ノーマル・ノマド vs ”カンサス”50㎜アップ徹底比較!! ~4×4エンジニアリングサービス〜

2026.10.25

    • カスタムカー
    • スズキ

走りが変わる、見える世界が変わる!

4x4ESが猛烈プッシュする
ノマド“50㎜アップ”の実力

待望の“ジムニー5ドアモデル”として、
すでに街で見かける機会も増えてきた「ジムニーノマド」。
もちろんカスタムメニューもどんどん増えてきているが、
だけど悩みどころはサスペンションのセットアップ。
さて、どうしよう?
その答えとなりそうなのが、『カントリーサスペンションキット』なのだ。

 

リフトアップはネガティブ? ノーマルと50㎜アップを比較

街中で見かける機会が増えてきた、と同時にアフターのカスタムパーツも続々とリリースされてきた「ジムニーノマド」。あまりにパーツが多すぎて、人と違ったカスタムが楽しめそうな反面、パーツ選びに悩んでしまって……なんてノマドオーナーも多いことだろう。
 
とくに気になるのはサスペンションについて。リフトアップがいいの? ノーマルの車高がいいの? そうそうローダウンもありかな……と、様々な声がユーザーから聞こえてくる。
 
そんな悩めるノマドオーナーたちに、4×4パーツの老舗「4×4エンジニアリングサービス(以下、4x4ES)」が一つの指針を示した。“ノマド、リフトアップのススメ”だ。そもそも4x4ESは自社のサスペンションブランド『カントリーサスペンション』から、すでに50㎜リフトアップ仕様のノマド用カントリーサスペンションキットをリリースしている。
 
「リフトアップ、というと、意外とネガティブなイメージを持っている方も多いんです。ですから今回は、弊社デモカーの50㎜アップ仕様ノマドと、フルノーマルのノマド、2台を同じシチュエーションで徹底的に乗り比べてみて、リフトアップのメリット・デメリットをしっかりお伝えしたいと思います」
 
4x4ESの製品開発を担当している住本麗次さんだ。そんなわけで今回は、ノーマルと“カンサス仕様”、2台の走りをオフロードからオンロードまで、詳しく検証してみることにしよう。

 

各種補正パーツも充実させ、安心・安全に乗れる仕様に

ちなみにノマド用カントリーサスペンションキット(“カンサス”)は、50㎜アップコイルスプリング(ストローク量は80㎜延伸)と、そのストローク量に対応する減衰力14段調整式ショックアブソーバーをメインにセットアップ。補正パーツとして前後ラテラルロッドや延長ブレーキホース、ステアリングダンパーなどを用意するなど、安全・安心な走りのための施策を充実させている。
 
「とくに我々が意識したのはキャスター角の補正ですね。リフトアップに伴いキャスター角が狂うと、直進性が悪くなったり、コーナーを終えた後にハンドルが戻りにくくなったり、様々な弊害が出てきます」
 
そのためキットにはキャスター角補正のためのリーディングアームブッシュも用意。
 
「他社のキットではリーディングアームごと換えてしまう例もありますが、コストなども考えたらブッシュがベストチョイスだと思います」
 
なおブッシュはリーディングアームのアクスル部分を支持する先端用と、その後の2ndホール用の2種を用意。リフト量に合わせてセットアップしてほしい。

 

運転席から見える世界が違う! 50㎜アップがもたらす安心感

さあ、いよいよ実走行だ。まずはノーマルのジムニーノマドで、今回の試乗コース、「富士ヶ嶺オフロード」の外周を走ってみよう。路面は鋭い岩がゴロゴロ転がっている、いわばガレ場のような場所。ここを登り下り、時にはアクロバティックな姿勢になって駆け抜ける。
 
ノーマルのノマドは、やはり前後のバンパーやお腹をヒットしないかどうかが気にかかる。大きめの岩があると、どうしても避けて行かなければならず、走るラインの選び方が難しい。
 
一方、50㎜アップの“カンサス・ノマド”は、このくらいの路面なら、それほどライン選びに神経質になることはない。大きめの岩なら跨いで行けるし。とにかくノーマルと50㎜アップでは、運転席から見える景色がまるで違う! こんな場所を少し走っただけでもリフトアップの安心感は大きいのだ。
 
また、荒れた路面での走行安定性も、ノーマルと“カンサス”では大きく異なる。
 
ノーマルは足まわりがシャシーを抑えきれず、ユラユラと反動の大きい走り。“カンサス”はピシっと引き締まった乗り味で、路面からの突き上げを抑える。少し硬めのコイルスプリングと、容量の大きなショックアブソーバーの減衰力が、ノマドの挙動をきっちり制御してくれるのだ。

 

トラクションを容易に失わない。接地力の高さもアドバンテージだ!

ステージをモーグルエリアに移し、2台の走りを比べてみる。ちなみに編集部では2台の対地アングルをAIで測定(下段参照)してみたが、やはり“カンサス・ノマド”のほうが、かなり有利。最低地上高についてはタイヤの外径の差なので“カンサス・ノマド”のほうが20㎜ほど高くなる程度だが、リフトアップによる効果は絶大だ。
 
“カンサス・ノマド”が走ったラインをノーマルで走ってみると、ちょっとしたコブをお腹に抱えてしまうことになるし、サスペンション・ストロークの差で、簡単に対角線に浮いてしまう。そう、“カンサス・ノマド”はリフトアップだけでなく、サスペンションストローク量にしても、実にノーマル比+80㎜を達成しているのだ!
 
同じラインを走っても、接地感が圧倒的に異なる。
 
タイヤを路面に押しつける力も“カンサス・ジムニー”のほうが強力だし、その分、ブレーキLSDの効き方も違う。よりハードなラインで“カンサス・ノマド”を対角線に浮かせても、アクセル一発でトラクションを回復する。やはりその姿勢から、路面を捉え直す時間が短いからだ。
 
対するノーマルは、対角線に浮いてアクセルを踏んでも、ボディが前後に揺れだし、なんとかタイヤが路面に接地したところでトラクションを回復。動き出すまでのかなり時間がかかるのだ。“カンサス”が車高アップだけでなく、オフロード走破性の向上にもこだわって開発されているのが分かる実走行だった。

 

車高のアップを感じさせない「引き締まった乗り味と操縦性」

リフトアップはいいけれど、普段乗りや高速道路、いわゆるオンロードの走りはどうだろう? 車高が上がるとロールポイントも上がるので、不安定になりそう……なんて思っている方も、少なからずいらっしゃることだろう。
 
しかし“カンサス・ノマド”で走ってみると、そんな心配も無用だ。
 
減衰力14段可変式のショックアブソーバーは前後とも8番にセット、これはオフロードを走ったときのままの設定だが、乗り味はとても引き締まっている。路面の継ぎ目にある大きなギャップもしなやかに受け止め、挙動の乱れはナシ。ノーマルはこんなところで揺れ残りのような動きを見せるが、“カンサス・ノマド”はピシっと収まってくれて小気味いい。
 
当然、コーナーではロールも抑えられて、ワインディングを気持ち良くこなす。心配された車高の高さは、まったく気にならない。むしろ視界が広がって、普段乗りならリラックスしたドライブが楽しめるだろう。
 
「ノマドというと、家族を乗せたり、アウトドアグッズをルーフキャリアで運ぶようなシチュエーションも増えて来ますよね」
 
つまり普段乗りとアウトドア行と、クルマにかかる負担は大きく変わってくる。
 
「そんな、様々な乗り方のできるノマドだからこそ、減衰力可変式のショックアブソーバーを備えた“カンサス”はオススメなんです」
 
住本さんの言葉はなかなか説得力がある。ルーフキャリアにドカンと荷物を積めば、重心が高くなって走行が不安定に……そんな時は減衰力を高めてあげて、ロールを抑えるようにしてあげれば良い。また乗り心地重視でゆったりドライブしたい、となれば減衰力を下げてみる。自由自在に乗り心地や乗り味、操縦安定性をコントロールできるのが、50㎜アップのカントリーサスペンションキットの魅力なのだ。
 
「キャスターブッシュなど、アライメントにもきっちりこだわっているのが、カントリーサスペンションの特徴です。ノーマル以上のオンロード快適性、オフロード走破性を、ぜひ愛車で試してみてください!」
(文:高坂義信/写真:佐久間清人、撮影協力:富士ケ嶺オフロード)

 

カントリーサスペンションキット:¥228,580~¥337,480(税込、価格はキット内容による)

ジムニーノマド用カントリーサスペンションキットは、50㎜アップコイルスプリングと減衰力14段調整式ショックアブソーバーをメインに、補正パーツも充実。フロントのショックアブソーバーは“ハーモフレック”内蔵で、よりしなやかな乗り心地を実現。サスペンションストローク量はノーマル+80mmで、優れたトラクション性能を発揮する。
 

よりスタイリッシュなフォルムに!

カントリーサスペンションキットを組んだノマド(左)と比べると、ノーマルはやけに車高が低く見える? “カンサス・ノマド”の装着タイヤは195R16C(外径約716㎜)、ホイールは4x4ESの「ブラッドレーV エボリューション(16x5.5J-20)」。ちなみにノーマルのタイヤは195/80R15、外径は約693㎜。


 

対地3アングル比較

“カンサス・ノマド”(写真:上)とノーマル・ノマド(写真:中央)。両車の対地3アングル(AA:アプローチ/DA:ディパーチャー/RA:ランプブレークオーバー)を、AIを使って実測してみた(ノーマルの数値はカタログ数値と異なっています)。
最低地上高こそタイヤ外径が大きくなった分(約10㎜)上がっただけだが、ボディはしっかりリフトアップ。
“カンサス・ノマド”はノーマルよりAAで4.5度、DAで5.0度、RAで7.0度、向上している!
(図版製作/スタジオ機輪)
 

ガレ場走行

鋭い岩がゴロゴロ転がるシーン、両車同じラインで走ってみると、ノーマル(右)は完全にリアの右側が浮いて、不安定な姿勢に。一方“カンサス・ノマド”はトラクションを失わず、何事もなかったように走り抜けた。ノーマルはまた、ライン選びにかなり気を使った。
 

モーグル・コブ越え

モーグルエリアのコブを両車で越えてみる。もちろん同じラインだが、50㎜アップの“カンサス・ノマド”(左)はどこもヒットすることなく、余裕で通過。一方、ノーマルはお腹がつかえて亀の子寸前……。下まわりをコスりながら、なんとか乗り越えた。
 

モーグル・ライン走行

本格的なモーグル走行で、もちろん同じラインを走ってみる。“カンサス・ノマド”はサスペンションストローク量が大きく、ボディをフラットに保ちながら通過。タイヤが地面を捉えているのでブレーキLSDの効きも早い。一方、ノーマルはストローク量が短く、不安定な姿勢に。タイヤは対角線に完全に浮いてしまっているので、ブレーキLSDが効くまで何度もボディを揺することになった。
 

ギャップにアプローチ

“カンサス・ノマド”(左)は岩の居座る場所へのアプローチも無難にこなしたが、ノーマルはバンパーの下をヒットしてしまった。AAの差が、こんなシーンで出てくるのだ。
 

オフロード

リフトアップ、そして伸びるだけでなく、よく“縮む”サスペンション。常に地面に接しようと動き、タイヤを地面に強く押しつけるトラクションを生みだしてくれる。車高を上げるドレスアップはもちろんだが、オフロードでの高い実性能を備えているのが“カンサス”の魅力だ。
 

オンロード

オンロードでもショックアブソーバーはオフロードと同じ“8番”で走行。引き締まった乗り心地と反応の良いハンドリングで、とても快適に走れ! 車高が高くなったことによるデメリットは皆無だ。時折現れるギャップも、ノーマルは大きく跳ねて挙動を乱すが、減衰力がよく効いているおかげで“カンサス”はしなやかにこなしてくれる。
 

減衰力14段調整式

オフロードからオンロード走行まで、4x4ES・住本さんのオススメは前後8番。ここからシチュエーションに合わせてカタめるも、よりソフトにするも良し。ちなみに私はオンロードでは前8番/後6番で気持ちの良い走りが堪能できた! 荷物の量や乗員数によって、減衰力をイジれるのがありがたいのだ。
 

各補正パーツも充実

50㎜のリフトアップ量は、クロカン4×4にとっては標準的ではあるが、やはり各部の補正は必要になる。カントリーサスペンションキットには調整式ラテラルロッド(前後)や、リアのラテラルアップブラケットほか、リーディングアームブッシュ(偏芯タイプ)やクロスメンバーダウンブラケット、プロペラシャフトスペーサーなど、万全のアイテムが揃えられている。
※写真左:リアラテラルロッド&ダウンブラケット/写真中央:クロスメンバーブラケット/写真右:ロングブレーキホースセット
 

ガード類装備でオフロードは安心

リフトアップ&対地アングルの向上は、オフロードを走る上で強力な武器となるが、さらにガード類を装備しておけば安心、だけでなく、よりハードにオフロードを攻めることだってできる!
※写真左:リアダンパーガード(左右)/写真中央:ピボットガード(1台分)/写真右:タンクガード

 

4×4エンジニアリングサービス公式サイト

https://www.4x4es.co.jp/