【紹介/試走】NISSAN X-TRAIL 20X 4WD

2015.1.23

    • 四輪駆動車
    • 日産

使えるタフ&コンパクト

s_IMG_2471選択肢多し!豊富なラインナップ

ラインナップは4つのグレードを軸に、駆動方式と乗車定員、安全装備の違いで選べる構成となっている。

 

ベーシックグレードの「20S」は、4WDの2列シート(定員5名)車のみ。「20X」には2WDも設定され、3列シート(定員7名)車も選べる。

 

上位グレードの「エクストリーマーX」「ブラック エクストリーマーX」は4WDのみだが、これも3列シート車が選べる。

 

また「20X」と「エクストリーマーX」「ブラック エクストリーマーX」には、エマージェンシーブレーキのほか、フロント&バックソナーや車線逸脱警報(LDW)等を備えた”エマージェンシーブレーキパッケージ”が設定されている。

 

パワートレインは全車2リッター直4ガソリンDOHCであるMR20DD型エンジン+エクストロニックCVTを搭載するが、実はこの他に先代のボディーを踏襲するディーゼル4WDモデルもラインナップされている。

 

つまり、ガソリン車は第3世代となっているが、2リッター直4DOHCを搭載するディーゼル車はまだ第2世代モデルのまま残されているのだ。

 

したがってこの「クリーンディーゼル」では、6速MT/6速ATが選択でき、それぞれに3つのグレードがラインナップされている。

 

s_IM1S9327乗り心地良好!絶妙サスと電子制御

今回の試乗車は、「20XエクストリーマーX」の”エマージェンシーブレーキパッケージ”。カーナビやアラウンドビューモニター、インテリジェ ントパーキングアシスト等のオプション満載の、ほぼフル装備と言ってよい豪華仕様だ。エンジンは2リッター直噴DOHCのNA(自然吸気)。最高出力108kW(147PS)/6,000rpm、最大トルク207Nm(21.1kgm) /4,400rpmと、地味なスペックではあるが、1.5トンのボディーには必要にして充分な数値とも言える。無鉛レギュラーガソリン仕様も高ポイントだ。 スタートしてまず気付くのは、乗り心地のしなやかさ。ソフトなサスペンション設定も大きな要因だが、225/65R17というワイド過ぎず、空気量の確保されたサイズのタイヤも貢献しているようだ。ただし、コーナーでは適度にロールしてシャキッと戻る快適な脚であり、オンロードでもそこそこ機敏に走りたいこのクラスには、よくできた脚と言える。ある程度の速度域になると、このようなコーナーでは電子制御による速度調整(エンジンブレーキや各輪の制動配分による)が自動的に行われ、安定したコーナリングがアシストされるので、このサス設定のみが”曲がりやすさ”の要因ではないが、いずれも自然な挙動の中で行われるので、違和感なくドライブでき る。

 

s_IM1S9347伝統継承のユーティリティー

インテリアデザインに関しては、「普通になったな…」というのが正直な印象だ。初代モデルに採用されていたセンターメーターや、真上に向け てフォールディングできるステアリングホイール等の、個性的なインパネまわりから較べると、こぎれいにまとめられた現行のインテリアは、ある意味ふつう で、そこに強烈な個性は感じられない。

 

ただし、オフロード走行時に都合の良い、トラック的な、いわゆるアップライト・ポジションを取ることができるシート設定はありがたい。

 

また、初代モデルからの伝統とも言えるラゲッジスペースまわりのユーティリティー面でのユニークさは、現行モデルにもしっかり継承されている。

 

フロア下に収納スペースがあるだけでなく、丸洗い可能な防水素材のラゲッジボードと呼ばれる床板を垂直に固定して間仕切りとしたり、棚板として使ってラゲッジスペースに棚が作れたり…といったアイデアはとても実用的と言える。

 

s_IMG_26034×4システムは、お馴染みの「ALL MODE 4×4-i」。フロアコンソール上のダイヤル操作で「LOCK」「AUTO」「2WD」を選択する方式だ。

 

AUTOモードでは、通常走行時(前:後)100:0で走行し、走行状況により最大50:50まで前後トルク配分を適正に調整する、というシステムで、LOCKモードでは状況にかかわらず50:50固定となる。

 

林道走行でも、乗り心地の柔らかい脚は実に快適。このような凹凸の多い路面では、前述の電子制御によるエンジントルクとブレーキの自動コント ロールが上下方向の揺れの抑制にも働く。日産が「アクティブライドコントロール」と呼ぶこの電子制御機能が、車両の姿勢変化や揺れを抑えるので、未舗装路 に慣れていないドライバーでも、ある程度快適に走ることができるだろう。

 

s_IMG_2508一世代前のモデルとは言え、併売しているディーゼル・モデルの方が、圧倒的にパワーもトルクも上回っていて、そのうえMT車も選べて、価格的にもさほど差がない…ということで、その辺の性能重視な玄人には食指が動きにくいことも考えられる第3世代エクストレイル。

 

しかし、快適さでは明らかに上を行く”今どき”のSUVである。

 

高速走行50%を含め、メリハリを利かせて走った結果、平均燃費は10.4km/l。慎重に燃費走行を心がければ、まだまだ結果は伸びそうだ。

 

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s_IMG_2335自然吸気の2リッター直4・DOHC直噴(筒内直接燃料噴射)ガソリンエンジン。最高出力108kW(147PS)/6,000rpm、最大トルク207Nm(21.1kgm)/4,400rpmを発生。無鉛レギュラーガソリン仕様。

 

【騒音計測データ】
●車内・・・・41.0dB
●ボンネット閉・・・・61.0dB
●ボンネット開・・・・65.0dB
※エアコンOFF、電動ファン非作動時

 

やや甲高いメカノイズ有り。ただし、ガソリン2リッタークラスの騒音レベルとしては相応な数値。

 

s_IMG_2255かつてのユニークさは影を潜めたが、スマートにまとめられたデザインのインパネまわり。

 

s_IMG_2270トランスミッションは全車エクストロニックCVT(無段変速機)。マニュアルモード無し、という思い切りがかえって潔し。

 

s_IMG_2695オプションのスマート・ルームミラーは、なんと液晶モニター。荷室に荷物を満載しても後方視界はバッチリ。スイッチにより通常の防眩ミラーに切り替え可能。

 

s_IMG_2264走行モード操作はダイヤルで操作。AUTOポジションでは通常走行の場合、前後100:0配分となる。ローレンジも欲しい!

 

s_IMG_2294ドリンクホルダー内部にエアコン吹き出し口が。小さなツマミで開閉可能。

 

ext_seat透湿性の高い素材をメイン部に使用した防水シートを採用。サイド部とヘッドレストにはレザー風の肌触り良好な新素材使用。

 

ext_rear1ラゲッジスペースの床も防水仕様。ワンタッチでフォールディングできるお手軽操作がうれしい。

 

ext_rear2ラゲッジボードを棚板にしたり、間仕切りにしたり。これは実用的!DIYでここまではやらないよ…という人にうってつけ。

 

ext_susフロントサス(左)はマクファーソン・ストラット式で、リアサス(右)はマルチリンク式。しなやかながら安定感の高いセッティングが好印象。

 

s_IMG_2373標準タイヤは225/65R17サイズ。乗り心地の良さに大きく貢献。チェーンも巻ける!