【Rubber Sole】ALENZA(アレンザ)LX100 BRIDGESTONE

2023.5.8

    • タイヤ
    • Mercedes Benz

高い静粛性としなやかな乗り味で
プレミアムSUVの走りをより上質に演出

SUV専用のプレステージタイヤとして登場したブリヂストン「ALENZA」シリーズ。
そのラインナップは、快適性重視の「ALENZA LX100」、
そしてスポーツ走行にも対応する「ALENZA 001」の2タイプ。
今回は前者、LX100をメルセデスベンツGLEに装着し、ロングドライブに出かけてみた。

 

快適に、スポーティーに。2タイプ揃ったALENZA

ブリヂストンの4×4・SUV専用タイヤといえば、「DUELER(デューラー)」シリーズがおなじみ。マッドテレーン系、オールテレーン系、そしてハイウェイテレーン系と、そのラインナップは万全の構えだが、さらに近年、SUV志向の高まりや、ハイパフォーマンスSUVの人気を受け、もう1つの4×4・SUV専用ブランドが誕生した。「ALENZA」シリーズがそれだ。
 
コンセプトはズバリ、オンロードでのパフォーマンスアップ。オフロードも含め、オールラウンドな機能性アップを狙ったDUELERシリーズに対し、ALENZAシリーズは日常から高速道路までの快適性や、ワインディング路での安心感を追求したタイヤなのだ。
 
シリーズは、上質な乗り味を重視した「ALENZA LX100」と、快適性に加えスポーティーな走りにも対応する「ALENZA 001」、2タイプのタイヤで構成。今回は試乗車にメルセデスベンツGLE 4MATICをチョイスし、LX100と組み合わせ、ドライブに出かけた。
 

滑らかな乗り味が、洗練された走りを実現

GLEに装着したタイヤサイズは275/50R20、つまり純正に即したサイズだ。
 
LX100は欧米のプレステージSUVやハイパフォーマンスSUVをターゲットしているだけに、サイズは22〜15インチまで、全49サイズも揃えているのが特徴。もちろんロープロファイルのサイズだけでなく、ランドクルーザーやプラドといった本格4×4、またデリカなどに対応するサイズも選べるし、ジムニーやジムニーシエラなど小型4×4もしっかりサポートしている。4×4・SUVユーザーでも、ほとんどオフロードは走らない、むしろ日常の快適性を大事にしたい……という、幅広いユーザー層が選びやすい設定なのだ。
 
さて、まずは街中のドライブを楽しんでみる。乗り味はしなやかで、上質なGLEの乗り味をさらに洗練してくれているよう。いい意味で、タイヤが主張しないから、ドライブしていてもまったく違和感なく、タイヤを換えているんだよ……と、言われなければ気づかないだろう。
 
ただ、このタイヤのアドバンテージが垣間見れたのは、舗装の傷みかけたザラザラの路面や、つぎはぎだらけの舗装路面。基本的に当たりの穏やかなトレッドが、そういった路面でもしなやかに包み込んでくれるような印象で、ステアリングにイヤなザラザラ感や突き上げを感じさせない。あくまで滑らかなフィーリングで走り抜けてくれるのだ。LX100が、GLEの走りをさらに洗練させてくれた瞬間だ。
 

最大のアドバンテージは、静粛性の高いクルージング

高速道路に入ってからは、やはりトレッドの当たりの柔らかい、滑らかな乗り味が際立ってくる。もともとこういったシーンでは持ち味を存分に発揮してくれるGLEだが、LX100はそのポテンシャルを、一段も二段も引き上げてくれる印象だ。滑らかに走ってくれながら、ステアリングはピシっと引き締まっていて直進安定性は良好、加速・減速にも違和感ない。レーンチェンジも、挙動はとても自然。何度も書くようだが、いい意味で、タイヤの存在感を主張し過ぎていないから、ロングドライブも疲れ知らずでこなしてくれるだろう。
 
タイヤが主張しない……それはまた、LX100の静粛性の高さにもよるものだろう。そう、とにかくタイヤノイズをまったく感じさせない。もちろんGLEの車内への遮音性の高さにもよるのだろう、低速〜中速域ではタイヤが路面を捉えていることさえ頭に浮かんでこない。また高速道路ではタイヤの転がり音というより、前面投影面積の大きい(セダンやスポーツカーに比べれば)GLE自体の風切り音の方が目立つほど。このあたりが、ALENZA LX100を “プレミアム・コンフォートタイヤ” と呼びたくなる理由なのだ。
 

SUV専用チューニングで、どんな路面でも快適に

そして高速道路を降りたら出会う、リゾート地に向かうワインディング。しっかり手応えのあるLX100のドライバビリティーは、ここでも健在だ。
 
ブリヂストンにはプレミアムサルーン専用タイヤとして「REGNO(レグノ)」シリーズを展開しているが、ALENZA LX100はその、SUV向け仕様といったイメージ。そう、車高が高くロールポイントも高いSUVのために、タイヤサイドの設計が強化されているのだが、それが功を奏し、GLEのようなスタイルのクルマでも、違和感のないコーナリングを実現してくれる。ここでもハンドリングは極めて自然なので、タイヤの存在感をあまり感じさせないが……。
 
今回はラフロードに踏み込むことはなかったが、幅広いサイズ設定のLX100には、70扁平、80扁平といったハイトの高いサイズも用意される。もちろん組み合わせられるのは本格4×4がメインだが、そういったサイズなら河原などにも安心してアプローチできるだろう。
 
上質で快適なパフォーマンス、安心のクルージング性能、そしてロングライフ性にも考慮しているというALENZA LX100。愛車の走りのステージを引き上げてくれること、間違いナシ!だ。
(文章:高坂義信/写真:佐久間 清人)
 

最新のサイレントテクノロジーを搭載した方向性のあるトレッド。イン側とアウト側で異なる形状の3Dノイズ抑制グルーブを採用、“ダブルブランチ型消音器” によってさらなる静粛性向上を実現。また摩耗時でも高周波ノイズを抑制するシークレットグルーブも。非対称パターンは高い耐摩耗性にも貢献。

 

SUV専用タイヤとして高次元の剛性を確保するサイドウォールを採用。ロールポイントが高く、しかも荷物をたくさん載せる機会も多いSUVのふらつきを抑制する。
 

 


ALENZA LX100と組み合わせたのはメルセデスベンツGLE 450 4MATIC。メルセデスのSUV、GLシリーズではミドルレンジの存在だが、内外装のプレミアム感、走りの上質さで、日本ではもっとも人気のあるモデル。タイヤサイズは純正相当の275/50R20。
 


ALENZA LX100で、最も印象的だったのが静粛性の高さ。トレッドの路面への当たり自体がしなやかでパタパタ感もないし、トレッド自体が風を切るような音も抑制されている。街中やワインディング、高速道路でスピードが乗っても、その印象は変わらなかった。
そして、乗り味はしなやか、の一言。舗装の悪いザラついた路面や、つぎはぎだらけの舗装路も滑らかにこなし、ステアリングに伝わるイヤなフィーリングがない。こういった乗り心地が、ロングドライブの披露も低減してくれるはずだ。
 


乗り心地はしなやかでありながら、走り自体は直進安定性が高く、しっかりとコシ(剛性)がある。ワインディングでは車高の高いクルマにありがちなふらつく感覚もなく、身のこなしはとても自然だ。重量のある荷物を載せても、足もとからそれを支えてくれる感覚だ。
 

取材協力

メルセデス・ベンツ中野
(宮園輸入車販売株式会社)
 

公式サイト

https://tire.bridgestone.co.jp/alenza/