日野チームスガワラ メカニックインタビュー「チームワークはすごく高まっています!」

2016.9.7

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今回のダカールラリーニュースでは、販売会社メカニック4人の方、日野自動車のメカニックサブリーダーとその後任の方に、日野チームスガワラのメカニックになったきっかけ、7月のシルクウェイラリーで体験したこと、そして来年1月のダカールラリーに向けた意気込みなどを語ってもらった。全員の「ラリーにかける想い」を感じよう!
20160905_01(後列左から)広島日野 國本さん、岡山日野 井上さん、福島日野 吾妻さん、石川日野 中村(浩)さん(前列左から)日野自動車 岡部さん、同 中村(昌)さん

 

― 日野チームスガワラのメカニックに応募したきっかけは?

 

吾妻 「以前一緒に研修を受けた、東京日野の菅原さんが2年前にメカニックに選ばれたので、電話をしたら『やってみなよ!』と言われたのがきっかけです。菅原さんは何でも真面目に丁寧にやるし、仕事の技術もすごくて尊敬していたので、『自分もやってみよう!』と思って挑戦しました。」

 

中村(浩) 「ダカールラリーには昔から憧れていましたが、歳を重ねるうちに気持ちが薄れていって…でも、ある日上司から『お前、ダカールはもういいのか?』と聞かれて、再び『行きたい!』という気持ちがメラメラと燃えてきました。選考会は『ダカールに行きたい!』という人が全国から集まっていて、全員ライバルだけれど仲間でもあるような、不思議な雰囲気でした。その中でこの4人が選ばれたのは、何かの縁があるように感じています。」

 

井上 「岡山日野からはメカニックが出場したことがなかったので、自分が行けると思っていなかったのですが、マスターコースという研修に参加していた時に、過去に出場したことがある広島日野の中野さんからダカールラリーの話を聞いて、『自分も出てみたい』と思ったのがきっかけです。」

 

國本 「2年前に同級生の益田がメカニックに選ばれたので、『俺も負けていられるか!』という想いで応募しました。実は、昨年も応募したのですが落選してしまい、それであきらめていたのですが、社長から『もう一度受けてみなさい』と言われて今年も応募しました。ですので、選ばれて本当によかったです。」
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― メカニックサブリーダーの方は、どのようにして選ばれたのですか?

 

中村(昌) 「2014年のダカールラリー以降、日野自動車の車両生技部からメカニックのサブリーダーを選出する体制になって、その時は先輩の末永が選ばれました。昨年、自分が後任の候補になり、サブリーダーを務める自信はなかったのですが、せっかく上司が推薦してくれたので挑戦してみようと思い、2015年からチームに参加して、今年1月のダカールラリーに初めて参戦しました。」

 

岡部 「実は、中村の前にサブリーダーを打診されたのですが、その時は家庭の事情でお断りをしました。今はそれが一段落したので今年からメカニックとしてチームに参加し、来年1月のダカールラリーの後に中村からサブリーダーを引継ぎます。」

 

― メカニックとしてラリーに参戦することに、ご家族の方はどのような反応をされていますか?

 

中村(昌) 「今年のダカールラリーに参戦した時に、クリスマスとお正月に家にいなかったので、子どもが寂しがって泣いていたと聞きました。ですが、ラリーから帰ってきて、離れていたことでかえって親子が仲良くなれたと感じました。」

井上 「両親、特に母親は心配してくれて、シルクウェイラリーに行く前にお守りを持たせてくれました。ネットとか詳しくないのにフェイスブックの見方をおぼえて、ラリー中に僕の写真を確認して『顔見たら安心するわ』と言っていました。」

中村(浩) 「嫁さんは『ラリーに行きたい』と言ったら応援してくれて、すごく感謝しています。それから、義父が若い人からホームページの見方を教えてもらって、ちょくちょくチームの様子を見てくれていたことを、シルクウェイラリーから戻ってきて聞きました。」
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― 実際にシルクウェイラリーに参戦してみて、いかがでしたか?

 

吾妻 「とにかく、言葉の壁が大きくて大変でした。ロシア語はまったくわからないし…身振り手振りで何とか伝えようと思っても、まったく伝わらずにどうしていいかわかりませんでした。ただ、中国ではガソリンスタンドの店員さんがスマホのアプリで翻訳してくれて、あれほど助かったことはありませんでした(笑)。」

 

中村(浩) 「大変だろうとは思っていましたが、その質が想像とは違いました。食べ物が合わなかったり、睡眠が取れなかったりして、ストレスがたまって…そのせいで、車の整備が普段通りにできなくなっていたと思います。イライラしているつもりはなかったのですが、今改めて思うと、やはり少しイライラしていたのかなと…」

 

井上 「体力的にもつらかったです。途中までは余裕があったのですが、中間日にタイヤ交換などをして、そこを過ぎてからどっと疲れが出てきました。お腹をこわすこともあって、さらに大変でした。」

 

國本 「食べ物は、本当に大変でしたね。お腹の調子がよくなってきたかなと思うと、また壊したりして…言葉は、まったく通じないのですが、日が経つと慣れてくるというか、何となく相手の言いたいことがわかるようになってきました。」

 

中村(浩) 「ああいう環境に何日もいると、不思議と自分が強くなっていくような気がしました。最初は物怖じしていましたが、徐々に言いたいことをアピールできるようになったと思います。」

 

中村(昌) 「自分は、昨年のダカールラリーも経験していますが、今回のシルクウェイラリーでは、うまくいかなかったことのほうが多かったように思います。事前にメンバーに作業の段取りを伝えられず、無駄な”手待ち”の時間が発生してしまって…自分で自分に落ち込んで、そのせいで内面から疲れが出ることもあって…反省の場になりました。」
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― そのような経験を、来年1月のダカールラリーにどのように活かしていきたいですか?

 

中村(昌) 「事前にメンバーへのレクチャーをしっかり行い、全員でコミュニケーションをとって、”手待ち”の時間を出さないようにしたいです。シルクウェイラリーは参戦車が1台でしたが、ダカールラリーでは2台になるので、さらに作業量が増えます。そのことを、全員で意識しながらトレーニングしてきたので、大丈夫だとは思います。」

 

岡部 「サブリーダーの役割は、自分で作業をするよりも、一歩先を見てメカニックのメンバーへ的確に作業の指示をすることだと思います。自分は初めてラリーに参加したので、一歩引いて全体を見ることができたと思います。」

 

國本 「段取りが難しいことはわかったので、ダカールラリーでは事前の準備をしっかりと行って、2台とも完璧に直して次のステージを走れるようにしたい。ただ、整備に関する不安は特にはないのですが、高山病は体験したことがないので、どうなるのかすごく不安です(苦笑)。」

 

井上 「1人では何もできないと思うことがあっても、販社の人に支えられてメカニックに選ばれて、チームの皆に支えられてシルクウェイラリーをやり遂げることができました。皆で仲良く、チームワークよくやれているので、このままダカールラリーもやり遂げることができれば、達成感が何倍にもなると思います。」

 

中村(浩) 「シルクウェイラリーで初めて皆と整備をしましたが、長い間ずっと一緒にいてお互いの作業のしかたとか考えかたも理解しあえたので、チームワークはすごく高まっています。販社の期待に応えるためにも、『自分たちがやるんだ!』という気持ちで一生懸命やって、いい結果を出したいです。」

 

吾妻 「シルクウェイラリーでやったことは、すべてプラスになると思いますし、これから1か月半取り組む車両製作で得られる技術や知識も、さらにプラスになると思います。それに、その期間ずっと一緒にいるメンバーとのコミュニケーションもよくなって、来年のダカールラリーに向けて皆で元気に出発したいです。」
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― 少し気が早いですが、ダカールラリーで無事にゴールできたら、誰に何を伝えたいですか?

 

吾妻 「家族に『元気です、病気もケガもありません』って伝えたい。心配していると思うので。」

中村(浩) 「僕も家族に『パパは、がんばったよ!』と伝えたい。そして、このメンバーと抱き合って喜びを分かち合いたい。会社の上司にも感謝したい。」

 

井上 「チームのメンバー全員に、感謝の気持ちを伝えたいです。」

 

國本 「一番は家族ですね。職場の先輩や同僚たちにも、お礼を言いたいです。そのためにも、『無事完走しなくては!』と思います。」

 

中村(昌) 「まず、近くにいるメンバーに『ありがとう』、それから家族と職場に『ありがとう』、そして、陰で支えてくれた全員の人に『ありがとう』を伝えたいです。」

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