BRIDGESTONE DUELER M/T 674

2017.2.27

    • タイヤ
    • スズキ

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オンロードも捉えた本格マッドタイヤ

〜ブリヂストン デューラー M/T 674

普段乗りを快適にこなし、
オフロードはハードに走破

14年ぶりAT(オールテレーン)タイヤのモデルチェンジで注目されるブリヂストン「デューラー」シリーズ。

しかし、4×4&SUV専用タイヤとして、フラッグシップはあくまでこちら、MT(マッドテレーン)タイヤの「デューラーM/T 674」だ。ラインナップはなんと、8サイズ全LT規格!
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オンロードもウェット路も安心の
“本当の”オールマイティータイヤ

 

 4×4 & SUV専用タイヤブランドとして、オンロード・コンフォート系、同スポーツ系、オン&オフロード・オールステージ系と、指向の異なるラインアップを揃えているブリヂストン「デューラー」シリーズ。その中でもとりわけ、4×4ファン、あるいはオフロード好きユーザーからの支持が高いのが、本格マッドタイヤ「デューラーM/T 674」だ。
 
 その特徴は、まずオフロードタイヤらしい、アグレッシブなルックス。3Dメイングルーブ、3Dブロック、3Dラグ溝&3Dバットレスといった先進技術を組み合わせた“3D形状パタン”と呼ばれるトレッドパターンは、いかにもワイルド。泥濘地や岩場でのタフなポテンシャルを十分、予感させてくれる。またサイド部分も、プロテクトリブの荒々しいデザインが力強さを演出しているだけでなく、実際、岩場などの走行でも、サイドの損傷を軽減させる機能を発揮。見た目のゴツさはけっしてダテではないのだ。
 
 サイズラインナップは、カスタムしたジムニーにフィットする185/85R 16LTから、大型4×4をターゲットにしたLT265/75R 16まで、全8サイズを揃えるが、すべてがLT(ライトトラック)規格となっている。ということは、つまり、同クラスの純正タイヤからこのタイヤに履き替えるとなると、ひとまわり大きなサイズを選ぶことになる。したがって各サイズをクルマにジャストマッチさせるためには、2~3インチ、ほどよくリフトアップカスタムを施さなければならないこともあるので、念のため。
 
 さて、本格オフロードタイヤとして満足できるルックスと機能を兼ね備えたデューラーM/T 674。では、実際のドライブフィールはいかに? 試乗はジムニーJB23、『オフロードサービス・タニグチ』の手によってカスタムされた3インチアップ仕様に装着して行った。サイズはもちろん、185/85R 16LTだ。
 
 さらにこのジムニー、タニグチのチューニングメソッドである「FINEコンピューター」によるスープアップも実施済み。パワーアップが著しく、はっきり言ってMT系タイヤでは怖い思いをするのでは? オンロードでのトラクションを失ってしまうのが心配だ……。しかし、それでもアブレッシブなスタイルを演出してくれるMTタイヤを選びたがるユーザーは多いのが実情なのだが……。
 
 タニグチによると、そんな悩みを解決してくれるのが、このブリヂストンのデューラーM/T 674なのだという。つまりMTタイヤでありながら、オンロードのハイパフォーマンスな走りにも応えうる、そんなポテンシャルを持ったタイヤという訳だ。
 
 たしかにMTタイヤやトラクション系のタイヤは、オフロードやマッド路面におけるトラクションはしっかり稼がれている。しかし問題はオンロード、特に横方向へのグリップ感だ。ある程度スピードに乗せた走りでは、1つ1つのブロックが大きいせいか応力が大きく、ヨレるような感じがあるし、さらに最悪なのは雨の日。ヨコ方向に思ったようなグリップが得られず、ウェット路面で交差点を曲がる時など、怖い思いをしたMTタイヤユーザーも多いことだろう。
 
 ところがこのデューラーM/T 674は、そんなMTタイヤならではのウィークポイントを克服。オンロードの横方向のトラクションが、バツグンに強いのだ。実際、今回のハイパワー・ジムニーでも、S字のコーナリングの切り返しもハンドリングがしっかりついてきてくれ、キビキビ走らせることができる。その感覚はMTというより、ATに近い。製品によってはAT以上、と言っていいだろう。またタニグチによると、何より雨の日の安心感が、デューラーM/T 674の何よりのアドバンテージなのだという。
 
 そして一方、オフロードについては語るまでもないだろう。LT規格、ハイトの高いプロフィールで、ガレ場や大きな石の転がる河原のような場所も、安心して進入していける。荒々しいブロックパタンはトラクション性能に優れるのはもちろん、硬い路面での当たりを和らげてくれるので、乗り心地の良さも発揮してくれる。さらに本領を見せてくれるのは、フカフカの砂の路面や、深いマッド路面。タテ方向だけでなく、ヨコ方向への強いトラクションで、クルマをグイグイ進めてくれると同時に、舵もしっかり効かせてくれるので、コントロールを容易にしてくれるのだ。
 
 MTタイヤとしての本質を充実させながらも、オンロードの快適性や安心感を備えたデューラーM/T 674。オフローダーとはいえ、実際の走行割合はほとんどオンロードという現実を考えると、これ以上“オールマイティな”タイヤはないのではなかろうか?
 
文:高坂義信/写真:難波 毅、取材協力:オフロードサービスタニグチ

 

M/T 674の本領を発揮してくれるのがハードなオフロードシーン。荒れた路面でも安心してアプローチし、そこから得られるトラクションも強力なのだ。

M/T 674の本領を発揮してくれるのがハードなオフロードシーン。荒れた路面でも安心してアプローチし、そこから得られるトラクションも強力なのだ。

オンロードではハイパワーにスープアップされたタニグチ・ジムニーの走りを、足もとからサポート。パワー&トルクをしっかり路面に伝えてくれる印象だ。

オンロードではハイパワーにスープアップされたタニグチ・ジムニーの走りを、足もとからサポート。パワー&トルクをしっかり路面に伝えてくれる印象だ。

 

06_7348ワイルドなルックスは機能性そのものだ

 マッドステージでのトラクションとハンドリング性能の確保、優れた耐久性の実現、オンロードでの静粛性と乗り心地の確保…これがデューラーM/T 674の特徴だが、そのためにトレッドには独自の「3D形状パタン」が採用された。
 
 センターブロックの壁を丸みのある形状にすることで、溝に入り込んだ泥を掃き出しやすくする“3D主溝”。ショルダーブロックの壁も丸みを持たせ、泥の排出効果を高めながら、高いブロック剛性でハンドリングと耐摩耗性を両立させた“3Dブロック”。そして段差形状を採用しマッド上でのひっかかり効果を生み出す“3Dラグ溝 & 3Dバットレス”。
 
 これらをひっくるめて「3D形状パタン」と呼んでいるが、と同時に、アグレッシブなルックスを実現している点も見逃せない。
 
 さらにサイドにはプロテクトリブが設けられ、見た目と、サイド損傷を軽減するという機能性も実現しているし、ホイールのリムフランジ部分を縁石や石噛みなどから守るリムガードも採用している。MTタイヤらしいアピアランスには、それなりの理由がある、ということだ。
 
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ダートや林道、ガレ場などでも安定したトラクションを発揮。ブロックやサイドのしなやかな作り込みで、乗り心地も想像以上に良好。

ダートや林道、ガレ場などでも安定したトラクションを発揮。ブロックやサイドのしなやかな作り込みで、乗り心地も想像以上に良好。

http://tire.bridgestone.co.jp/dueler