SUBARU HISTORY 4/4:SUVの先駆者スバル
2015.10.17
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オーバータイム
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スバル
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フォレスター
1st Model(1997〜2002)
スバル流SUVの登場
FORESTER Ttb
当初はターボモデルのみのラインナップでデビューしたフォレスター。アウトドアユースを考慮したモデルだが、他のライトクロカンとは異なるコンセプトで人気となった。
1997年2月、スバルはよりSUVライクなワゴンモデル・フォレスターを発売。当時は、三菱RVR、トヨタRAV4、日産エクストレイル、そしてホンダCR-Vと、いわゆるライトクロカンが大人気となっていた。フォレスターはこのマーケットを狙って投入されたモデルだが、他車がクロカン4×4に似せたスタイリングを特徴としたのに対して、フォレスターはあくまでもステーションワゴンをベースとしたスタイリングで、レオーネを源流に持つスバルならではの回答を示したのである。
シャーシーは初代インプレッサをベースとしていたが、これは初代レガシィのホイールベースを60㎜短縮したものであり、サスペンションは前後ストラットであった。搭載エンジンは250PSを発揮する2リッター水平対向4気筒ターボのみで、5速MT車にはビスカスカップリング式フルタイム4×4、4速AT車にはアクティブトルクスプリット4×4を採用。最低地上高は200㎜が確保され、パッセンジャーライクなハイパワーSUVという独自のポジションでアプローチし人気を得た。
同年7月には2リッターNAモデルを追加。5速MT車にはデュアルレンジ仕様も設定された。翌1998年にエンジンが改良され、2.5リッターNAモデルが追加設定。2000年のマイナーチェンジでは内外装を変更するとともに、サスペンション設定を変更。以降、特別仕様車やハイパフォーマンスモデル「STiバージョン」が登場するなど、人気に合わせてラインナップが拡充されていった。
1995年発売のインプレッサスポーツワゴン・グラベルEX。インプレッサの地上高を上げて背面タイヤなどを装着したSUV仕様として好評を博し、フォレスターの前身的なモデルとなった。
1998年には2.5リッターモデルを追加。別デザインのフロントグリルを採用。
2nd Model(2002〜2007)
正統進化した2代目
FORESTER XT
2002年に登場した2代目は初代のボクシーさを継承したスタイリング。様々な特別仕様車が設定された。
2002年2月、フルモデルチェンジを実施。先代同様、インプレッサをベースにしており、最低地上高は200㎜を確保するなどコンセプトも継承された。
メカニズム関係にも大きな変更はなく、エンジンは2リッターNAと2リッターターボの2本立て。サスペンションは前後ストラットで、5速MT車にはビスカスカップリング式フルタイム4×4、4速AT車にはアクティブトルクスプリット4×4を採用。2リッターNAの5速MT車にはデュアルレンジも設定された。
同年10月にはローダウンサスペンションを採用して車高を1,550㎜に抑えたクロススポーツを追加(最低地上高は170㎜を確保)。ATにはマニュアルシフト機構が採用された。2003年には内外装を一部変更。2004年には2.5リッターターボに6速MTを組み合わせ、VDT-4WDを採用した「STiバージョン」も登場。また特別仕様車だった「L.L.Bean Edition」がカタログモデルとなった。
2005年5月には前後バンパーやヘッドライトなど、エクステリアを大幅に変更し、撥水シートの採用などインテリアも機能性と質感が高められた。また、四輪ディスクブレーキが全車標準となった。同年12月にはサスペンション設定を変更し、乗り心地の向上が図られた。2007年1月に内装を変更した最終モデルが発売されたが、同年12月には3代目が登場することになった。
ブリスターフェンダーが強調され、よりマッシブになったリアビュー。
2005年のマイナーチェンジでは、フロントまわりのデザインが変更された。
上級グレードとなるXTのインパネまわり。ホワイトメーターを採用。
3rd Model(2007〜2012)
海外市場を狙って大型化
FORESTER 2.0XT
車幅は1,780㎜となったが、トレッドを拡大してハンドル切れ角を大きくしたことにより最小回転半径は5.3mと先代より0.1m縮小された。
2007年12月、3代目にフルモデルチェンジ。海外市場を狙いボディーが大幅に拡大され、よりSUVらしいスタイリングとなった。
従来同様、シャーシーはインプレッサと共通で、サスペンションはフロントは先代同様ストラットだが、リアサスはダブルウィッシュボーンに変更された。
エンジンは2リッター水平対向4気筒でNAとターボを設定。いずれも可変バルタイ機構を採用したDOHCとなり、パワーと環境性能を向上させている。4×4システムは、5速MTがビスカスカップリング式フルタイム4×4、4速ATがアクティブトルクスプリット4×4を継承しているが、デュアルレンジモデルは廃止。また、STiバージョンもカタログから姿を消した。
2009年にはサスペンション設定を変更し、乗り心地を改善。サイドエアバッグとカーテンエアバッグが標準装備された。
2010年10月にビッグマイナーを実施。2リッターNAエンジンが新世代型に進化し、燃費性能が向上した。また、サスペンションは全面的に設定変更が施され、内外装の変更だけでなく、メカニズムもリファインされた。このマイナーチェンジでは、2.5リッターターボモデル「S-Edition」を追加設定。マニュアルモード付き5速ATとスポーティーな専用サスが採用された。
ボディーが拡大された3代目フォレスターは、国内での評価は賛否両論だったが、海外では好評を得て成功を収めた。そして、2012年11月、3代目のコンセプトを更に発展させSUV色を強めた現行モデルが登場する。
スッキリしたデザインになった3代目のリアまわり。後方視界も広がった。
立体的な造形となり、スポーティーさが強調された3代目のインテリア。