「チーム三菱ラリーアート」が、新型『トライトン』でアジアクロスカントリーラリーの連覇に挑む

2023.8.1

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三菱自動車工業株式会社が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、タイ・バンコクで世界初披露された新型『トライトン』をベースとするラリーカーで、今年8月にタイ~ラオスで開催されるアジアクロスカントリーラリーに参戦し、昨年に続き総合優勝を目指す。

新型『トライトン』は、フルモデルチェンジによって大幅に進化した。AXCRの車両規定に則り改造した同ラリーカーは、従来から定評のある耐久性と軽快かつ安定したハンドリング性能、全域で力強くレスポンスのよい動力性能、そして泥濘路などでの走破性など、昨年のラリーカーを上回るパフォーマンスを実現しているという。

「チーム三菱ラリーアート」は、昨年の覇者であるチャヤポン・ヨーター選手(タイ)、昨年5位に入賞したリファット・サンガー選手(インドネシア)、そして1999年と2010年のアジアパシフィックラリー選手権王者の田口勝彦選手(日本)の3台体制で2023年のAXCRに臨む。

増岡浩総監督と開発部門のエンジニアは現地のラリークルーとともに、『デリカD:5』のサポートカーでラリーの全行程に帯同、競技区間での戦況分析や戦略立案からサービス拠点での技術支援までを行うという。

チーム三菱ラリーアート 増岡浩総監督
「全てが一新され、全方位で進化した新型『トライトン』での参戦に、私自身、期待で胸が高鳴っています。ラリーカーは、国内とタイで延べ2,000kmを超える耐久試験を行い、特段のトラブルもなくフラットダートの高速ステージからマッディな低速ステージまで、あらゆるステージで昨年以上のパフォーマンスを発揮できることを確認しました。それぞれが優勝を狙える3台体制であり、必ず表彰台の真ん中を勝ち取り、連覇を果たしたいと思います」
 

ラリーカー概要
新型『トライトン』ラリーカーはタイ仕様のダブルキャブをベースとし、国際自動車連盟のグループT1規定(改造クロスカントリー車両)に沿った改造が施された。

車体では、ロールケージやアンダーガードなどのラリー装備を装着する一方で、カーボン製のフードや前後ドア、荷箱を採用するとともに内装部品を大幅に軽量化した結果、従来車よりも一回り大きくなったボディーでありながら、従来車と同等の車体重量を実現した。

ベース車でのトレッドの拡大に加え、ラリー専用の前後サスペンションや前後LSDを装着することで、ドライバーの意のままのハンドリング性能を実現。また、軽量アルミホイールにナロータイプのオフロードタイヤを採用することで、悪路での走破性を向上させている。

新開発の2.4ℓディーゼルターボエンジンは、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングを施すとともに、新しいターボチャージャーを搭載することで全域で出力向上を実現。なお、AXCRのスペシャルステージには川を渡るステージもあるため、各部のシーリングの強化やシュノーケル(吸気ダクト)の装着など、水回りの対策も行なわれている。

スペック
●全長×全幅:5,320×1,865mm
●ホイールベース:3,130mm
●トレッド(前/後)  :1,570mm/1,565mm
●エンジン:4N16型4気筒 MIVECターボディーゼル/2442cc
●最高出力:150kW/●最大トルク:470N・m
●燃料噴射装置:高圧コモンレール
●変速機:6速マニュアル
●4WDシステム:スーパーセレクト4WD-II
●サスペンション:フロント 独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング/リア リジッド/リーフスプリン
●ステアリング形式:ラック&ピニオン(パワーステアリング)
●ブレーキ:ENDLESS製 4ポッドブレーキキャリパー、ベンチレーテッドディスク、パッド/FORTEC製 ブレーキフルード
●ホイール:「WORK」製 アルミホイール(17×7.0J)
●タイヤ:GEOLANDAR M/T G003(235/80R17)

サポートカー概要
デリカの誕生55周年の話題喚起として「チーム三菱ラリーアート」を支える『デリカD:5』サポートカーを、合計4台投入する。デリカD:5の特長を生かし、WORK製のアルミホイールと、マッド性能に優れるオフロードタイヤ(横浜ゴム)を装着することで、フラットダートからマッドまでラリー全行程を走破できる仕様とした。

競技車が走るコースサイドまで視察して戦略策定する増岡総監督が乗りこむ車両には、JAOS製前後サスペンションを装着し悪路走破性を向上している。なお、新型『トライトン』と同様、湧き上がる溶岩のエネルギーをモチーフとしたレッドとブラックのカラーリングとしている。


AXCRスペシャルサイト(三菱自動車)