モトレージ40年の軌跡 〜ジムニー後編

2022.12.21

    • カスタムカー
    • スズキ

「ようこそ、ジムニーそして四駆の世界へ!」

ジムニー、20年ぶりのフルモデルチェンジ。ブレーキLSDや横滑り防止装置といった先進技術を搭載し、さらにはボディーとサスペンションバランスの良さがもたらす走破性の飛躍的な向上を果たしたJB64&JB74の登場は、ジムニー&四駆業界の枠を越え、エアロパーツメーカーをはじめとする新規組の参入を認めることとなった。
 
一方、これまで普通乗用車だけを乗り継いできたオーナーたちもまた、この新型ジムニー&シエラのフォルムに魅了され、多くのジムニーユーザーを誕生させることとなった。「人生初の四駆、そして初めてのジムニー」というフレッシュなユーザーの存在を認めると、数多のパーツを世に送り出してきたモトレージ 岡本代表の “モノ創り魂” にも火がついた。
 
たとえば脚まわり。6種類の味付けの異なるサスペンションの製品化を、いち早く実現する。これは「ジムニービギナーには、取り回しのしやすい低めの車高アップを、そしてジムニーからの乗換えやベテラン組には、自分好みのジムニーライフが送れるように」と、様々な思いを持ったユーザーたちの気持ちを汲み上げ、また新しいジムニーライフを豊かなものにして欲しい、との思いからだった。
 
さらに、エクステリア系のパーツ開発も精力的だった。3種類のフロントグリルをはじめ、前後バンパーやシュノーケル、ルーフボックス…等を続々とリリース。それは、定期的な訪問を続けてきた私たち取材班を驚かせるほどのものだった。なぜなら、前回訪れたときの容姿すら思い出せないほど、JB64デモカーが変貌していたからだ。それも訪れるたびに。そしてその都度、己の眼を疑った。
 
エクステリア系のパーツ開発には、大人の遊び心も忘れていなかった。たとえばフロントグリルの意匠を “LJジムニー” 風にしてみたり、ルーフボックス(フロントスポーツグリルも!)には、迷彩ペイント仕上げを採用してみたり…。カスタムすることの楽しさを気付かせてくれるような、懐の深さと自由な雰囲気が、このときモトレージには流れていた。
 
「ジムニーは、50年以上の歴史を持った四駆です。旧いジムニーは、操っていることを感じさせてくれる、まさに人馬一体という表現が相応しいクルマです。でも、リファインして乗り続けるにはパーツ探しの覚悟を持たなければなりません。もし、これからジムニーを持ちたいというのであれば、古き良き時代を彷彿させるフォルムに先端技術が搭載された現行車をおススメしたい。なぜなら、ジムニーがきっと好きになれるはずだからです。そのために、私たちモトレージがあるのですから!」
(文章:水島 仁/写真:佐久間 清人)
 

 

Jimny JB64

パーツ開発に向けられた、モトレージの本気度が伝わってくる

ジムニーが20年ぶりにフルモデルチェンジしJB64が登場すると、モトレージのパーツ開発は堰を切ったかのように活発となった。特に、脚まわりの製品化は、ただ速かっただけでなく、乗り味の異なる全6種のコイルスプリングをラインナップした。セッティングの異なるJB64を一同に集めての取材は、まさに壮観だった。
◆タイヤ:BFグッドリッチ オールテレーンT/A KO2 LT225/75R16

 

ビッグローターキットとTERRAサスペンションキット 3インチアップ

●写真 左:サスペンションやタイヤ+ホイール等のカスタマイズによりバネ下荷重は増化するもの。そこで同社では、純正サイズよりも約1インチ大径化させた「TERRAビッグローターキット(+TERRAディスクブレーキパッドType SUPER)」を開発。制動力のアップを実現した。純正サイズの「TERRAスーパーディスクブレーキローター」もあり。
●写真 右:このJB64に装着されたTERRAサスペンションキットは約3インチアップ。ソフトタイプのコイル、スペシャルビルシュタイン46スーパーロングダンパー、調整式ラテラルロッド、キャスタードリーム、ステンメッシュブレーキホース、サイレンサーチューブ他のセット。

 

エクステリア系パーツも充実

●写真 ①:FRP製「エアロフェンダーカバーJB64用」は、片側9mmワイド。ラプターライナーの塗装が施された “ブラックもしくは純正色” からの選択となる。
●写真 ②:FRP製「シュノーケルJB64用」は、標準エアインテ―クより高い位置に吸入口を設置することで、洪水や渡河時の吸水によるエンジンの破損を防ぐ。
●写真 ③:頑強な新素材FRPを採用した「フロントFRP-Tバンパー」は、純正フォグランプの使用が可能。スキッドプレート(アルミ製シルバーアルマイトもしくはブラックアルマイト)も付属する。
●写真 ④:タフな新素材FRPを使用した「リアFRP-Tバンパー」は、ディフェンダー用の丸形LEDランプが付属(要、配線加工)する。ブラックor純正色(フロントも同様)からの選択。

 

ウィンチを装着し戦闘力をアップさせたシックなJB64

グレーのボディーカラーとブラックカラーで纏められたパーツたちが、大人のジムニーを演出している。TERRAサスペンションキット3インチアップ(上記、白 JB64とほぼ同様)とウィンチ等の装着により、走破性をさら向上させた。

 

走るフィールドは無限大

●写真 ①:VRX45等小型ウィンチの搭載が可能な「フロントFRP-Tウィンチバンパー(JB64用)」。タフな新素材FRPを採用し、ウィンチベットとスキッドプレート(アルミ製シルバーアルマイトもしくはブラックアルマイト)とライセンスプレートベースが付属する。純正フォグの使用が可能。
●写真 ②:狭い積載スペースを補うために装着されたルーフキャリアはARB製。フラットな形状は、風防対策にも優れ “今風” を感じさせている。
●写真 ③:脚もとを飾るENKEI RPF1デザインホイールは、ダークなマットカラーを選択し統一感を演出する。タイヤ:BFグッドリッチマッドテレーンKM3 LT225/75R16。

 

走ることに遊び心も加えた一台

走りの追求に、飽くなき挑戦を続けるモトレージのモノ創りは、どこまでも硬派だ。しかし、このJB64からは、モトレージの遊び心が伝わってくる。そんな大人の洒落っ気は、無骨な、そして古き良き時代のジムニーを呼び起こすJB64になってから、多く見られるようになった。

 

様々なタイプのエクステリアパーツをラインナップ

●写真 ①:迷彩色に仕上げられた「フロントスポーツグリル タイプLJ」。このデザインとなったのは、JB64の顔つきが初代LJジムニーにどことなく似ていることからだった。
●写真 ②:オリジナルの「ルーフボックス」は、長さ178x幅108x高さ34cm(外寸)。内側には遮熱樹脂加工が施され、ボックス内に水が入りにくくなるよう上下にトリムシールを装着し、アンテナ部分には切り欠きを設けている。スタビラス社製ダンパー使用。JB64/74専用品。
●写真 ③:グレージムニー同様「フロントFRP-Tウィンチバンパー(JB64用)」を装着し、WARN製ウィンチを搭載。写真の通り、ライセンスプレートが捲り上がる設定となっている。
●写真 ④:車高が約2.5インチアップする「TERRAサスペンション サムライキット」を装着。TERRAコイルとモンローサムライダンパー他、、調整式ラテラルロッド、キャスタードリーム、ゴム製ロングブレーキホース、サイレンサーチューブ等のセット。

 

様々なヨンクを乗り継いだオーナーゆえのシンプルさ

ここに集った11台のジムニーのオーナーたちは、皆、モトレージとゆかりの深い人たちばかり。そしてこのJB64の主もまた、お客さんとして、否、古くからモトレージを支えてきたひとりだ。どこまでも控えめなカスタムは、ライフワークに必要となるパーツだけを選択し造り上げたかのように映る。まさに、ハードな登山を趣味とするオーナーにとっては、頼もしい相棒だ。
◆タイヤ:ジオランダーM/T G003 195R16C

 

実用性と酸いも甘いも知った大人が選んだモトレージのパーツ

●写真 左:横に走る2本のバーが特徴の「フロントスポーツグリル タイプ2」と「フロントFRP-Tバンパー」、そしてモトレージ製「スキッドプレート」を装着したフロント周り。MKW製ホイールには、Gritty Finishの塗装が施されている。
●写真 右:TERRAサスペンションコイル(2.5インチアップ)と14段調整ビッグカントリーダンパー、調整式ラテラルロッド、キャスタードリーム、ゴム製ロングブレーキホース、サイレンサーチューブ、バキュームホース、ABS延長パーツのセット。
 

JB64・74用コイルも6種をラインナップ

・TERRA HOTコイルスプリング タイプ2(ノーマル高)
・TERRA HOTコイルスプリング タイプ1(20mmアップ)
・TERRAコイルスプリング(2.5インチアップ)
・TERRAコイルスプリング(3インチアップ)
・TERRA SUPER HOTコイルスプリング(3インチアップ)
・TERRA SUPER HOTコイルスプリング(3.5インチアップ)

 

モトレージ公式サイト

https://www.moto-rage.co.jp/