【紹介/試走】フォルクスワーゲン ティグアン

2015.4.24

    • 四輪駆動車
    • Volkswagen

見た目は古風、走りは今風

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兄貴分トゥアレグのイメージを巧みに引き継いでいる

A14K6219ティグアンはフォルクスワーゲンのプレミアム&コンパクトSUV。長いボンネットフードをもち、コンベンショナルなSUVのシルエッ トが兄貴分のトゥアレグのイメージを色濃く受け継ぐ。ただしトゥアレグとは異なり、ボンネット下のパワーユニットは横置きエンジン。駆動方式はFFを基本 としながら、4MOTIONと呼ぶフルタイム4×4を採用している。

 

エンジンは2.0リッターガソリンと1.4リッターをラインナップ。いずれも燃料直噴と過給を組み合わせたTSIエンジンだ。今回試 乗したライストゥンには2.0リッター版が積まれており、これに7速DSGが組み合わされる。ライストゥンとはドイツ語で「効率」などを意味するという。 従来、ティグアンには最上級グレードのR-Lineにのみ4MOTIONが設定されていたが、このライストゥンを追加することでより4MOTIONがより 身近になった。R-Line 4MOTIONは483.2万円。ライストゥン4MOTIONは418.1万円だ。

 

とはいえライストゥンは見劣りする廉価版ではない。バイキセノンヘッドライトやスタティック&ダイナミックコーナリングライ ト、レインセンサー、クルーズコントロールなどを装備しているほか、ドライバー疲労検知システムの”Fatigue Detection”を搭載する。これはドライバーによるステアリング入力や角度をモニタリングして事故発生を抑制するシステム。疲労や眠気により正常な 運転パターンとは異なる操作をすると、マルチファンクションインジケーターの表示とブザーでドライバーに注意を促してくれる。短時間の試乗でこの機能のお 世話になることはなかったが、ロングドライブでは助けられるシーンがあるかもしれない。

 

インテリアも上質だ。アルカンターラ&ファブリックスポーツシートに加え、レザー3本スポークステアリングホイール、レザーシフトノ ブを備える。ステアリングやシフトノブは手に触れるパーツだけに、品質の高さを常に実感できる。スポーツシートの座面は高く、視界がよい。アイポイントの 高さやドライビング姿勢はトゥアレグのそれに近く、本格オフロードタイプの雰囲気が漂う。

 

走り出すと、シートポジションの高さからくる腰高感が少ない。ドッシリとした安定感があり、アクセルペダルの入力に対してノーズが浮 き上がったり、ダイブするといった煩わしさがない。フラットな乗り心地だ。ステアリングフィーリングは完全にゴルフの延長線上にある。軽く操舵できる一方 で、ほどよく引き締められている。タイヤの扁平率は55と最新SUVにしてはやや厚底なのだが、旨く曖昧さが抑えられている。ゴルフのような乗用車から乗 り換えても違和感を感じることはないだろう。

 

2.0リッターのTSIエンジンは、118kW(160PS)/5,800rpmと数値的には見栄えするものではないが、実際にはス ペック以上に頼もしさを感じさせられた。市街地の発進ではスルスルとスピードに乗る。高速巡航では追い越しでモタモタすることもなく、加速しながらスマー トにレーンチェンジができる。5名乗車で荷室に荷物を満載した状態では印象が変わるかもしれないものの、カメラマンとの2名乗車では力強さを実感させられ た。
ルックスも走りも今風のSUVなら、選択肢はいくらでもある。ティグアンはコンベンショナルな本格オフロードSUVを連想させるルッ クスでありながら、その走りは現代的。このような組み合わせは意外にも希少だ。こういったところに、ティグアン人気の理由があるのかもしれない。

 

A14K6216【エンジン】
燃料直噴とターボを組み合わせた直4エンジン。最高出力132kW(179PS)/4,500〜6,200 rpm、最大トルク280Nm(28.6Kgm)/1,700〜4,500 rpmを発生する。エンジンのダウンサイジングで先行したフォルクスワーゲンらしく、排気量以上のパワーを感じさせる。

 

A14K6228【インパネ全景】
ゴルフなどと同様シンプルな構成だ。インパネに並ぶエアコンの吹き出し口は8つ。風向を細かく調整できる。センターコンソールの純正ナビゲーションシステムはオプションとなっている。

 

A14K6243【メーター】
センターにマルチファンクションインジケーターを配置。時刻、瞬間・平均燃費、走行距離、平均速度、運転時間、外気温度などの情報表示をスマートに集約している。

 

A14K6255【インパネまわり】
シフトレバーのゲートは変形H型。D位置から左へ倒すとマニュアル操作ができる。また、エレクトロニックパーキングプレーキを採用しており、指先ひとつで作動と解除できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A14K6268【カーゴ】
ラゲッジルームの容量は470リッター。リアシートを倒すことで1,510リッターに拡大する。タイヤハウスの出っ張りがないので荷物を収めやすい。

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A14K6204●SPECIFICATION…全長×全幅×全高:4,430×1,810×1,710mm/ホイールベース:2,605mm/定員:5名 /エンジン形式:直列4気筒DOHCガソリン・ターボ/排気量:1,984cc/最高出力:132kW(179PS)/4,500〜6,200 rpm/最大トルク280Nm(28.6Kgm)/1,700〜4,500rpm/トランスミッション:湿式多板ダイヤフラム式7速DSG/駆動方式:四 輪駆動/サスペンション:前マクファーソンストラット・後4リンク/ブレーキ:前ベンチレーテッド・ディスク・後ディスク/ステアリング形式:ラッ ク&ピニオン/タイヤ(標準): F:235/55R17,R: 235/55R17/ホイール(標準):F:7J×17,R:7J×17/車両本体価格4,181,000円(税抜)