【紹介/試走】LAND ROVER RANGE ROVER VOGUE
2016.3.18
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プレミアムSUV
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LAND ROVER
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伝統踏まえつつ最先端
「VOGUE(ヴォーグ)」は、340PS/380PSの2仕様の3リッターV6搭載車とそのロングホイールベース版(380PS)、そして5リッターV8(510PS)搭載車の4タイプ。
「Autobiography(オートバイオグラフィ)」は、5リッターV8(510PS)搭載車と、そのロングホイールベース版の2タイプ。
そして、この2016年モデルから追加となった最上級モデルの「SV Autobiography(SVオートバイオグラフィ)」は、5リッターV8 (550PS)搭載のロングホイールベース車が用意されている。
エンジンは全てDOHCガソリンのスーパーチャージャー付きで、欧州圏では設定のある(と言うよりは、むしろ主流となっている)クリーンディーゼル搭載車の導入は見送られている。
今回の試乗車はVOGUEのロングホイールベースモデル、380PS仕様の3リッターV6搭載車だ。ロングホイールベースモデルとは、標準の2,920mmに対して3,120mmのホイールベースを持ち、ゆったりとした足元スペースや、メモリー機能、シートヒーター等を標準装備する快適なリアシートにこだわった仕様となっており、主にリアシートに座るオーナーに向けたモデルとも言える。
車重は約2.4トン、全長約5.2mの大柄ボディーにもかかわらず、発進時から軽快で、立ち上がりのシャープなスーパーチャージャー付きV6の余裕を感じる。
ただ、3m超のホイールベースゆえ小回りは利かず、最小回転半径6.4mと、狭いコインパーキングや路地では苦労しそうだが、そもそもこのモデルのフィールドとしては想定外かも知れない。
サスペンションは前後クロスリンク式の電子制御エアサスで、走行状況に合わせて常にダンピングレートや車高が最適化される先進の脚である。とりわけその効果を感じるのが急カーブや旋回時。直進時はゆったりとしたしなやかな乗り心地を維持しながら、コーナーではしっかりと踏ん張る。
もちろん、コーナリング時にはエンジン回転や各輪のブレーキ制御等によってスタビリティー確保のためのコントロールが自動的に行われるので、この秀逸なコーナリング性能はサスペンション制御のみによるものではない。
しかし、「さすが!」と思わせるのは、前後コイルスプリングのリジッドアクスル(車軸懸架)だったクラシック・レンジの頃の大型船のようなソフトな乗り味をイメージさせつつも、不快(不安)なロールはきっちり抑制し、安定した状態を常に維持するところだ。
また、コマンドスタイルと呼ばれるドライビングポジションやローレンジ付きの2速トランスファー、センターデフ式のフルタイム4×4システム等、キモの部分の基礎には伝統的なテイストが受け継がれており、古くからのレンジローバー・ファンもこんなポイントに魅力を感じるのだろう。
【エンジン】
最高出力280kW(380PS)/6,500 rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/3,500 rpmを発生する2,994cc V6・DOHCスーパーチャージドガソリンエンジン。
【インパネ】
機能的でありながら、優雅かつゴージャスなインテリア。伝統の視界良好なコマンドポジションは、今も変わっていない。
【シート】
オックスフォード・レザーを使用した肌触りの良い、ホールド性にも優れたシート。フロントシートにはヒーター&クーラー、リアシートにはシートメモリー機構、シートヒーターを標準装備。
【テレイン・レスポンス2】
ドライバーが走行ステージに合わせて任意に走行モードを選択できるテレイン・レスポンス2。ギア選択や各種制御がステージに合わせて最適化される。
【荷室】
荷室容量は909リットル。リアシートを折りたためば、さらに広大なスペースが出現する。ただし、オプションのマッサージ機能付きリア・エグゼグティブクラスシートは折りたたみ不可だ。
【車両本体価格】
ランドローバーレンジローバー
メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
VOGUE
3.0 V6 SUPERCHARGED
(340PS) ¥13,390,000
(380PS) ¥14,520,000
(380PS)LWB ¥15,150,000
5.0 V8 SUPERCHARGED
(510PS) ¥16,170,000
AUTOBIOGRAPHY
5.0 V8 SUPERCHARGED
(510PS) ¥18,060,000
(510PS)LWB ¥19,000,000
SVAutography
5.0 V8 SUPERCHARGED
(550PS)LWB ¥28,580,000
文/内藤知己 写真/山岡和正