【ヨコハマ】タイヤインプレッション~ジオランダーM/T+

2014.3.30

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  • ヨコハマタイヤが4x4&SUVのためにリリースする「ジオランダー」シリーズ。オフロードタイヤフラッグシップモデルともいえる「ジオランダーM/T+」に、新たなサイズが追加された。純正サイズ......というより、LT規格の屈強なサイズ、さらにリフトアップカスタムにも対応する純正 +α の外径サイズをメインにラインナップする「M/T+」だが、今回のNEWサイズ『LT285/70R17』も、そのコンセプトに基づいた設定だ。(文/高坂義信)


 

待望の新サイズ

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ヨコハマタイヤが4×4&SUVのためにリリースする「ジオランダー」シリーズ。オフロードタイヤフラッグシップモデルともいえる「ジオランダーM/T+」に、新たなサイズが追加された。純正サイズ……というより、LT規格の屈強なサイズ、さらにリフトアップカスタムにも対応する純正 +α の外径サイズをメインにラインナップする「M/T+」だが、今回のNEWサイズ『LT285/70R17』も、そのコンセプトに基づいた設定だ。

 

このサイズのメインターゲットはズバリ、FJクルーザーとJeep JKラングラー。この両車の、2~3インチリフトアップへのフィッティングを狙っている。

 

ちなみにFJクルーザーの純正サイズは265/70R17(または245/60R20)、JKは255/70R18(またはP245/75R17)。いずれも外径は800mmを超え、純正タイヤとしては出色の大径サイズを装着している。それゆえに、サスペンションなどでリフトアップすると、これまではそれに見合うジャストサイズが見あたらず、ほぼ純正サイズと同等か、とくにJKとなると、35インチ径の極端に大きなサイズを装着するしかなかった。

 

今回のLT285/70R17サイズは、外径836mmという設計だ。ほどよくリフトアップした両車に、スタイリング的なバランスもよく、またタイヤ幅も285サイズで、純正ホイールに組んだ場合ならフェンダー内に収まる。つまり、巨大なオーバーフェンダーを装着→ヘッドライトの位置変更……といった、法的な基準を満たすための手の込んだカスタムも不要。カスタマイズを、より手軽に楽しむという意味でも、このタイヤサイズの存在意義が光ってくるのだ。

 

注)FJクルーザーの場合、LT285/70R17サイズを純正ホイールに組むと、内側のサスペンションアームに干渉する可能性も報告されています。装着時は4×4プロショップに十分、ご相談を。

 

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インプレッション〜高いパフォーマンスを発揮

FJクルーザーやJKラングラーの純正よりひとまわり大きな、今回のLT285/70R17サイズ。すでに「ジオランダー」では、オールテレーンタイプの「A/T-S」に同サイズを設定しているが、スタイル的なバランスは良好。しかも一般的なオンロード走行ではタイヤの大径化によるエンジンや駆動系への負担を与えることもなく、スムーズでストレスのない走りを実現、そのアドバンテージは確認済みだ。

 

もちろん、そのサイズに「M/T+」の設定は待望されたもの。よりハードなオフロード・コンディションでのパフォーマンス、また荒々しいブロックによって構成されるトレッドパターンはワイルドそのもので、オフロード色の強いドレスアップという点でもニーズがある。

 

実際、いずれも50mm程度リフトアップされたFJクルーザーとJKラングラーに装着してみると、なるほど、ほどよく上がったボディに、それなりに稼がれたタイヤ径は、かなりバランスよく決まりスタイリッシュだ。アグレッシブな足もとは4×4らしさを演出し、全体がかなりたくましく見える。

 

走らせてみると、街乗りは意外と快適。タイヤのゴツゴツ感も少なく、ノイズも気にならないレベルだ。もともとジオランダーM/T+は、本格的なオフロード性能とともに、こうしたオンロード性能にも定評があるが、このサイズは、さらに洗練された印象。トレッド面を見ると、他のサイズと比べてブロックは入れるが見直されており、パターンの印象が若干異なる。ターゲットが明確なだけに、普段乗り性能にも配慮している、ということなのだろう。

 

続いて、その本領発揮の場、オフロードへと踏み入れてみる。FJ、JKとも標準空気圧に合わせているが、FJが220kPa、JKが240kPaと、その数値は近年の燃費指向を物語るように高め。それでもダートの乗り心地はマイルドで、かなり快適だ。もちろん装着車両のサスペンションチューンの妙……いずれもJAOSのバトルズ・サスペンションを装着……もあるが、タイヤの当たり自体も基本的にはソフトライドだ。ちなみにプライ数は8PRと、ケース剛性も高いのだが。

 

さらに、トレッドパターンは少々受ける印象が変わったものの、グリップレベルの高さは従来モデルより少しも損なわれていない。マッド路面、それに少し水を含んだモーグルなどで試してみると、サイドエッジが縦方向のトラクションをよくサポートしてくれているようで、斜めの乗り上げでも挙動が妙に乱れるようなこともなかった。

 

最後にロックセクションも試してみたが、やはり高めの空気圧では岩に対する反発が強い。ただし8PR、70扁平ということを考えても、空気圧を10~15%程度落としても問題なさそうだ。

 

車検など法的レベルをクリアしながらも、ワイルドなオフロードルックを実現、そしてオンロードからオフロードまで、幅広いフィールドで走りのパフォーマンスを高めてくれる、今回のジオランダーM/T+ LT285/70R17サイズ。FJクルーザー、そしてJKラングラーオーナーの、これからの定番タイヤになってくれそうだ。

 

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ジオランダーM/T+に新設定されたLT285/70R17は、ズバリ、リフトアップ・カスタムされたFJクルーザーとJKラングラーがターゲット。シンプルなカスタムで済み、しかもエンジンや駆動系に負担のないサイズで、個性的なモディファイを楽しめる。

 

GEO_ヒルクライム_FJ

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ヒルクライムにチャレンジ。タイヤの基本的なグリップを確かめてみると、約25度の登り途中からの発進で少し空転があるものの、一度路面を噛むとパワフルにスピードに乗せてくれた。

 

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水分をたっぷり含んだマッディなモーグル走行。こぶを斜めから乗り上げようとするとタイヤの横滑りが起きやすいが、M/T+はしっかりとグリップ。また下りの場面でもリアが滑り出してしまうこともなく、思い通りのラインを通ることができた。

 

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M/T+の従来サイズと比べるとブロックの配列が見直され、ブロックの大小がより明確になったのが特徴。ピッチによりラグ角度の変化も大きくなったが、トラクションレベルは変わりなし。セルフクリーニングもひと転がりでOK!

 

GEO_0343_ダート

両車とも標準空気圧は高め、タイヤも8PRのLT規格ということで、ガチガチした乗り味かと思いきや、ダートでは基本的にソフトな乗り心地で、走りは快適そのもの。サスペンションとのマッチングもあるが、ファミリーで林道……も、積極的に楽しめそうだ。

 

GEO_街

市街地の走りも意外と軽快。とくにJKラングラーは、35インチ径タイヤなどは履かせてしまうともっさりした印象になってしまうが、このタイヤサイズならキビキビ走ってくれる。ワイルドなルックスも演出でき、4×4らしい存在感に。

 

GEO_0815_オンロード

M/T+のゴツゴツ感のないスムーズな乗り心地、静粛性の高さは定評のあるところ。このサイズでは、オンロードの乗り味がさらに洗練された印象がある。ウェット路でのグリップ、操縦性の高さもオールテレーンタイヤのレベル。

 

GEO_9735_ロック

標準空気圧のままでは少し反発が強い。が、ソフトなトレッドが岩をとらえる様子はうかがえた。本格的に走るには少し空気圧を落とすといい。それができるのもLT規格のM/T+のいいところ。70扁平というのも、こういったシーンで安心感がある。