【紹介・試走】トヨタ・シエナ

2015.2.3

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    • トヨタ

roksiena_イメージ

 

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アメリカン・ミニバンの登場

日本におけるミニバンは、おおまかに分類すると5ナンバーサイズを基本としたスタンダードタイプと、ゆとりを与えたラージタイプがあるが、アメリカにおけるミニバンの主流は日本のラージタイプを超えたビッグサイズモデルだ。そのトピックは言うまでもなく、サードシートであってもスペースにゆとりがあふれるサイズ感にある。

 

今回、紹介するトヨタ・シエナもそんなアメリカ流のミニバンだ。シルエットを眺めると、日本で販売されているトヨタ・エスティマを重ねたくなるが、シエナのボディサイズは全長5085mm、全幅1983mmと、エスティマよりも250mm以上長く、150mm以上も広くなっている。そのサイズは、いわゆるアメリカンフルサイズSUV & ピックアップトラックに近いと表現するとイメージしやすいかもしれない。ただし、サイズが似ているといっても、このシエナのプラットフォームはFFベースであり、FRベースとなるSUVやピックアップトラックよりも、キャビンスペースは広く、ボディサイズから想像する以上の居住性をもっている。セカンドシートはスライド機構により、広過ぎると表現したくなるほどの足下スペースがあるし、サードシートは足下スペースはもとより座面長もしっかりと確保してある。もちろん、ボディサイズがもたらすワイド感はまさに広々としか表現しようのないスペースを実現しており、さまざまな制約の中で作り込まれた日本のミニバンにはない、余裕ともいえるゆとりを感じる。

 

ただ、これまでのアメリカのミニバンは、質感という面では、日本製ミニバンに届いていなかったのも事実で、特に、高級感を謳うには装備から走りにおけるまで不満があった。しかし、アメリカでも、ミニバンに高級車テイストが求められるようになり、このシエナも最新となる2015年モデルで、インテリアや走りにおける質感を大きくブラッシュアップした。ちなみに取材車両は、スポーティグレードのSEで、サンルーフやスマートキーシステムなどを備えたプリファーパッケージ付きとなっている。

 

搭載されるエンジンはV6/3.5Lで、6ATを組み合わせて、2tオーバーのボディを軽快に走らせる。ロングホイールベースがもたらす安定感、アッパークラス感を狙った走り、そしてハイレベルのボディ剛性など、トピックは数多いが、いずれも高級を語るに相応しい内容となっている。気になる取り回しは、ボディそのものは大柄であっても、タイヤの切れ角を大きく確保しているため、意外にも小回りが利くことがポイントだ。試乗したSEは、ステアリングフィールに重厚さが与えられ、また、正確さを高めたシャシーも手伝って、スポーティテイストを強く感じ取れる。とは言っても、快適性を優先するミニバンらしく、235/50R19サイズのタイヤを採用していても乗り心地に少しのコトコト感を許すだけで、スパルタンに繋がるような不快感は見当たらない。

 

皆とは違うミニバンに乗りたい、快適性をさらに求めたい、そう思っている人には、満足できるミニバンだ。

 

roksiena_メイン

 

roksiena_インパネ

2015年モデルでデザインを大きく変更したインパネ。高級車を感じさせるテイストだけではなく、ドライバーに対してコクピットたるデザインを提供していることもトピック。ステアリングホイールもデザイン変更を受けている

 

roksiena_メーター

SEに採用されたメーターはスポーティテイストを表現。センターには4.2インチカラーマルチインフォメーションディスプレイを配置する。

 

roksiena_エアコンパネル

オートエアコンは、フロントシート左右だけではなく、リアセクションの温度も独立して設定することが可能。リアシート用の操作パネルにはセカンドシート(左側)のルーフ部にも配置。

 

roksiena_メーターフード

メーターフードやグローブボックスリッドなどには、ステッチデザインを施したソフトタッチパッドを採用。デザインだけではなく、マテリアルによる高級感もポイントとなっている。

 

roksiena_ラゲッジルーム

ラゲッジ容量もまさにアドバンテージ。セカンドシートをチップアップさせて前方へとスライド、サードシートをフロア下へと格納することで、フラットかつ広いスペースが出現する。

 

roksiena_フロントシート

そのサイズ感はもちろんだが、適切なサポート感により、体をしっかりとホールドしてくれるフロントシート。シートヒーター付きとなる。

 

roksiena_2ndシート

セカンドシートはフロント同様にゆとりあるサイズがトピック。スペースとしては3名分が用意されているものの、センター部(取り外し可能な)はエマージェンシィ的。

 

roksiena_3rdシート

乗り心地については、セカンドシートよりもコツコツ感は強くなるがサードシートであっても座面長、足下スペースに不足なく。ロングドライブにも対応可能。

 

roksiena_ヘッドライト

ヘッドランプの形状そのものは変わっていないが、2015年モデルよりLEDデイタイムランプが装備され、精悍さを強めている。

 

roksiena_タイヤ

SEでは、スポーティな走りを求めて235/50R19サイズのタイヤを標準装備。アルミホイール(もちろん19インチ)は、ガンメタリック塗装の6本スポークタイプ。

 

roksiena_エンジン4528

V6/3.5Lエンジンは266hp/6200rpm、245lb-ft/4700rpmを発生。軽快な吹け上がりと、フラットなトルク特性により、快適性とゆとり、さらにスポーティさも手に入れている。

 

roksiena_フロント全景

SEでは、スポーティデザインのバンパー、スポーツメッシュ+クロームの縁取りを採用したグリルなど、スポーティテイストを表現している。

 

roksiena_リア全景

フロント同様に、スポーティな演出を施したリアビュー。クリアタイプのテールランプやボトムをスポイラー形状としたリアバンパーなどをトピックとする。