YOKOHAMA GEOLANDAR I/T-S 225/55R18

2010.10.26

    • タイヤ
    • 三菱

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雪上もしくは氷上でのグリップ性能を高めるためには、ソフトなコンパウンドと広い接地面積、多数のサイプが必要だが、オンロードでのハンドリングや耐久性 も犠牲にしてしまうことが多い。ジオランダーI/T-Sでは独自の技術によりオンのコントロール性能を確保しているという。今回はデリカD:5にI/T- Sを装着し、街中でのドライビングインプレッションへと繰り出した。

 

スタッドレスを意識させない走り

スタッドレスタイヤを履いているからと言っても、冬の間雪の上ばかりを走っているわけではなく、オンロードメインの走行になってしまう場合が多い。生活圏 が都市部近郊の方ならなおさらだ。スタッドレスタイヤは雪上もしくは氷上でのグリップ性能を確保するため柔らかめのゴムを採用し、さらにブロックに細かな サイプを数多く入れるなど、一般的に舗装路走行中の挙動はダルになりがちだった。けれど、I/T-Sは凍結路でのグリップを確保しつつ、オンロードでの シッカリ感も両立しているといわれている。そこで今回はオンロードオンリーの試乗へとI/T-Sを履いて出掛けてみることに。

 

試乗車両はミニバン系四駆で人気の高いデリカD:5。純正サイズと同じI/T-S(225/55R18)へと履き替えて街中へ向け出発した。スタッドレス タイヤにとっては過酷な真夏のロードテストだが、このI/T-S、走り始めた直後にサスペンションが若干柔らかくなった感触を覚えるものの、一般道での レーンチェンジやコーナリング時の剛性感が高くタイヤがヨレる感じもなく、ノーマルタイヤと遜色ない走行フィーリングで街中を駆け抜けられる。ステアリン グ操作に対する反応も良い。

 

次いでテストフィールドを首都高へと移し、ちょっとスピードに乗ったコーナリングも試してみたが腰砕け感を感じることはなかった。さすがに高速でのレーン チェンジではノーマルタイヤに比べ応答性が若干劣るけれど、スタッドレスタイヤそして真夏の路面ということを考えれば許容範囲といえる。この安定した挙動 は、センターリブに従来のピラミッドサイプ、旋回時の負荷が大きいショルダー&セカンドブロックには剛性に優れるトリプルピラミッドサイプを採用 するなどのきめ細かい工夫でもたらされたもの。また、高密度ゴム補強構造により、凍結路では接地性、乾燥路ではシッカリ感を高めているのが特徴だ。

 

さらに、スタッドレスタイヤで気になるポイントのひとつに走行中の騒音があるが、100km/h巡航中でもこのI/T-Sは多少の唸り音が聞こえてくる程度で気にならないレベル。前モデルのG072よりも抑えられているようだった。

 

今回、I/T-Sにはちょっと意地悪な状況下でのインプレッションになってしまったが、それでも試乗中に不満を感じることはなく、オンロードでの快適性能 の向上が体感できる試乗となった。また、デリカD:5では純正と同サイズが選べたというのもポイント。スタッドレスタイヤ用のホイールを用意する必要もな く、何よりノーマルのシルエットを崩すことなくスタッドレスタイヤを履けるのが嬉しい。さらに、I/T-Sは今シーズンからラインナップがグンっと拡大さ れる(詳細は139ページを参照)。特に18〜21インチの充実度が高まっていて、レンジローバーなど欧州SUVでも履けるスタッドレスタイヤが増えるこ とになるだろう。

 

トレッド全体のブロック剛性が高いため、オンロードのコーナリングもノーマルタイヤと変わりないフィーリングでこなすことができる。

トレッド全体のブロック剛性が高いため、オンロードのコーナリングもノーマルタイヤと変わりないフィーリングでこなすことができる。

 

テーパー形状の溝壁面がブロックの倒れ込みを抑制することで、コーナリング時の安定感を確保している。また、センターリブにピラミッドサイプ、セカンドブロックとショルダー部にはトリプルピラミッドサイプが採用されブロック剛性を均一化。偏摩耗を効果的に防ぎ、ロングライフ化にもひと役かっているという。

テーパー形状の溝壁面がブロックの倒れ込みを抑制することで、コーナリング時の安定感を確保している。また、センターリブにピラミッドサイプ、セカンドブロックとショルダー部にはトリプルピラミッドサイプが採用されブロック剛性を均一化。偏摩耗を効果的に防ぎ、ロングライフ化にもひと役かっているという。