【試乗記】マツダ CX-5、引き算の美学で生み出されたデザイン、人車一体の感覚を盛り込んだハンドリング:木下隆之

2017.3.18

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MAZDA CX-5

このところ強烈にブランド力を高めているマツダの最新作品が「CX-5」である。全てのモデルを、光沢と深みのあるソウルレッドでイメージ統一するなど、斬新な手法で存在感を得ているマツダの主力車種がこれ。試乗した印象からすると、これから街に溢れるであろう予感が強くするのだ。これは間違いなく売れる、そう思わせてくれた。

デザインがまず整っている。どこにも破綻がないのだ。マツダの最新アイデンティティとなる顔つきだから、正面から眺めればそれがマツダのモデルだと誰もが気づく。だがそれだけではない。全体的なシルエットも最近のマツダに統一した造形なのだ。

新型CX-5はライト類を横長に細め、眼光を鋭くした。だが、強烈な印象を残すのはそこだけだ。ボディ全体には派手な突起やこれ見よがしの隆起や、あるいはアイキャッチとなるようなポイントがない。

「引き算の美学」 

マツダのデザイナーは自らのコンセプトをこう呼ぶ。最近は各社、押し出しの強いデザインが好みのようだが、それとは背を向ける。一つの塊からシルエットをつくりだしてから、一筆二筆を足していく手法が目立つ。それは飽きのこないデザインだというのだが、マツダの引き算の美学で生み出されたCX-5こそ、シンプルがゆえに長く付き合えるような気がした。

<先代 / 現行>

それでも、先代に比較してAピラーポストを35mm後退させるなどで、ノーズが長く見えるようになった。SUV特有の、ともすればずんぐりと凡庸に見えるシルエットから脱却している。車格感が高まったような印象を受けるのだ。

ちなみに、マツダがイメージ戦略上統一していたソウルレッドは、CX-5になって微妙に変化させている。光や角度によって表情を変えるそれは、CX-5になってよりクリスタル度が高まっている。

大人になった印象は、コクピットにも表れていた。これまでのような、どこか大衆車的な香りが薄らいでいる。インテリアも引き算の美学でデザインされているようで、派手な凹凸は少ない。ここもシンプルなのだ。

だが、シート素材や細部のデザインには手が加えられているし、ダブルステッチの縫い合わせを採用するなど、高級感が加わったと思える。

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