さり気なき『オールラウンダー・ジムニーノマド』〜 SAS齋藤オートサービス

2025.10.13

    • カスタムカー
    • スズキ

家族を乗せて、快適な日常そしてアウトドアライフを!

昨年40周年を迎えた齋藤オートサービス(千葉県)が
ジムニーノマドのデモカーを作り上げた。
一見するとノーマル然としたノマドの足下を覗いてみると…、
職人の魂が宿った上質な走りを提供してくれた

 

創業41年を迎えた同店の主人は
頼れる兄貴!

1984年に創業した齋藤オートサービスは、齢41年を数える老舗四駆ショップだ。ついでながら、私(筆者)は4x4MAGAZINEへ入社(1995年)からのお付き合いだから、30年と言うことになる。
 
同店の扉を開けると大きなテーブルの一角へ。まずはコーヒーで一服させて頂きながらが常なのだが、齋藤さんには多くの話を聞いていただいた。結婚、第一子誕生、子供たちの教育のこと、父をあの世へ送った日のこと……。私にとっては、まさに頼れる兄貴という存在なのだ。そんな齋藤さんを慕うお客さんは多く、皆一様に、タバコを燻らしながらカスタム談義に花を咲かす、これが齋藤オートサービスの一貫したスタイルだ。
 
そしてこの “一貫したスタイル” は、クルマ作りにも存在する。「羊の皮を被った狼」という表現がピッタリで、一見するとノーマル然としたフォルムからは想像もつかないような、確かな走破性と走行性能に上質さが加わり、愛車はいつしか頼れる相棒となってしまうのだ。
 
そんな同社が、早くもジムニーノマドのデモカーを作り上げた。クルマの詳細な紹介は、後日取材&公開予定の動画(YouTube「4x4MAGAZINE」チャンネルにて公開)に譲らせて頂くとして、ここではデモカーの概要をお伝えしよう。

 

家族を乗せてツーリングやキャンプ
そして、快適な “日常生活の足” がデモカー作りのテーマ

「道なき道を行く5ドアジムニー=ノマドに家族を乗せて」。そんな夢や希望を描き、まだ試乗すらしたことのないノマドをオーダーしたオーナーさんは、とても多いはずだ。
 
そんなオーナーたちへ向け、齋藤オートサービスのデモカーはカスタマイズされた。
 
外観こそノーマル然とした出で立ちだが、腹下を覗き込めばチューニングが施されたサスペンション周りが目に飛び込んでくる。1.5インチアップコイル+可変式ツインチューブダンパー(車高調整式)をはじめ、調整式ラテラルロッドやトラクションリンクが装着され、これを見ただけでも走りへの興味が湧いてくるというものだ!
 
早速、試乗へ。1.5インチ車高がアップされた視界の違和感はなく、むしろ見切りが良くなった。これなら、これまで乗用車一辺倒だったオーナーにとっても、すぐに慣れてしまうことだろう。そしてこの違和感のなさは、走りにも当てはまる。適度な硬さがコーナーに差し掛かってもヨレを感じさせないため、ジムニー・カスタム初心者の方でも、臆することなくごく “普通” に乗り回すことができるだろう。
 
後部シートにも座らせてもらった。道路の継ぎ目やちょっとした段差を乗り越えても、サスペンションが入力をしっかりと吸収してくれているため、とても快適だ。前方を見ることなく、変わりゆく車窓の景色を楽しむことができる、そんな印象だ。
 
「5ドア・ジムニーに家族を乗せて、ツーリングや林道、キャンプが楽しめるクルマ作りを目指しました。もちろん、買い物や送迎といった日常の足として使う奥さんにも配慮してね(笑)」。さり気なくカスタマイズされたジムニーノマドは、いたって “普通” に乗りこなせながらも、ステージを選ばぬ走りを手に入れた。
 
これまで4x4MAGAZINEでは、齋藤オートサービスが手がけたジムニー(JB64)やシエラ(JB74)をご紹介させて頂いたが、このジムニーノマドの登場によって、3兄弟すべてが出揃うこととなった。多くは一見するとノーマル然としたものだったが、例えばキャリアを搭載したキャンプやアウトドア仕様をはじめ、街中で目を惹きたいドレスアップ仕様、そしてウインチを搭載した本格クロカン仕様…など、ジャンルに捉われることなく、まずは相談して欲しい。“頼れる兄貴” が、アナタだけの一台に仕立てあげてくれるはずだ!
(文・写真:水島 仁)

 

扱いやすいリフトアップ量で、乗員に “優しい” を実現

1.5インチアップコイルと可変式ツインチューブを採用するショックアブソーバー、調整式ラテラルロッド、トラクションリンク(ロアアーム)はいずれも同社のオリジナル。
控えめなリフトアップ量はジムニー・ビギナーという方にとっても極々普通に扱うことができ、その乗り味はとても優しい。そして日常の足として使うことが多い女性ドライバーも、街乗りに快適性を感じるはずだ!

 

オリジナルスポーツマフラー

純正バンパー下に姿を現しているマフラーは、同社のオリジナル品だ。スポーツマフラーが奏でる静かな重低音は、車内の会話に影響することは一切なく、届く音質はとても心地が良い。
「マフラーも換えていたんですね!」と、どこまでも控えめなカスタムは、いかにも齋藤オートサービスらしい。

 

マルチな走りを提供

デモカーであるこのジムニーノマドのカスタムコンセプトは、「家族で街乗りから林道、キャンプ…が楽しめるクルマ」であること。
これを実現せんがため足下は、タイヤはGEOLANDAR A/T G015(235/70R16)を、そしてホイールには軽量なRAYS A LAP-Jを装着する。

 

兄貴肌の職人が、四駆を手掛ける!

昨年、創業40周年を迎えたSAS 齋藤オートサービス。この千葉県の老舗四駆ショップ代表 齋藤さんは、「ないものは作る!」がまるで口癖のような職人気質。ジムニーをはじめ、古くはハチマルやパジェロオーナーが多く訪れ、齋藤さんは “走る四駆” を作り続けてきた。兄貴! とつい頼りたくなってしまう人柄こそ、最大の魅力かも!!

公式サイト

http://www.4wd-factory.com/