走りが楽しくなる!「SOLVE ACE Ride20」デビュー 〜オフロードサービスタニグチ

2023.12.16

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JB74シエラに、待望の20mmUPサスペンション

タニグチのサスペンションに、20mmアップサスペンションが加わった
このことにより、20mmというリフトアップ量はシエラへの対応も可能となった
新たなサスペンションは、デュアルレートを採用したシティー派向けを謳う
「SOLVE ACE Ride20」と名付けられた脚まわりを纏ったシエラで、
アップダウン&コーナーの厳しい山間の道を攻めることにした

満を持して「SOLVE ACE Ride20」が登場!

タニグチでは、これまでリフトアップ量の異なる3種類のサスペンションをラインナップしていた。SOLVE ACEを冠した“60”と“40”、そして“20”(この数字は、いずれもリフトアップ量を指す)がそれだ。各タイプともジムニーJB64/74向けと云いたいところなのだが、実はSOLVE ACE20だけが、JB64専用品となっていた。
 
それぞれ、弊社公式サイトやYouTube「4x4MAGAZINE」チャンネルにて、その実力度を余す所なくお届けしてきたのだが、「なぜ、JB74シエラ用の“20mmアップ”サスペンションが存在しないのか?」。同社を通い詰めている筆者にとっても、七不思議のひとつのようなものだった。
 
このことは、JB74オーナーからすれば、まさに切実な問題だったようだ。オフロードサービスタニグチ代表 谷口氏は「全国のシエラオーナーから、20mmアップサスペンションを製品化する予定はないのですか? と、多くのリクエストが寄せられていたんです」。製品化を果たした谷口代表は、苦笑いを浮かべながらも、その表情にはそれ以上の自信をのぞかせる。
 
「このたびリリースした『SOLVE ACE Ride20』は、タニグチのJB74シエラ・デモカーで開発しました。SOLVE ACE20をグレードアップさせたかのような仕上がりです。乗用車からの乗換えも多いジムニーJB74/64オーナーに向け、“セダン”のような運動性能の高くて上質な乗り心地を目指して開発致しました」。
 
タニグチのサスペンションブランド「SOLVE ACE」に、“Ride”と単語がひとつ加えられていることからも、乗り心地に対する強いコダワリと達成感が伝わってくる。
 
そんな満を持しての登場となった「SOLVE ACE Ride20」を装着したシエラ・デモカーを山間の道から林道まで持ち出し、その実力を試してみることにした。

 

「目指したところは、セダンの乗り心地」。その言葉に違わぬ走りを堪能した!

姫路を象徴する山のひとつ雪彦山をのぞむ山間の道は、急な勾配とタイトなコーナーが続く。峠へ向けた上りは、撮影を行いながら谷口代表がドライバー。そして、下りが私の担当だった。
 
結論を先に申し上げておこう。「ステアリングを切ることが、シフトアップ&ダウンすることが、そしてアクセルを踏み込むたびに心地良さを与えてくれて、楽しい! 私の運転技術がワンランクもツーランクも、一気に上がってしまった印象だ。惜しむらくは、視認の悪い山道で、対向車を絶えず気にしなければならなかった、と云うこと。もっと走らせてみたかった!」。まさに興奮冷めやらぬといった試乗だった。
 
この「SOLVE ACE Ride20」は、先にラインナップされた「SOLVE ACE40」にも採用されたデュアルレートのバネレートを採用する。路面側の第1ばね定数によりソフトな乗り心地を提供し、上部(ボディー側)の第2ばね定数がコシのある走りを可能にした。さらに専用設計された「14段調整式ショックアブソーバー」が、横Gに弱いJB74シエラの揺れ戻しを吸収する。タニグチでは、コイル単体ではなく、このショックアブソーバーがセットアップされた“キット”での装着を推奨しているが、このことも十分に頷けるものだった。
 
「タニグチがこの『SOLVE ACE Ride20』に求めたものは、セダンの乗り心地です!」
 
乗用車からの乗換え組が多く、女性オーナーも多いジムニーJB64/74。初めてこのジムニーの主になった方々は、ノーマル車でも、その扱いに手を焼いたと云う経験をお持ちではないだろうか。「ジムニーオーナーになったのだから、カスタムしてジムニーライフを楽しみたい!」。そんなユーザーこそ、「SOLVE ACE Ride20」がオススメだ。ジムニーとともに、40年以上の歳月を過ごしてきた「老舗の味」を、ご堪能頂けることだろう。
(文章:水島 仁/写真:内藤正美)

 

日常に扱いやすさと快適性を求めるなら

乗用車からの乗換え組も多いジムニーJB64/74。車高の低い乗用車に対し、ノーマル車高とは云え重心の高さと、ボディー形状や柔らかいノーマルサスペンションによるロールの大きさから、“扱いにくい”と感じたオーナーも多いのでは。そんな“私のクルマ人生、初のジムニー”というオーナーや、男性に対し小柄な女性にとっては、この「Ride20」へ換装することで、日常のドライビングは格段に楽しいものとなるはずだ!
(テストドライブは、14段調整式ショックアブソーバー フロント5/リア7番にて走行)
 

構成部品が少なく済むのも嬉しい

リフトアップにともなう「直前直左」や「後部突入防止装置」に対する対策部品の装着も、ノーマルタイヤサイズであれば検討の必要はない。このことは、大変なメリットだ。その分のコストを、さらなる愛車のカスタマイズに注げるのだから。ワンサイズ大きいタイヤを…という方は、ご相談を!
 

林道やオフローディングのポテンシャルも十分

新開発された「SOLVE ACE Ride20」を日常使いがメインの街乗りユーザーへ向けた…というワードを多く使わせて頂いた。そんな表現から、オフロード性能は? と疑問を持った読者諸兄も多いのではないだろうか。
確かに、“40”や“60”に比べ、リフトアップ量が少ないためタイヤの大径化はわずかなものとなる。すなわち、最低地上高が“40”や“60”ほど稼げないということになるのだが、専用開発された14段ショックアブソーバーとの組み合わせにより、たまの休日に“家族や仲間と林道やオフローディング”といったオーナーには、十分なポテンシャルが与えられている。むしろ、日常から高速、ワインディングといったステージでの扱いやすさに、満足感を享受することだろう。
 

JIMNY JB64/74用SOLVE ACEシリーズ

◆シエラオーナー待望の20mmアップサス「SOLVE ACE Ride20」(JB64/74用)
 サスペンションキット:¥158,400/セット、コイルスプリング:¥46,200/台

リフトアップ量が約20mmのサスペンションは、日常使いが多い方やエントリーユーザーにオススメだ。専用となる14段調整式ショックアブソーバーとの組み合わせで、オンロードのみならず林道やオフローディングも十分なポテンシャルを持つ。コイルと専用ショックアブソーバー、ロングブレーキホース、キャスターブッシュ2.5、リアラテラル補正ブラケットのセット。
 

◆シャープな走りを実現したオールラウンダー 「SOLVE ACE40」(JB64/74用)
 サスペンションキット:¥211,530/セット、コイルスプリング:¥46,200/台

約40mmアップのコイルは、“Ride20”同様デュアルレートを採用した。初期(第1ばね定数)はソフトな乗り心地を提供し、硬めに設定された第2ばね定数により、腰のあるスポーツ走行が可能に。もちろん、オフロードでの走破性も十分。コイルと専用ショック他、ロングブレーキホース、キャスタードリーム、リアラテラル補正ブラケット、リア大容量バンプラバー等のセット。
 

◆オフローダーへ 「SOLVE ACE60」(JB64/74用)
 サスペンションキット:¥216,040/セット、コイルスプリング:¥48,400/台

SOLVE ACEシリーズ中、もっともオフロード向けに開発されたサスペンション。フロントのばね定数を抑え、前軸に荷重の乗りにくい重心バランスに対し有効なフロントトラクションを、リアはデュアルレートを採用し、初期のソフトな乗り心地を提供しつつも、適度なロールとすることに成功した。コイルと専用ショック他、ロングブレーキホース、キャスタードリーム、ラテラルロッド、リアラテラル補正ブラケット、オフセットスタビスペーサー等のセット。

 

オフロードサービスタニグチ

4x4MAGAZINEの公式サイトやYouTubeにて、毎月のように、タニグチのパーツをご紹介させて頂いているが、谷口代表曰く「リリースされる日を待っている製品は、まだまだあるんです!」と、その開発力には舌を巻く。これからも、お楽しみに!
 

公式サイト

https://www.ors-taniguchi.co.jp