【Rubber Sole】GEOLANDAR M/T G003 & X-AT

2021.4.7

    • タイヤ
    • スズキ


ジムニーサイズ充実!
“2つのジオランダー” その実力を斬る!

1996年に誕生した4×4・SUV専用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」。
本格オフロード向けのマッドテレーンから、環境志向のエコタイヤまで、そのラインナップは盤石だが、今回はそんな中、人気のジムニーに向けた2タイプのタイヤをチェック! 
さて、キミならどちらを選ぶ?

 

 

今年、ブランド誕生から25周年を迎えた、ヨコハマタイヤ「ジオランダー」シリーズ。4×4・SUVタイヤのスペシャリストとして、本格オフロードタイヤであるマッドテレーン(MT)タイヤから、オールラウンド志向のオールテレーン(AT)、さらに環境に配慮したエコタイヤまで、そのラインナップを強固に構築。また長年に渡り多くのユーザーに愛されることで、そのパフォーマンスを飛躍的に進化させてきた。
 
今回は、そんなジオランダー・シリーズの中でも、とくに注目したい2タイプのタイヤをピックアップ、再検証してみることにした。組み合わせるのは、こちらも今、注目の一台、ジムニーJB64だ。さて、ジムニーにふさわしいのはどちらのタイヤだろう? そんなことも併せて考えてみたい。

 

リフトアップ・ジムニーにぴったりの
195R16Cを揃えるX-ATとG003

さて、ピックアップしたタイヤ、1つは「ジオランダーX-AT」だ。MTのようなアグレッシブなルックスと、ATならではの快適性を両立させた “エクストリームなAT” として昨年デビューして以来、たちまち大きな支持を集めてしまったモデル。ジムニー向けには195R16Cというサイズを設定していたが、今回、その195サイズにアウトラインホワイトレター仕様が設定された! 新進のユーザーも多いジムニー乗りにとっては、まさに朗報。今回は30㎜アップサスペンションを組んだ、『コンドーオート』のプロデュースするコンプリートカーに装着して実走行してみる。
 
そして、もう1つのタイヤは、ジオランダーのフラッグシップモデル、本格オフローダーから絶大な信頼を集めているMT、「ジオランダーM/T G003」だ。荒々しいブロックパターン、サイドにも大きなブロックが配置されたルックスは、X-ATにも増してワイルドそのもの。実際には泥や岩の走破性を得たいユーザーだけでなく、ドレスアップ志向のユーザーが選んでいる例も多いのだという。今回のサイズは、X-ATと同じ195R16Cを選択、こちらは20㎜アップサスペンションを採用する『アピオ』のコンプリートカーに装着した。
 
ちなみにM/T G003はそれ以外のサイズとして、純正の175/80R16や185/85R16LT、さらにフェンダークリアランスの大きなJB64なら205R16Cや6.50R16LTそしてLT215/70R16(※1)など、ジムニー対応サイズを多数、揃えているのも特徴だ。
 
※1)タイヤ大径化によるフェンダークリアランスについては、四駆ショップへご相談下さい。

 

快適性・操縦性の高いX-AT
G003のオンロード性能にも満足

では早速、2台のジムニーJB64を乗り比べてみよう。まずオンロードでは、やはりX-ATの静粛性の高さと直進安定性の高さが光る。乗り心地も見た目からは想像できないほど滑らか、ワインディングではステア時の手応えがしっかりしていて、挙動も安定。グリップレベルの高さが確認できる。
 
一方、M/T G003も、MTタイヤにありがちな唸るようなタイヤノイズがほとんどなく、またゴツゴツした印象もないので、オンロード・クルーズは十分、満足できるもの。ワインディングではX-ATほどの挙動の安定感はないものの、問題なくラインをトレースする走りが可能。以前、試したことのあるウェット路でもG003はMTタイヤのレベルを超えた安心感があったのを記憶している。このタイヤを “ドレスアップタイヤ” として選ぶユーザーが多いのも、納得できるのだ。
 
そして、この両タイヤの真価が発揮されるのがオフロードだ。ただダート路面に乗り入れただけでも、ステアリングから伝わる手応えがしっかりしていて、両者のトラクションの強さが感じられる。
 
少し湿った火山灰のヒルクライム、ここではX-ATのタテ方向のトラクションの強さが印象的だ。X-ATのトレッドは溝が深く、G003に比べると数多くの小さなブロックが配されている。この一つひとつが路面を引っかくトラクション成分となり、クルマを力強く進めていくようなイメージだ。これに対しG003は、鋭いブロックを路面に突き刺しながらグリップを稼ぐイメージ。X-ATがタイヤを回しながらグリップを稼ぐのに対し、G003はゆっくりと確実に路面を噛んでいく。

 

普段乗り+オフならX-AT
G003はよりハードな悪路志向

そんな両者の違いが、よりはっきり分かるシーンがモーグル地形。X-ATはここでもタイヤを回しながらトラクションを稼いでいくイメージ。ジムニーのブレーキLSDとの相性もよく、タイヤが空転するようなシーンでも素早くトラクションを回復し、リズミカルにモーグルを乗り越えていく。
 
これに対しG003は、力強く地面を蹴り返していく感じで、縦方向は強力に、横方向も滑ってしまうことなく、確実にクルマを前に進めていく。ブレーキLSDの介入も、G003のほうが明らかに小さいのだ。
 
トータルで見ると、オンロードとオフロード、両シーンでバランスの取れたパフォーマンスを見せてくれるのがジオランダーX-AT。普段乗りは明らかに快適だし、ジムニーをアグレッシブに演出するルックスもいい。ホワイトレター仕様が追加されたのも、より多くのユーザーにアピールするだろう。
 
またジオランダーM/T G003も、普段乗りでとくにネガティブなイメージはない。だが、やはり本領はオフロード、それもかなりハードなシチュエーションでこそ真価が得られる。それ以外は少し、宝の持ち腐れか? この結果をベースに、ぜひ、ご自分の乗り方を考えながら、『X-AT or G003』を選んでみて欲しい。
(文:高坂義信/写真:山岡和正)

 

ジオランダーX-AT

MTとATの優れた部分を併せ持つ、新カテゴリーの“エクストリーム・オールテレーン”。ショルダー部は2つの異なる形状のブロックを、センター部は4つの異なる形状を配置し、アグレッシブなルックスと、ウェット路や滑りやすいオフロードでのトラクション性を両立している。今回、ジムニーに対応する195R16Cサイズにアウトラインホワイトレター仕様が登場。

 

30㎜アップサスペンションをメインにセットアップした『コンドーオート』のコンプリートカー。前後バンパーやリアルカーボンボンネット(オプション)など、エクステリアの完成度も高い。

 

 

ジオランダーM/T G003

ジオランダーのフラッグシップである本格MTタイヤ。ラージメッシュ・ラググルーブ、シーケンシャルサイプ、アグレッシブサイドブロックなどを採用し、泥や岩などへのトラクション性能を高めると同時に、高い耐カット性やロングライフ性も実現している、サイズラインナップも充実していて、とくにジムニーに対しては純正からカスタマイズサイズまで豊富に用意する。

 

『アピオ』のコンプリートカーは20㎜アップと40㎜アップ、2タイプのサスペンションが用意されるが、今回は20㎜アップ仕様。個性的な前後バンパーや、ホイールデザインも人気だ。

 

 

 

ハンドルを握った瞬間から感じる剛性感は、グリップレベルが高いことの証し。X-ATのオンロードはキビキビしたハンドリングと滑らかな乗り心地や高い静粛性を実現している。

 

X-ATの剛性感の高さとトラクションの強さは、オフロードに踏み入れた瞬間から感じられる。とくにフカフカ路面の火山灰の登りでは縦方向に強いグリップを発揮。タイヤを回しながらトラクションを得るイメージで、ブレーキLSDとの相性も良好。

 

ワイルドなルックスながら、M/T G003の乗り味は基本的にしなやか。タイヤノイズもゴツゴツ感も最小限に抑えられている。ワインディングの挙動はATなどと比べてしまうと不安定感もあるが、操縦性は確保。

 

大きなパターンブロックが路面に突き刺さるイメージで強力なトラクションを確保。縦方向にはもちろん、横方向へのグリップも強く、モーグルではブレーキLSDの出番もなかったほど。M/T G003こそ、本格オフロード派にぜひ選んでほしい。
 

アピオ・河野 仁 代表

MTタイヤというとロードノイズが……というイメージがありますが、ジオランダーM/T G003はほとんど気になりません。ルックスの点でも当社のコンプリートカーに似合っていて、人気がありますね。G003は普段乗りからオフロードまでポテンシャルが高く、自信を持ってオススメできます。

 

コンドーオート・高坂 浩 店長

ジオランダーX-ATについては、MTタイヤ寄りのATタイヤというイメージです。MTまではいらないけど、ATだとおとなししぎる……という方にはベストな選択になるでしょう。見た目のわりに音は静かで乗り心地もいいですね。195R16Cにホワイトレターの設定は、待ってました! ですね。

 

 

 

GEOLANDAR 公式サイト

https://www.y-yokohama.com/brand/tire/geolandar/