【紹介/試走】レンジローバー スポーツ HSE
2015.7.3
-
-
プレミアムSUV
-
LAND ROVER
-
2代目は正真正銘のRR直系モデル
初代モデルのデビューが2005年、そして現行型は2013年にフルモデルチェンジされた2世代目となるレンジローバースポーツ。
初代モデルは、当時のディスカバリー3のプラットフォームをベースにした、やや”急造した”感の強いモデルだったが、2世代目は、同時期に開発 されたレンジローバーとプラットフォームを共有し、独自の外観デザインも与えられた名実ともに”RANGE ROVER”の派生モデルらしいスポーツツアラーとなっている。
現在日本で販売されるレンジローバースポーツには、レンジローバーと同様、グレードによって5リッターV8と3リッターV6(いずれもガソリンDOHCスーパーチャージド)エンジンが用意されている。
ちなみにヨーロッパでは2種類の3リッターV6ディーゼルの他、ハイブリッド・ディーゼルや4.4リッターV8ディーゼル、そして2種類の5リッターV8スーパーチャージドガソリンまで、豊富な選択肢がラインナップされている。
日本仕様車のグレードは標準の「SE」(3リッターV6)、中間の「HSE」(3リッターV6)、最上級のオートバイオグラフィー・ダイナミック(5リッターV8)の3タイプで、今回の試乗車はHSE、つまり3リッターV6スーパーチャージドガソリン搭載車である。
最高出力340PSを誇るV6は、スーパーチャージャーのメリットでもある低回転域からモリモリ湧き上がるトルクを活かして、圧倒的な加速を見 せる。同じエンジン+ATを搭載するレンジローバーVOGUE(標準ホイールベース車)より明らかに軽快に走れるのは、車重が90kgほど軽量であること よりも、サスペンションの違いにありそうだ。
2トン超の、けっして小さくないボディーをキビキビと走らせ、メリハリのあるドライブが可能なタイトな脚まわりは、スポーツと謳うだけのことはある。
走行性能の面でレンジローバーと大きく異なるポイントは、やはりこのサス形式の違いと、トランスファー、つまりローレンジの有無、ということになりそうだ。
ただし、最上級グレードの「オートバイオグラフィー・ダイナミック」には2速トランスファーが装備されており、このモデルが単に2速トランスファーを省略してオンロードモデルとしたワケではないことが窺われる。
レンジローバーにエントリーモデル的な「イヴォーク」が加わり、これと同じ2リッターエンジンを搭載する「ディスカバリースポーツ」が生産終了したフリーランダーの後釜となり…と、ランドローバー・ファミリーの中でも各々のポジションが微妙な昨今。
メーカーが考えるその役割、住み分けがどの程度ユーザーに浸透するのかにも注目していきたい。
【エンジン】
最高出力250kW(340PS)/6,500 rpm、最大トルク450Nm(45.9㎏m)/3,500 rpmを発生する3リッターV6・DOHCスーパーチャージドガソリン。0-100㎞/hは7.2秒をマークする。
【インパネ】
インテリアは、素材や色の組み合わせの選択肢が多く、照明も含めて高級感の演出はさすが。
【メーター】
大型アナログメーターをメインとするメーターパネル。視認性に優れたスポーティーなデザインは、飽きのこないシンプル路線。
【駆動システム】
ATは8速で、コマンドシフト(マニュアルモード)付き。シフトレバー後方のセンターコンソール部には、テレイン・レスポンス2の切り替えダイヤル、車高調整スイッチ、走行モードスイッチ等を配置。
【カーゴ】
サードシートはオプション。荷室はタイヤハウスの出っ張りがなく、フラットなフロアで荷物の収まりが良い。
●SPECIFICATION…レンジローバースポーツHSE/全長x全幅x全高:4,855×1,985×1,800㎜/ホイールベー ス:2,920㎜/定員:5(7)名/エンジン形式:V6・DOHCガソリン・スーパーチャージド/排気量:2,994㏄/最高出力 250kW(340PS)/6,500 rpm/最大トルク450Nm(45.9㎏m)/3,500 rpm/トランスミッション:8速AT/駆動方式:電子制御式フルタイム4WD/サスペンション:前ダブルウィッシュボーン式エアサス・後マルチリンク式 エアサス/ブレーキ:前後ベンチレーテッド・ディスク/ステアリング形式:ラック&ピニオン/タイヤ: F:255/55R20/メーカー希望小売価格(消費税8%込)9,290,000円