑いを生むのもまた事実。
 
今回は、デューラーシリーズの中でもオンロードユースを強くデザインした「デューラーH/L 850」、アレンザの第一段モデルである「アレンザ001」のポテンシャルをテストし、もちろん、それぞれのアドバンテージだけではなく、デューラーH/Lのハンドリング、アレンザの快適性といった、分からないがゆえに気になるポイントも徹底的にチェックすることにした。
 
テスト車両に選んだのはトヨタ・C-HRハイブリッドで、タイヤサイズは215/60R17だ。

 
03_BSSUV専用ブランドデューラーシリーズのオンロードモデル「DUELER H/L 850」
デューラーH/L 850は、SUV専用ブランドデューラーの中でも最もオンロード走行を重視したモデルだが、SUVに期待されるタフさ、力強さをデザインに採り入れ、もちろん、オフロードも走れるポテンシャルを特徴としたタイヤだ。
 
とは言っても、オンロードユースをメインにしただけではなく、ハイウェイラグジュアリィーの頭文字を取った名称(H/L)を与えられるなど、静粛性や乗り心地といった快適性をしっかりと作り込んでいることがポイントだ。
 
そのタイヤのトレッドデザインを観察すると、彫り(溝)の深さとブロックライクなデザインは、やはりデューラーシリーズの一員であることを感じさせる。しかし、高いウェット性能を期待できる明確なストレートグルーブ、正確なハンドリングを予感させるセンターリブなど、その表情からもオンロードにおける基本性能をしっかりと抑えていることも同時に読み取れる。

 
04_BS走り出した瞬間に、接地性と、転がり抵抗の低さに驚きを覚え、そしてオールシーズンタイヤとしては静粛性がすこぶる高いことを感じた。
 
路面の衝撃に対しては、トレッドで路面をしなやかに捉え、サイドウォールで衝撃の角を取り除いているといったフィーリングがあり、まさに快適だと語ることができる。
 
ハンドリングはステアリングの切りはじめからグリップ感が伝わってくるため、ドライバーは安心感を覚えるはず。もちろん、グリップ力そのものも不足はないし、ブロックが倒れ込むようなフィーリングなど皆無であり、むしろ、ロールを含めて、そこにゆったりとした流れが作られており、ワインディングなのに快適性があるなと感じたほどだ。

 
05_BS高速道路では直進安定性の高さはもちろんだが、レーンチェンジといったハンドリングおいてもタイヤが起因した応答遅れを感じることはなく、ハンドリング操作に対して、素直に挙動がついてくるといった印象を覚えた。そう、静粛性や乗り心地といった快適性を大きく高めながら、一方では運動性能をまったく犠牲にしていない、そんなバランスをアドバンテージとしていた。

 

06_BSスポーツ性能を追求し誕生した「ALENZA 001」
アレンザ001は、運動性能重視を全面に打ち出したモデルながら、そのデザインは、スパルタンをイメージさせるようなハードスペックを与えておらず、ブロック形状やラグ溝が少ないことから、コンフォートな乗り味を期待させるほど。
 
実際に走らせてみると、まず感じるのはスポーティー性能よりも、コンフォート感のほうだった。
 
と言っても、それは当たりが柔らかいといったフィーリングではなく、路面の情報をつぶさにステアリングに伝えてくれるという接地感の豊かさがもたらすもの。さらに、転がり抵抗はすこぶる小さく、まさに路面を滑らかにトレースしていく様は、気持ち良さそのもの。
 
そして、少し走っただけで、この快適性は意図的に作り込まれたものではなく、タイヤの剛性がすこぶる高いことが起因していることに気付いた。曖昧さがないと表現すると大げさだが、トレッドからサイドウォールに至るまで剛性を作り込み、そこに柔軟性ともいえるしなやかさを与えており、しっかり感があるのに快適と感じさせてくれていた。

 
07_BSコーナーにおいてはハンドリングに明確さだけではなく、正確さ、きめ細やかさまでを与えており、ドライバーにタイヤのグリップ感をダイレクトに伝えてくる。
 
言うまでもなく、タイヤのグリップ力はハイレベルだが、一方でグリップ力をアピールするようなクイック感が見当たらず、その操縦性に素直さが加わったといった印象を受けた。そう、限界速度を高められるといったスポーツ性能というよりは、ハンドリングが愉しくなるスポーティー性能を作り込んでおり、それによって安心感につながる快適性まで手に入れていた、そんな印象だ。
 
乗り心地については、硬さという単語だけで表現するならば、硬さはある程度存在するが、不快と感じるような角のある硬さは見当たらず、また、サスペンションの突き上げ感を誘うような硬さもなかった。つまり、運動性能を強く感じさせるタイヤながら、快適性を犠牲にしていない、そのバランスの良さにこのタイヤのアドバンテージを感じた。

 
08_BSブリヂストンがリリースするふたつのオンロードタイヤどちらを選ぶ!?
デューラーH/L850、アレンザ001、いずれもオンロードにおける基本性能、つまり、快適性、それがもたらす安心感をしっかりと備えており、その上に、それぞれのキャラクターが表現されていた。
 
タイヤ指南としては、
ゆったりとした乗り味が好みならば「デューラーH/L 850」

スポーツカーライクなハンドリングが好みならば「アレンザ001」
を選ぶと良い、という結論になる。
 
いずれにしても、何かが不足しているとか、不満を感じることなどはなく、引き上げられた快適性、ブラッシュアップされたスポーツ性能に驚きを覚え、そして、SUVライフに愉しさがプラスされる。
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10_BSデューラーシリーズの中では、オンロードユースを重視した設計が行われた「デューラーH/L 850」。SUV用タイヤたるオールマイティーさをベースにしながら、名称となっているH/L(ハイウェイラグジュアリィー)に相応しい乗り味、快適性、さらには今に求められる低燃費性能やロングライフ性能を備えている。

 

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ハイレベルな運動性能をデザインした「アレンザ001」。快適性を備えながら、同時に低燃費性能やロングライフ性能もしっかりと設計されており、運動性能だけに特化したタイヤではなく、まさに、プレミアムたるフィーリングを期待できるタイヤだ。

 

 

12_BSデューラーH/L850
静粛性を高めるショート&ナロースロット、ハイアングルラグ、低燃費性能を引き上げるリブ連結ブロック、エコ形状、SUV向け最適コンパウンド、偏摩耗を抑える最適配置ブロックを採用。もちろん、デューラーシリーズらしさであるラフロード性能を備えており、オンロードユースメイン、しかし、オールマイティに使えることが特徴。
https://tire.bridgestone.co.jp/dueler/hl850/index.html

13_BSデューラーシリーズのベースであるオールマイティーな性能がもたらす快適性に、デューラーH/L 850ならではの心地よさを加えている。ワインディングにおけるタイヤのグリップ力は十二分であり、C-HRがもっているスポーティーな仕立てに対して、操る愉しさを加えてくれていた。

 

14_BS高速走行では直進安定性はすこぶる高く、また、ゆったりとした乗り心地によって、ドライバーはもちろん、乗員に対して安心感を与えてくれる。それでいながら、レーンチェンジでも余計な挙動を感じさせることなく、C-HRのスポーティーなハンドリングに見合っていることも確認できた。

 

17_BSアレンザ001
トレッドデザインには、制動時のフラットな接地感を提供するチャンファリング、ウェットグリップ向上を狙って採用したマルチラウンドブロック、耐摩耗性を実現した3D-M字サイプを採用。また、ブリヂストンのタイヤ解析技術(アルティメット アイ)によって、制動時の接地性最適化を行い、ウェットラベリング「b」以上を達成していることもトピック。
https://tire.bridgestone.co.jp/alenza/001/index.html

15_BSコーナーでは、ステアリングの切りはじめからグリップ感が明確に伝わってくるため、走りに愉しさがプラスされたといった印象を受けた。もちろん、「アレンザ001」のグリップ力はすこぶる高く、C-HRのノーマルのシャシーに対して、タイヤのグリップ力が勝ってしまっているといった印象もなく、その加減も好印象。

 

16_BS「アレンザ001」は、高い運動性能を提供するためにタイヤ全体として剛性感を引き上げているが、不快に感じるような路面からの衝撃の硬さは取り除かれており、日常でも”使える”タイヤとなっている。むしろ、その剛性感がもたらすダイレクト感が安心感を作り上げているとも言える。

 

<取材協力>
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NATS 日本自動車大学校
自動車整備科をはじめカスタマイズ科やモータースポーツ科など、ユニークなカリキュラムや課程を取り入れた同校。オートサロンに毎年出展していることもあって、「NATS」を知る読者諸兄は多いことだろう。この度の取材では、スポーツ性能を謳う「アレンザ001」のテストコースとして、同行のサーキットコースをお借りした。
◆お問い合わせ:https://www.nats.ac.jp/

 

 

 

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群馬トヨタ RV-Park
オフロードコースを併設した群馬トヨタ自動車のサテライトショップ。ディーラーの看板を掲げながらも、用品販売から構造変更、オーディオカスタマイズまで幅広く対応してくれる。誰もが入りやすい敷居の低さが人気の理由だ。群馬パーツショーをはじめ雪上体験試乗会などイベントも多数企画しているところも同店の魅力だ。
◆お問い合わせ:https://www.gtoyota.com/rvpark/