【紹介/試走】TOYOTA HILUX Z “Black Rally Edition”

2019.2.24

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ハイラックスに特別仕様車登場

誕生50周年記念の特別仕様車

2017年夏に13年ぶりの日本市場復活を果たしたトヨタ・ハイラックスが、昨年誕生50周年を迎えたということで、これを記念した特別仕様車が発売された。
 
すでに12月17日から販売されている、内外装に特別装備を施した“Black Rally Edition(ブラック ラリー エディション)”がそれで、既存のラインナップで上位グレードに当たる「Z」をベースとした豪華仕様モデルだ。
 
ちなみにハイラックスの通常のラインナップは以前と変わりなく、プリクラッシュセーフティシステムやマニュアル式リアデフロックを標準装備する上位グレードの「Z」と、装備面で簡素化された標準グレードの「X」の2タイプ。
 

エンジンは、最高出力110kW(150PS)/3,400rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1,600〜2,000rpmを発生する2.4リッター直4ディーゼルターボの2GD-FTV型を搭載し、トランスミッションはマニュアルシフト付き6速ATで、減速比2.566:1のローレンジ付きトランスファーを装備するパートタイム4×4である。
 
今回は、この特別仕様車Z “ブラック ラリー エディション”のオフロード・テストドライブをメインとする試乗会からのレポートになるが、会場となった「さなげアドベンチャーフィールド」には、同じくタイ工場で生産されている南アフリカや欧州向けのモデルから、メーカー純正カスタムモデル、ラリー仕様車等に至るまで、世界各地で活躍するハイラックスも展示され、グローバルなポジションでのハイラックスの健在ぶりが感じられた。
 

外観をメインとする特別装備を追加

フロントグリルまわりに北米で生産/販売されているトヨタTACOMA(タコマ)のイメージを漂わせる“ブラック ラリー エディション”は、なかなかに精悍な面構えで、ノーマル車に較べて押し出しの強い印象だが、専用デザインも含めたエクステリアの特別装備は以下の通りだ。
 

ブラック塗装のフロントグリルと、スキッドプレート付きのフロントバンパーは、ともに専用デザイン。

 

 

 

 

 


リアバンパーはグレー塗装、テールゲートハンドルはブラック塗装とし、ベース車両のクロームメッキ仕様と差別化。

 

 

 


そして、サイズは控えめながら前後オーバーフェンダーを装備し、ドアミラー、ドアハンドルもブラックで統一。
 
いずれもボディーカラーのクリムゾンスパークレッドメタリックを際立たせるブラックの差し色がアクセントとなったカラーリングで、顔つきもよりタフなイメージに仕上がっている。なお、ボディーカラーに関してはベースモデルと同じく、これ以外にスーパーホワイト、シルバーメタリック、アティチュードブラックマイカ、ネビュラブルーメタリックも選べるようだ。
 

安定のオフロード走破性能

さなげアドベンチャーフィールド内オフロードコースでの試乗には、この特別仕様車以外にベースモデルのZも用意されたが、タイヤサイズが僅かに異なる(特:265/60R18、Z:265/65R17)以外、スペックはほぼ同じと考えてよい。
 
コースは大きく分けて急勾配のアップダウン、岩場、モーグルが用意され、各セクションであらためてハイラックスのオフロード性能の高さを確認できた。

まず、何と言っても圧倒的なアドバンテージはローレンジを備えるトランスファーの存在。最終減速比4.100、トランスファー(低速)減速比2.566と、充分な減速を行うので、ATながらクロカンに適した極低速走行はお手のもの。
 
ブレーキペダル操作なしに急勾配をゆっくり下ることができる「DAC(ダウンヒルアシストコントロール)」も装備しているが、このシステムの出番はほとんど無いくらい充分なエンジンブレーキが利く。
 
モーグルセクションでは、いずれかのタイヤの空転を検知すると、その車輪にブレーキをかけ、それ以外の車輪に駆動力を配分する…という電子制御機構「アクティブトラクションコントロール」のおかげで、いとも簡単に上り勾配のモーグル地形をスイスイとクリアしていく。

ダブルウイッシュボーンのフロントサスはともかく、リジッドアクスル+リーフスプリング式のリアサスはそれだけで充分なストローク量を確保しているので、この「アクティブトラクションコントロール」のアシストは、まさに鬼に金棒だ。
 
しかも、さらに確実に、ドライバーの意思で駆動力配分(左右後輪50:50固定)を指定し、トラクションを確保できるマニュアル式「リヤデフロック」も装備されているので、空荷時のリア荷重が心許ないピックアップでも、安心してこのような地形に挑める。
 
左右輪が直結されることで直進性が極端に高まり、ステア操作に支障が出る危険もあるという特性にさえ注意していれば、最強の武器となってくれるのだ。
 
繊細なアクセルワークが要求される岩場では、低回転からジワジワと太いトルクを発揮し、踏めば瞬時に立ち上がる瞬発力も備えた2.4リッター直4コモンレール式直噴ディーゼルが、その威力を発揮する。圧倒的大パワーを見せつけるタイプのエンジンではないが、扱いやすくストレスのないパワーユニットと言える。
 

一方、岩場で気になったのは、タイヤサイズだ。ベース車の17インチ65扁平タイヤに対し、18インチ60扁平タイヤを履く特別仕様車は、このような岩場ではホイール・リム損傷の恐れも多く、走行には気を遣う。ブラック塗装が美しいアルミホイールともなれば尚更である。
 
ちなみに、タイヤ内径と偏平率が違っても外径は同じなので、最低地上高はベースのZと同じ215mmのままとなっている。
 

選択肢の増加に期待!

今回のハイラックス誕生50周年記念特別仕様車Z“ブラック ラリー エディション”は、実用車イメージの強いピックアップトラックを、もっとパーソナルなSUVとしてアピールするためのモデルだ。
 
ただし、ベースとなっているのは、あくまでも世界各地で実用車として通用するタフな本格4×4であり、その素姓は全く変わっていない。
 
SUVと呼ばれるクルマは市場に溢れているが、本格的なクロカン4×4としての耐久性やオフロード走破性能を備えたSUVは絶滅寸前と言える。
 
そんな中で、このハイラックスの存在は貴重だ。願わくば、同じくタイで生産されている欧州仕様や南アフリカ仕様にあるMT車、シングルキャブあるいはエクストラキャブといったボディーバリエーションも、ぜひ選択肢に!というファンも少なくないだろう。

 

2,393cc 直列4気筒直噴ディーゼルターボエンジンを搭載。
最高出力110kW(150PS)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発生する。
可変ノズル式ターボを採用。
低速での粘りと瞬発力を併せ持つストレスレスなディーゼル。

 

左:専用デザインのオプティトロンメーターと4.2”TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイは視認性も良好。
下:ブラックメタリック加飾された本革巻きステアリングホイールを中心に、落ち着いたブラックで統一された装飾がスポーティーなインパネ。
 

 

シートは前後ともベースモデルのZと同じ上級ファブリックシートを採用。運転席は6ウェイ(前後スライド、リクライニング、座面上下)、助手席は4ウェイ(前後スライド、リクライニング)シート。

 

リアシートは60:40分割チップアップ式で、これもベースのZと同仕様。
 

四隅に固定用フックを備える実用的なベッド。

 

 

 

 

 

 

 

フロントサスは、ダブルウイッシュボーン+コイルスプリング(上)、リアサス(下)はリジッドアクスル+リーフスプリング。基本セッティングはタイ現地仕様と変わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

装着タイヤは265/60R18サイズ。
オーバーフェンダーは15ミリワイドだが、タイヤ外径、タイヤ幅、トレッドともベース車と同スペック。
ホワイトレターも特別装備のひとつだ。

 

 

 

 

 

 

 
【カスタム車】

◆写真左:アジアクロスカントリーラリー2018に参戦したチームJAOSのラリーマシン。ベース車両は2015年モデルのタイ仕様車で、年々改良が施されている。
◆写真右:オリジナルのスキッドバーやサイドステップ、オーバーフェンダー、マフラー等が装着され、リフトアップキットが組み込まれたJAOSハイラックス。
 

◆写真左:神奈川トヨタのカスタム用品装着車。豊富なオプションが用意されたハイラックスでの遊び方を提案するデモカー。
◆写真右:純正カスタムとしてお馴染みのTRD用品装着車。キャノピーを架装し、実用度の高さをアピールするカスタム。

 

◆写真左:欧州仕様のハイラックス。エンジンは日本仕様と同型の2GD-FTV型2.4リッター・ディーゼルで、6速MTを搭載。
◆写真右:南アフリカ仕様のハイラックス。エンジンはプラドと同型の1GD-FTV型2.8リッター・ディーゼル+6速MT。ボディーは二人乗りのエクストラキャブ。

 
(文章:内藤知己/写真:佐久間清人)