【紹介】ハイラックス・ヴィーゴ

2014.12.31

    • 四輪駆動車
    • トヨタ

rokky_オコシ

 

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rokky_フロント全景

パッケージングはダブルキャブタイプ。全長は5260mm、全幅は1860mmだが、曲がりやすさを感じるステアリングフィールと、視界の良さから、扱いにくさはあまり感じなかった。

ディーゼル”ヴィーゴ”を街中で駆る

ハイラックス・ヴィーゴに対して、かつてのハイラックスピックアップのイメージを重ねている人は、一回リセットしたほうがいいかもしれない。それくらいハイラックス・ヴィーゴの走りは洗練されている。もちろん、ラダーフレーム付きボディ、リアのリーフリジッドサスペンションなど、いわゆるピックアップトラックに必須とされる構造は変わっていないが、そこから連想されるような乗り味の悪さも、もはや見当たらない。

 

と、いきなり結論を述べてしまったが、それほどに、ハイラックスヴィーゴの走りはいい。たとえば、エンジン。以前、ハイラックスサーフやプラドにも搭載されていた1KD型3.0Lディーゼルターボは、ディーゼルらしさであるトルク感に満ちているだけではなく、最大トルクを1400回転から発生させていることからも分かるように、低回転から扱いやすさがある。発進時は、軽くアクセルペダルを踏み込んだだけでトルクが立ち上がり、ターボによる唐突なトルク変動を感じさせぬままに、スーッと加速していく。ストップ&ゴーの多い市街地、さらには渋滞であっても、必要とされる分だけパワーを発生させるため、まさにスムーズなドライビングが可能だ。もちろん、中回転域のトルクも豊かであり、高速道路であっても先行車を軽々と追い越していけるポテンシャルを持っており、スピードメーターに気を配っていないと法定速度を突破してしまいそうなほどだ。

 

乗り心地は、テストドライブではカメラマンが同乗し、少しの撮影機材を積載しただけだったが、フロントはもちろんのこと、リアのリーフリジッドサスは路面をしなやかにトレースし、そこにピックアップトラック的な跳ねるフィーリングなどは全く見当たらなかった。むしろ、そのゆったりとした乗り味に、快適性を強く覚えた。

 

以前よりもボディサイズは大きくなっているが、ガラスエリアが広く視界がいいことも手伝って、感覚として、扱いやすさがあった。今回のテストドライブでは、道を誤って都内の商店街に入り込んでしまったのだが、そんな狭い道、さらにはその交差点であっても気を遣うことはあまりなく、切り返しをするような場面はなかった。もちろん、全長は5260mm、全幅は1860mmと、絶対値はあるため、その分だけは気を遣ったが……。

 

さて、運転しやすさだけを特筆したが、実はドライビングプレジャーもとても高いことをお伝えしておきたい。もちろん、細かなことを言えば、ピックアップトラックなりの曖昧さはある。しかし、ディーゼルエンジンがもたらす中回転域のトルク感や、不足ないレスポンス、そしてしなやかな足回りは、ワインディングドライブまでも楽しくしてくれる。

 

ちなみにディーゼルエンジン特有のガラガラという燃焼音、そして、フロアやステアリングから伝わる振動は……、存在する。しかし、かつてのレベルと比較すればかなり抑えられているし、何よりも先に語った楽しさを感じると、全く気にならなくなるはずだ。

 

スタイルだけではなく、走りも、そして経済性も期待できる。まさに、今こそ、乗っておきたいモデルだ。

 

rokky_リア全景

ホイールベースは3085mmと長いが、その分ベッドサイズは奥行き約1470mmと十分なサイズを確保している。取材車両の3.0G4x4は、オーバーフェンダー(標準装備)を採用。

 

rokky_インパネ

インパネは、以前よりも乗用車的なテイストとしており不満は少ない。テスト車両はトップグレードの3.0G 4×4で、本革巻きステアリングホイールやオプティトロンメーターを採用。ロッキーで扱うモデルは、生産国のタイではオプションとなるヒーターも取り付けられている。ナビはオプション。

 

rokky_シフト

ATシフトは、ゲート式を採用しており、積極的なシフト操作にも対応。ATは5速を採用しており、高速走行も難なくこなす。4WDは、ローレンジ付きパートタイム式で、その操作はトランスファーレバーによって行う。

 

rokky_エンジン

エンジンは直噴ディーゼルターボで、排気量は3.0L。低回転から軽々と回るフィーリングに、かつてのディーゼルエンジンの重たさはない。ロッキーでは、日本のディーゼル規制に適合させており、日本どこでも登録することができる。

 

rokky_タイヤ

取材車両はタイヤサイズは265/65R17、ホイールは17インチアルミタイプを採用。タイヤのグリップ感、また、乗り心地はまったく不満なく。むしろ、このサイズをよく抑え込んでいることが好印象。

 

rokky_fステップ

フロントサスペンションはコイルスプリング+ダブルウィッシュボーン式。アッパーアームを高い位置に配置することで、ストローク量を確保し、アライメント変化を抑えている。

 

rokky_r

リアサスペンションは、リーフスプリング+リジッドアクスル式。ベッドに荷物を載せていない状態でも乗り心地に硬さは見られず、むしろしなやかに動くことが印象に残った。